ガミラス基地司令室は、今〈
〈池〉の表面を覆うカモフラージュ板は水底の泥に埋まる宇宙船ドックその他の主要施設とチューブ状の連絡筒で繋がっていて、さらに無数のチューブがウネウネと窒素とメタンが液体でいられる温度に温められた〈水〉の中を漂っている。それらの先には蓮の花の
ガミラス基地司令室もまた、
あちらからもこちらからも水柱を立てて対空砲台が昇る。その光景はまさしく睡蓮の花咲き乱れる池のようだった。
戦闘機どもは散り散りになって逃げていく。
「フフフ」
とシュルツは笑った。
「どうだザマー見ろと言うところだな。あいつらはまだ核を腹に抱いてるようだが……」
ガンツが言う。「射ってきたら水中に潜ってしまえばいいだけです」
「そうなのだが、この基地に〈ヤマト〉を仕留める力があるわけじゃないのだぞ。どうなのだ。やつらは本当に我々のトドメを刺そうとすると思うか」
「わたしはそう思います」とヴィリップスが言った。「必ず〈ヤマト〉の艦長は、第三次攻撃をやろうとする」
「どうもわたしにはその考えがよくわからんのだけどなあ」
「いいえ。やります。やつはやる――リメンバー・パールハーバーです」
ガンツが言う。「その言葉の使い方は、やっぱり間違ってると思うが」
「とにかく、もう我々にはそれしか残っていないのです。なんとかして時間を稼いで避難させた船を戻す。〈ヤマト〉があくまでこの基地の破壊にこだわってくれたなら……」
「我らにもまだチャンスがあることになる」シュルツが言った。「確かにそうだ。『逃げるが勝ち』を決め込まれたら手の出しようがないが、多数で囲み込めるのなら……」
「しかしどうするのです」ガンツが言った。「戦艦はここで全部殺られました。あるのは空母が一隻に重巡が十二隻。他は軽巡に駆逐艦です。駆逐艦ならすぐなんとか戻ってこれるかもしれませんが……」
「〈ヤマト〉相手に大して役に立たんだろうな」シュルツは言った。「タイタンのときとは違う。重巡だ。重巡と空母を戻すのが優先だ。重巡艦隊で〈ヤマト〉を囲い込んでから百の攻撃機で突撃をかける。ここで〈ヤマト〉に勝つとしたらもうそれしか方法はあるまい。かなりの犠牲を払うことになるかもしれんが……」
「はい」とガンツ。「巡洋艦はほとんどが〈ヤマト〉に殺られてしまうでしょうね。攻撃機も半分が墜とされることになるかもしれない……」
「そうなるのがイヤだからこのプランは取りたくないのだ」
「それでも勝てる。勝てるのです」ヴィリップスが言った。「〈ヤマト〉を沈められさえすれば、地球人類は終わりです。波動砲も手に入る。それで我々の勝ちは勝ちです」
「君はそれでいいかもしれんが……」
「他に道はありませんぞ。〈ヤマト〉を逃せば親衛隊に
「そうだな」と言った。「わたしだ。〈ヤマト〉はここに向かってくると思うか」
「現に向かってきています」ガンツが言った。「戦闘機隊を収容して星を出てってもいいはずなのに、やってくる。と言うことは……」
「ほう」と言った。「やる気なのか。〈ビールサーバー〉とか言うやつを」