テディベアの傍らに   作:こっここーまん

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43話 再会

 ユイを連れ、ショカンを確実に殺すための包囲網のひとつである島にいた。

 包囲網の中で最も大きく、人も船の行き来も多い。

 人が隠れるのにはよい場所だ。それは、向こうもよくわかっている。

 だが、ここにルッチたちは来ない。絶対に。

 

「お姉ちゃん? 大丈夫?」

「大丈夫。でも、少しだけ待って」

 

 無茶をした自覚はある。せっかくしてもらった応急処置すら、意味を成していない。

 とにかく、まずは包囲網を抜ける。

 それから、グランドラインを抜けて、東の海に向かう。

 ひとりでなら容易いが、ユイを連れていくことを考えると、遠すぎる道だ。

 

 だが、まだショカンの死亡が確認されていない。これが、今の一番の武器だ。

 スパンダムからすれば、ショカンがやってくる可能性だって考えられる。

 スパンダムならば、保身を第一にして、ルッチたちを傍に置いておくだろう。

 姿を眩ませるなら、今だけ。

 

「……」

 

 動こうとすれば、痛みが走る。

 ゆっくりと呼吸を整えれば、ふと感じた気配に、ユイを背中へやる。

 

「誰かと思えば、CPの小娘か」

 

 見覚えのある義手の右腕。

 よりにもよって、この男か。

 

「ゼファー」

「今はZだ」

 

 海軍にとっても、世界政府にとっても、要注意人物である、元海軍大将。現海賊。

 ついでに、海軍大将時代、歴代海軍大将の中でも、特にCPを嫌った人物でもある。

 任務で衝突は多かったと聞く。

 

「……」

「……」

 

 敵か、それとも見逃されるか。

 互いに見定めていると、ふと目の前に現れた小さな頭。

 

「――っ」

 

 慌ててユイを下がらせようと、手を伸ばせば、Zは笑った。

 

「お前が戦うのか?」

「貴方がお姉ちゃんを傷つけるな、ら……!」

 

 多少手荒でも、腕の中に抱え込めば、Zは呆れたようにため息をついた。

 

「取って食おうってわけじゃねぇ。お前の姉ちゃんとやらとは、知らねェ仲じゃねェ。

 なぁ?」

 

 その目が「話を聞け」と、言っていた。

 敵、というわけではないらしい。

 

「そう、なの?」

「……言葉にすると、少し、難しい」

 

 向こうも複雑な経緯を持つし、こちらも面倒な状況だ。

 だが、Zは気にせず話を進める。

 

「状況はわからねぇが、お前たちが今欲しいものは想像がつく。

 足とそいつの治療だろ」

 

 さすがに、海軍大将であった男。的確だ。

 

「なら、交換条件だ。俺は、とあるブツが隠されてる場所を知りたい。

 お前なら、その場所を知ってるはずだ」

 

 ユイの耳を塞げば、Zもわかっていたように、続ける。

 

「ダイナ岩の研究所だ」

「あぁ……それなら」

 

 場所は知っている。

 

「交渉成立だな」

 

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