そして、〈コスモタイガー〉は、残る全機が倍の数の群れと正面からぶつかり合った。互いにミサイルとビームを放ち、
タイガー隊の〈C〉から〈I〉までの編隊は、ビームによってB編隊が〈蓋〉めがけて攻撃を掛ける道を開くのを目的としていた。〈ゴンズイ玉〉に穴を開け、加藤達がそこを通れるようにするのだ。ビームが束となり、敵めがけて一斉に飛ぶ。
けれども敵は、タイガー隊の意図を既に察していた。ならば普通は
タイガー達には同じことができないのを知っているのだ。これは一発勝負であり、失敗すれば態勢を取り直してもう一度やろうとする前にタイムオーバー。二機の〈ゼロ〉が〈蓋〉に激突してしまって意味がなくなると知っている。
だから彼らは命懸けでタイガー隊を止めにきた。何が彼らをそこまで捨て身の戦法に駆り立てるのか、〈タイガー〉に乗る者達に窺い知ることはできない。しかし、タイガー乗りらにしても、今は信じているようだった。自分達エースパイロット集団の中で、エースの中のエースは古代進だと。マゼランから地球に戻り、人類を救う者がいるならそれは古代以外にないのだと。だから剣で突き合うような空中でのチキンゲームに決して
ふたつの群れは交差して共に何機かが墜ちる。タイガー隊はこれに勝った。加藤その他の〈ブラヴォー隊〉は、遊星投擲装置の〈裏蓋〉――地球めがけて投げる石を入れる口を隠している裏の扉を破るコースに入った。
バイザーに映る網目のようなマトリクス線画の中に標的の場所が示される。レーダーがそれをロックする。加藤は自分の〈ブラヴォー・ワン〉の翼の下にまだ持っていたミサイルの残りすべてを放った。部下の三機が同じように、〈蓋〉めがけてミサイルを射つ。
合計で十基ばかりのミサイルが命中、そして爆発した。
〈蓋〉はまさしくただの〈蓋〉でしかなかった。特に分厚い装甲板と言うわけでなく、そのようなものであるはずもない。〈表の蓋〉がそうであったと同様に、いくつにも割れて
そしてそこに開いた口から、白い光が
それに照らされて銀色に光る戦闘機が穴の中から飛び出したのは、加藤が〈蓋〉を吹き飛ばして二秒と経たぬときだった。さらにその一秒後、もう一機の〈ゼロ〉が続いて飛び出してくる。
さらにまたその一秒後、穴が巨大な火柱を噴き上げた。高さ数キロにまで立ち昇る遊星投擲装置の火葬の炎だ。二機の〈ゼロ〉はそれに追いつかれる寸前で、翼を振ってクルリと機体をひるがえらせていた。
「おーっ!」
加藤は声を上げた。他の者らがそれに続いた。