ザ・コクピット・オブ・コスモゼロ   作:島田イスケ

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次に置くのは『ヤマト航海日誌5』として小説投稿サイト〈novelist〉で公開したものの転載です。
https://novelist.jp/91400.html


天国のクロへ

私は家で飼っていた犬を殺した人間です。

 

雑種だったけど、いいやつでした。でも、私が殺しました。家に来たのは私が9歳、あれが生後半年くらいで、家族の中で主に私が道を散歩させていました。

 

『殺した』と書きましたが、本当に殺したわけではありません。私が20、あれが11でもう老犬になりかけていたその日も私が散歩させていると、野良犬が何匹か寄ってきたのでしばらくの間、綱を放して遊ばせてやったのです。すると犬は翌日から元気がなくなり、私が「どうしたんだよ。散歩に行きたくないのか?」と言っても小屋から頭を出すだけでした。

 

そしてその数日後に死にました。医者に診せるとジステンパーだと言われました。ジステンパーのウイルスを野良犬に伝染(うつ)されたんだろう。ジステンパーは仔犬の病気と思われているが実は違う。犬が若くて元気なうちは感染してもまず平気だが、年を取ってウイルスに入られるとまずダメなのだと。ウチの犬は仔犬のときに予防接種を受けていましたが、その効力は切れていたのです。

 

だから死なせたのは私です。綱を外すべきでなかった。まだ何年も生きられたのに、あいつの命を私が奪ってしまったのです。

 

そのことで私を責めた者はおらず、私もわざわざ自分から「おれが殺した」なんてこれまで言ったことはないのですが、でもそうです。おれが殺した。未だに記憶の中であいつに会うたびに、許してくれ、おれがお前をと言わずにいられません。けれどもあいつはなんにもわかっていない顔で、私に尻尾を振っています。私は生きている限り、この呪いを払うことはできないでしょう。

 

が、今ここにこんなことを書くのは犬のジステンパーが、人にとってのコロナウイルスと同じだからです。

 

同じですよね。ウイルス性の伝染病で、若くて元気なら感染しても発症しない〈キャリア〉の状態でいられるが、年を取って伝染(うつ)るとまずい。ウチの犬の場合には、死の責任が私にあるのがはっきりしてます。だから罪を背負うしかない。私は一生、犬を殺した罪を背負って生きていくしかありません。

 

が、コロナはどうでしょう。同じなようだが、果たして本当に同じでしょうか。

 

今のテレビはあなたに向かい、自分の親に近づくな、アナタが親に近づくと親は死ぬのだ、それはアナタが殺したのだと言います。本当にそうでしょうか。

 

私は違うと思います。あなたの親がコロナで死んだものとして、そのまわりにあなたを含めて25人がいたとします。【感染したと思われる日に25人と接触した】という意味です。感染者の割合が20パーセントとすると5人にひとり、

 

 

  ○ ○ ○ ● ○

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  ○ ○ ● ○ ○

 

 

図にするとこう。25人の中に5人。この5つの黒丸のうちのどれかがあなたの親を殺した者ということになります。

 

検査するとそれがわかりますが検査しなければ、

 

 

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この通り、全員がシロで誰がキャリアかわかりません。そして検査したところでキャリアが5人いたのがわかるだけで、そのうちの誰があなたの親に伝染(うつ)したのかがわかるわけではありません。あなたはその5人に対して、「お前達5人の中に人殺しがいる」と言いたいですか。

 

言いたきゃそれでもいいですが、問題はあなたも黒丸のひとりである場合ですね。人はあなたを自分の親を殺したやつのように見るでしょうが、実際は、他に4人いるのだから4人のうちの誰かひとりである確率の方が4倍も高いわけです。わけですが、だからと言って「田中と中野と野村と村田もキャリアだった」なんて言ったら、かえって「罪を逃れようとしている」という眼で人に見られるでしょう。

 

これは間違っています。

 

ですが、もっと間違ってるのがこの5×5(ファイブ・バイ・ファイブ)のうち、真ん中の上から3番目の列の5人だけ抜き出して検査するような場合です。それをやると、

 

 

  ○ ○ ○ ○ ○

  ○ ○ ○ ○ ○

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  ○ ○ ○ ○ ○

  ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

こうなって、ただ一個の黒丸が「こいつだ!」ということになる。あなたが妻と3人の子を連れ、親と会っていたからあなた達だけを検査する場合がこれにあたりますが、結果あなたの奥さんが犯人にされるとかいうことになる。

 

奥さん以外に犯人はいないのだから奥さんだ、ということになるけど間違ってますよね。本当は、検査してないだけでキャリアは他に4人いるはずであり、そのうちの誰かひとりが伝染(うつ)した確率の方が高い。なのに一部だけ検査するから、【コイツだと見て間違いないやつ】がひとり生まれてしまう。

 

おわかりでしょうか。これはスケープゴートです。

 

そのひとりは、他の者らのスケープゴート。あるいは、残り20の中から犯人を出さないためのスケープゴート。5人だけを抜き出して検査し、中にひとりキャリアがいてくれたなら、他の者らを検査しなくていいことになる。アナタが親と会ったためにアナタの親は死んだのだ、ということになれば結局あなたが悪者となり、あなたがスケープゴートです。

 

ですが、それでどうなるでしょう。世は救われたでしょうか。25人の人間関係はメチャメチャで、ファイブ・バイ・ファイブの小さな社会は回復不能の痛手を受ける。スケープゴートを出すのは問題の解決にならない。悪化を招くだけだというのがおわかりになるでしょうか。

 

今の状況がそれです。スケープゴートの大量生産。こともあろうに首相や東京都知事がそれをやるために、国が乱れてしまっている。こう書いたなら反論がこう来るかもしれませんね。「感染がこれだけ拡大してるのだから仕方ない。必要な措置なのだ」と。本当にそうでしょうか。

 

テレビは「コロナの感染が拡大している」と言う。でもどの程度、拡大してると言うのでしょうか。

 

私にはわかりません。テレビが割合を言わないから。さっきの図はキャリアが存在する率を20パーで作りましたが、実際には何パーセントなんですか。

 

80パーなら、

 

 

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  ○ ● ● ● ●

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  ● ● ● ○ ●

 

 

図はこのように作り直さねばなりませんが、変ですね。あなたが親に会おうと会うまいと、あなたの親はキャリアに巻かれていることになる。マスクその他はどうやらほとんど感染を防ぐ役には立っていないようですから、あなたの親にはほぼ確実な死が待っていることになる。感染の度が80パーで、コロナの致死率も高齢者では80パーであると言うならそうなります。

 

でも、そうなっていませんね。テレビは「今日は新たに○人の感染を確認」「今日は新たに○人の感染を確認」と言う。言うけど、ただその数が増えるばかりで老人がバタバタ死んでるという報道はない。別に息子が親に会いに行かなくても死ぬ理屈なのにそうなってない。

 

それどころか、最近は、「今日は何人死んだ」という報道も聞かない。昨日は何人が死んだのでしょう。ニュースが言わないのでわかりません。

 

一日に出る死者の数が、新たに確認される感染者の数に比例するなら今年になって、日に千・二千と死ななければなりません。あしたに三千人死んで、あさって四千死ななきゃ計算が合いません。あなたが親に会いに行けば親は確実に死ぬようなことを政治家や学者は言うが、じゃあ一万も死んでんですか。

 

一日一万。「オレが会ったから親は死んだーっ!!」と叫んで泣いてる人がそんなにたくさんいるんでしょうか。私には、「別にその人が死なせたとは限らんだろう、おれが犬を死なせちまったのと違って」としか思えんのですが、一万いるの?

 

日本の人口が一億二千万、うち二千万が高齢者として、感染の度が10パーセント、致死率も10パーとすれば二十万人がこの数日のうちに死ぬことになる。最終的に百万てとこかな、これは物凄い〈禍〉と言えますがそんな話でもないようですね。割合50の致死率50か、割合80の致死率80みたいに聞こえる割にはどうにもこうにも死者の数が少ないようです。それどころか私には、ニュースが言うのは感染の度は2000パーセントにも達しているが致死率は0.00000001パーセントとでも言ってるように聞こえる。

 

私の耳はちょっとおかしいのでしょうか。「今日は何人死亡」というニュースをこのひと月ばかり聞いた憶えがないのですが私が聞いてないだけですか。

 

ひょっとして「感染が拡大してる、拡大してる」「緊急事態だ、緊急事態だ」と言う割には日に何人も死んでない。「今日は日本全国で3人」と報道すると、「なぜ比例して増えないのか」と人に思われてしまうから報道できないのじゃないでしょうね。感染者がどれだけ多くても死ぬ人間が少ないのならそれは〈禍〉とは言えないはずです。

 

それはたんに普通の風邪が普通に流行っているだけです。普通の風邪でも人は死にます。聞いたことはありませんか、 

「風邪だと思って甘く見るな。風邪は本当は怖い病気だ。肺炎になって死ぬ人が毎年たくさんいるんだぞ」

という言葉を。年に千人や二千人は、普通に死んでるものなんじゃないのでしょうか。去年まで、私はそう思ってたのですが違うのですか。

 

高齢者の人口が二千万なら千人は、二万人にひとりです。二千人でも一万にひとり。この程度の数が死ぬのがこの世の終わりのように騒がれるほどの大事(おおごと)なのか。

 

私はそう思いません。二千万人の中の0.00001パーセント。同じくらいの数が毎年階段で足を踏み外して転落死してるはずですし、火事や交通事故で何倍も何十倍も死んでいる。もちろん、癌で年間に何十万も死んでるでしょう。

 

人は死に方を選べません。自分はタバコを吸わないのに副流煙の肺癌で何年もベッドに縛り付けられ、痛い痛いと苦しみながら死んでいく人もいます。年に千人もです。その場合、誰が苦しめて死なせたのかははっきりしていますね。タバコを吸う同居人です。しかし歩きタバコほどの社会問題視された話は聞きません。

 

なぜかと言えば、それは年に千人くらいのものだからです。二千万人の中の0.00001パーセント。それは当事者と遺族にとっての不幸であっても社会の脅威の数字ではない。

 

【〈スペイン風邪〉以降の百年間に肺炎の死者がゼロだったのが去年にいきなり千人・二千人】という考え方をしてはいけません。毎年千人、日に何人か死んでいて去年の2月・3月には確かに多く死んだようですが4月以降は完全に例年通りとなってるはずです。一昨年(おととし)まではお年寄りが肺炎で死んでも、

 

「肺炎ですか。怖いですねえ。風邪はほんとは怖い病気だとよく言いますがほんとですね。けれどもあまり苦しまずに畳の上で死ねたということですから、それがせめてもの救いでしょうね」

 

と言っておしまいとなってたはずです。

 

それで何がいけないのでしょう。

 

ウチの犬が死んだときに近所の人は、

 

「ジステンパー? 怖いわねえ。でもクロちゃんは幸せだったね。最期は家族に看取ってもらえて」

 

などと言っていました。私は複雑な心境でしたが、「おれが殺した」と私が言うのを誰も望んでいないのがわかっていたので黙っていました。ことはタバコの副流煙の肺癌で苦しんで死ぬ人の最後と違います。肺炎で人が死ぬことは、誰かに風邪のウイルスを伝染(うつ)されたということですが、「伝染(うつ)したのは誰だ」なんてことを言う人間はいなかった。

 

 

  ○ ○ ○ ○ ○

  ○ ○ ○ ○ ○

  ○ ○ ○ ○ ○

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去年までは。検査しなけりゃ全員がシロ。誰も悪者になることがなく、「比較的安楽な死で良かった」ということにさえなり、小さな社会は保たれる。高齢者の肺炎による死などというのは、2019年まではそれで済んできたもののはずです。

 

それでいいのではないでしょうか。

 

何がいけないのですか。全員を検査したところで、風邪のキャリアが複数いれば誰が伝染(うつ)したかわかりません。犬を死なせた私と違って犯人の特定は不可能なのです。それとも、端からひとりずつ検査していき最初に〈陽性〉と出た者を「こいつだ」ということにしますか。

 

それはスケープゴートですよね。やれば〈社会〉はガタガタですよね。副流煙による肺癌で人が死んだ場合でも、人は「お前が殺した」などと〈犯人〉にあまり言いはしないはずです。むしろ「自分を責めるな」と言うのが普通じゃないでしょうか。

 

それで何がいけないのでしょう。2019。平成の日本まではそうだったはずです。しかし今、令和となったこの国でそれが逆になっていないか。

 

スケープゴートを出して、叩く。それが正義となっている。政府は今、コロナの検査態勢を強化すると言っています。野党議員も誰ひとり、反対せずに「やろう。やらねば」と言っている。だから行われるのでしょうが、【検査態勢を強化する】とはどういうことなのでしょうか。

 

国民全員を検査すること? 毎日毎日。違いますよね。一日千人毎日検査していたものを一日二千にするということ。私は去年4月の緊急事態宣言中のことだったと思いますが、テレビのニュースがこのように言うのを聞いた憶えがあります。

 

「東京都で一昨日に986人を検査して59人だったので6パーセント。昨日は1025人を検査し72人だったので7パーセント。一日に1パーセントの増加です」

 

とか。数字まではっきり憶えているわけではないが確かにこのように言いました。私は聞いて、

 

「ふうん。一日千人前後を検査し割合を出しているのか」

 

と思いました。

 

それがこないだの緊急事態宣言の日には、

 

「東京都で本日新たに2447人の感染を確認。過去最高を大幅に更新」

 

とニュースは言った。今度の《2447》はテレビの画面をカメラで撮った確かな数字ですが、変ですね。

 

〈2447〉とは何人を検査した結果の数字で何パーセントなのでしょう。テレビはそれを言いません。千人を検査したうちの2447人なら、244.7パーセントの人間が感染してるということでしょうか。東京都民1300万人のうち、3181万1000人がコロナの感染者なのかな。

 

〈一日千人前後〉のまま検査態勢を強化したことがないならそうなりますね。〈2447〉の前日が何人だったか憶えてないけど、確か1600人くらいでした。一日で1.5倍。凄い増加のようですが、何人を検査しての結果なのか。

 

テレビはそれを言いません。言うのは〈新たな確認数〉だけ。けれどもそれは、検査態勢を強化すれば必然的に増える数字じゃないでしょうか。

 

東京都民1300万。うち10パーの130万が感染者であるとします。最初の日に千人検査し100人確認。次の日に1500人、次の日2250人、と検査人数を1.5倍にしていけば、

 

 

  第1日目。1000人検査し100人確認。

  第2日目。1500人検査し150人確認。

  第3日目。2250人検査し225人確認。

  第4日目。3375人検査し337人確認。

  第5日目。5062人検査し506人確認。

  第6日目。7593人検査し759人確認。

  第7日目。11390人検査し1139人確認。

  第8日目。17085人検査し1708人確認。

  第9日目。25628人検査し2568人確認。

 

 

こうなって、9日目に2568人を〈新たに確認〉することができる。実際の感染者はひとりも増えてないんですがね。検査態勢を強化しながらそれを明らかにしないのならば、拡大していないものを拡大してるように見せかけられる。

 

のではないでしょうか。私は政府はこれをやってると思います。今でも日に千人を検査しているのであれば〈2447〉は有り得ない。2447ならば1300万人のうち何パーセントの推定何万が感染してることになるのか。

 

そのような発表の仕方はしない。そしてこの日に何人が死んだかという発表もない。

 

おかしいとは思いませんか。検査態勢を強化するのにどんな意味・どんな必要があるのでしょう。千人検査して二百人が〈陽性〉ならば20パー。「都民1300万人のうち260万人が推定」と言えるはずです。二千人を検査して四百人なら20パーで、「都民1300万人のうち260万人が推定」なのは同じなので態勢を強化することの意味も必要もあるはずがない。

 

なのに首相や東京都知事は「さらなる検査態勢の強化が必要」と言って野党の議員達もそうだそうだと賛同している。〈パーセント〉や〈推定数〉を出すための検査でなくて〈新たな確認数〉を増やすのが目的の検査なのか。

 

それはおかしい。私はコロナの感染報道は、

 

「本日は1234人を検査し、98人が陽性と出ました。感染者の割合は都市部で12パーセント、平均8パーセント。一万人あたり800人がコロナに感染している見込みです。首都圏で推定三百万人、日本全体で一千万人……」

 

と、このようにやらねばならない。これが正しいやり方だと考えます。こうでなければ感染の状況を正しく伝えるものにならない。

 

だから今の報道の仕方は正しくない。本当に増えているなら割合を言う。

 

「感染の推定割合49.8パーセント。49.9。50。50.1……ああっ、半数を超えてしまいました!」

 

というふうに言う。これでなければどのように増えているかがわからない。

 

「本日新たに1139人の感染を確認。過去最高を更新」

「本日新たに1708人の感染を確認。過去最高をまた更新」

「本日新たに2568人の感染を確認。過去最高をまたまたまたまた大幅に更新」

 

これは物凄い勢いで拡大してるように見えますけれどどのように拡大してるかわからないでしょう。なぜ割合で言わないのか。

 

言えないのじゃないでしょうか。実は今、厚労省の中では、

 

「感染の推定割合10.2パーセント。10.1。10。9.9……ああっ、一割を切ってしまった!」

 

なんて言ってるなんてことはないんだろうな。

 

日々のニュースを見ていて私はそんな気がします。増えるどころか、減っている。12月の初めあたりから減り始め、今や何パーセントもない。コロナは自然消滅しつつあるということなんじゃないのか。

 

厚労省はそれを掴んでいるのだけれどそれでは困る。自分達のワクチンで国を救ったということに彼らはしたい。できなければ、彼らの立場がないからです。だから収束しつつあるのを、拡大してるよう見せかけている。

 

だからさらなる検査態勢の強化を、と政治家どもに言い、おっさんという生き物はおっさんだから何もわからず厚労省に言われるままに三遍回ってワンワン吠えて尻尾を振ってる。おっさんどもも彼らの力で国を救ったということにしたいから。

 

私は日々のニュースを見ていてそんな気がするがどうでしょう。コロナの〈禍〉など全部が全部厚労省の嘘じゃないのか。

 

私は最初の頃からそんな疑いを持っていましたが確信したのは去年の10月のことです。その前の8月後半に、死者・重症者が一時的に増えたことがありましたね。あのときにテレビのニュースは、それが始まった3日目に、

 

「3日前から一日の死者・重症者が先週の3倍になっています。第2波だ。これは第2波です!」

 

と叫び立てましたが、私は、

 

「いや、ここ3日ほど、熱帯夜が続いてるからそのせいだろ。クーラーかけてハダカで寝たようなやつらが発症したのさ」

 

とだけ思って聞きました。去年の夏は8月の半ばを過ぎてやたらと暑くなり、夜になっても気温が下がらない日々が2週間も続いたのを思い出してください。熱帯夜がやっと終わった翌日、テレビが、

 

「死者・重症者が急にピタリと元の数字に戻りました。不思議です。ウイルスは何を企んでいるのでしょう」

 

と言うのを私は「バカ」とだけ思いました。

 

それからひと月が過ぎた10月初め、テレビをつけたら池上彰が、

 

「8月のあれが第2波だったかどうかについては、専門家の間でも意見が分かれています」

 

と言うので本当にあきれました。意見が分かれている? 「あれは第2波だ」と言う学者と「第2波と言うにはちょっと」と言う学者で意見が分かれてるのか。あんなもん、クーラーをかけてハダカで寝たバカが発症しただけに決まってんだろうに。熱帯夜が始まった日に始まって、終わった日に終わったんだから。なのに学者が何百・何千人といて、関連に気づくやつがひとりもいないのか。

 

そう思った時、私はやはり自分が正しい、〈禍〉など起きてないという考えに確信を持ったのです。愚かな学者先生どもが〈禍〉が起きているように思い込み、〈ブロッケンの怪物〉に脅えているだけなのだと。

 

この先月にも死者が結構出たようですが同じでしょう。12月に入ってから一日に10人、20人と死ぬようになり、中旬に「今日は50人」と言ったと思うとその翌日から死者の数を聞かなくなった。その後ひと月まったく聞かんが、あれはおそらく「よく換気」という言葉を信じて夜通し窓を開けていた人間達が発症した。中旬過ぎると寒さが厳しくなったので窓を閉めたため死ななくなった。

 

というだけの話でしょう。40、30、20と減るとマスコミは報道しない。できない。「感染が増えているのになぜ死者が減るのか」と言う声が殺到するに決まっているがそれに答えられないから。

 

そして今年に入ってから、テレビは、

 

「寒さが厳しくてもよく換気しましょう」

 

と言い出しました。政治家もそう呼びかけ出しました。窓を開けて人が死ぬのにやっと気づき、多くの死者に出てほしくてそう言い出したのでしょう。

 

私はそう思います。彼らは言わば〈宇宙戦艦ヤマト〉の第一艦橋クルー。ボクは古代進でキミは森雪。島。真田。ボクらの力で日本を救ったことにしなけりゃならないんだ、というわけです。

 

それにはコロナに自然消滅なんかされては困る。2月・3月の倍の千人。そのくらいはひと月のうちに死んでくれねば困る。

 

のだと思います。だから今は躍起になって、国民みんなに夜通し窓を開けさせようと頑張っている。

 

私はそう思います。コロナは発生した時点では、確かに強い毒を持っていた。しかしそれを急速に弱め、日本に来た頃にはやっと老人をいくらか殺せる程度になっていた。そして志村けんを殺した日あたりを境に普通の風邪と毒性がほとんど変わらないものとなって今に至る。

 

そこで政府は最初の緊急事態宣言を出したわけですがこれは完全なる愚行です。コロナは【毒を弱めるのが増殖に有利】との判断を〈彼ら〉の遺伝子が下していた。ただし本当に〈下した〉のでなく、ウイルスの性質がもたらす偶然の結果。一度毒を弱める道を〈選んだ〉ウイルスが再び猛毒を持つことは、絶対とは言えぬまでもまず有り得ぬ話なので〈第2波〉などというものが起きる心配は杞憂だった。

 

肺炎で日に3人や4人が死ぬのは当たり前で、2019年も2018年もその前の年もその前の年も、毎年普通に千人くらい死んでいるのに〈禍〉だ〈禍〉だと、愚かな日本人は大騒ぎ。病院がパンクしたのも普段であれば風邪を引いたくらいのことで医者にかからぬ者達までが病院に殺到したからでしょう。その者達の多くがまた、

  

「先生、ワタシはコロナですか。コロナなんですか、先生!」

 

「はあ、確かにコロナにかかっているようですが軽症ですよ」

 

「やはり! ワタシは死ぬんですか。死ぬんですね、先生!」

 

「いや、それくらい元気ならば大丈夫です」

 

「助けてください、死にたくない。ワタシはまだ死にたくないんだあっ!」

 

「だからそのくらい元気だったら……」

 

こんな調子の人間だったからに違いありません。こういう人が、家に帰って手洗いだ手洗いだと30分もジャブジャブと冷たい水で肘まで洗い、風邪引いてるのに体を冷やしたことで重症化し、死ぬ。

 

そして世界で百万死んだというのも毎年のことでしょう。世界には、貧困にあえぐ人々が何億もいます。子供がゴミ拾いして、女の子は身を売らされる。そして〈AK〉を持たされて、麻薬やエイズに身を蝕まれる。

 

そんなところでは普通の風邪への抵抗力さえ人が持つのが難しくなる。だからそれらの地域で毎年、百万という人々が肺炎により死んでいく。

 

のですよ。去年も前半には、例年よりも多くの死者が出たのかもしれませんが、今はたぶんいつもの年と変わらんでしょう。世界的にコロナは消滅しつつあるが、別の風邪ウイルスによる肺炎で今年も百万人が死ぬ。来年にまた別の風邪ウイルスが広がって百万が死ぬ。

 

それを豊かな層にいられる人間は見て見ぬフリをしてきている。今年は見たけどコロナのせいにしている、というだけの話。貧困を生むのは差別です。人種差別に階層差別。他さまざまな差別があって人間を〈持つ者〉と〈持たざる者〉に分け、悪循環が風邪で死んでいく人間を生み出す。年に百万人。それをこの状況下でも、誰も気づかず直視しない。

 

というだけの話でしょう。日本で死者が少なく済んできていたのは差別が比較的少なく、貧富の差も小さいためだ。けれどもその日本で、感染者差別をする者が出た。

 

魔女狩りです。検査で〈陽性〉と出た者を、働くな外に出るなお前が外を出歩くとお年寄りが死ぬと指差してなじり、監視する。しかしここに書いてきたように、東京都民が1300万いて感染者の割合が10パーならば感染のキャリアは130万人いるのです。それを一日に千人検査し、100を〈新たに確認〉するから、その100人だけが差別の対象ということにになる。

 

その100人は〈魔女の烙印を捺された者〉。129万9900のスケープゴート。いや、1299万9900のスケープゴートに他なりません。すべて嘘なのでその100人が働いたり、出歩くことで老人が死ぬなんてことはまったくない。

 

私はそう思います。政府は魔女狩りがしたいがために嘘をついている。お年寄りを楯にすれば魔女狩りができると気づいてそれをやっているのだ。〈魔女〉にされた者達の罪は厚労省の検査チームが、

 

「今日はここで感染者狩りをするぞ」

 

と決めたその場所にたまたまいただけ。なのに魔女の烙印を捺され、働くことができなくなる。

 

それを人は当然のことと呼んで差別を行うが、国は検査態勢をさらに強化すると言いました。

 

それはすなわち、

 

「今日はここで感染者狩りをするぞ」

 

というチームをもっと作るということですよね。私がさっき書いたように、割合と推定人数を出すための検査であれば一日に千人で充分のはずなのに。明日あなたがその連中のカスミ網にかからないとはわからないし、あなたの家族や友人がかからないとも限らない。その確率が高くなるということなのがわかりませんか。

 

明らかに政府は〈魔女〉を増やそうとしています。スケープゴートを大量に出せば、衆を恐怖で支配できる。〈検査態勢の強化〉というのは、そのためだけに行われる。野党議員もなんだかんだ言って恐怖政治を行いたいのは同じですから、首相や都知事に賛同している。

 

のだというのに気づくべきです。芸能人やスポーツ選手をこれまでも特に狙って検査したのは、彼らがスケープゴートにするのにいい者達だから。一般人へのいい見せしめとなる人間達だからなのです。

 

わかりますか。コロナについて政府とマスコミの言うことはすべて嘘。衆を恐怖で支配するための嘘です。検査などしなくていい。してはいけない。それが私の考えです。

 

感染が拡大しているかを見るには死者数と重症者数を見ればいい。それでわかるのになぜ検査する。どうしても検査するなら日に千人と決めて当人には結果を伝えない。エイズ検査とは違うのですから。エイズの場合は当人に教えなければなりませんがコロナでやるべきではない。あなたの親がコロナで死んでも別にあなたから伝染(うつ)ったと限らないのだからやってはいけない。

 

やれば魔女狩りになるだけだ、と私は思います。人間関係を破壊させ、社会を立ち行かなくさせるだけ。なのにそれが日本だけでなく全世界で行われている。

 

コロナなんてただの風邪で、風邪は常にそうあるように一年のあいだ流行しても次の年に別の風邪ウイルスが広がることで押しのけられ、消えていくものなのに。今もほんとは拡大どころか消滅しつつあるとこなんじゃないかという印象しか、テレビを見ていて私は感じられないのに。

 

なあクロ、と私はいま天国の犬を想って考えています。おれ、間違ってるのかなあ。おれ自身はおれの考えが正しい、と言うよりも、今のテレビが言うことは何から何までメチャメチャとしか聞くことができないんだけど。


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