Dreamer of Drummer   作:ソウソウ

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 最近、特にバンドリ小説が数多くランキングに載ったりして、自分も読ませてもらってますがどれも面白いですね。自分の小説ではちゃんとその辺りが出来てるのか不安になっちゃいました。
 皆さんにとって、Dreamer of Drummerってバンドリ小説の中ではどんな立ち位置なんですかね?古参でも、新参でもないですし。微妙です。
 まぁどうでもいいです(なら、聞くなよ!)。要するにですよ。自分が主張したいのは―――

 ドラムは良いぞ!………ってだけです。

 駄文失礼しました。では、巴編どうぞ!



-4の1-『本音魂』

 ◇◇◇

 

 羽沢珈琲店。

 

「………で、何でこうなった」

 

 誰々に向けて、ではない。ただ呟く。

 そうでもしないと今の状況に脳内整理が追い付かない。

 

「巴が悪い」

「そうだよ!巴がここ最近悩んでるのは皆気付いてたけど、まさかその中身が()()()だなんて………!!」

「ともちん、乙女だね~」

 

 そして、拾われた。

 一を放つと十返ってくる我が幼馴染達が次々と指摘してくる。

 その内容がとてもシビアな為、無闇に反論出来ずじまいな巴がいた。

 

「そ、それで!!今は何待ちだ?」

「巴の白状待ちに決まってるじゃん!!」

「え?………そうなんだ」

 

 会話の路線変更から、さらに変更。

 ひまりによる華麗なカウンターが巴にヒットする。一方で、蘭はようやく今日の目的を知った。

 

「はーい、皆の飲み物お持ちしましたよー」

「お~ありがと~つぐ~」

「どういたしまして、モカちゃん」

 

 店番中のつぐみ。

 氷でキンキンに冷えた飲み物をテーブルに置いた。

 

「つぐ、まだなのか?」

「うーん?もう来てもおかしくない時間だけど………遅れてるのかな?」

 

 意外かもしれないが、今日の首謀者は彼女。

 招集もかけたのもつぐみであり、尚且つその中身は未だに伏せられたままである。

 巴だけでなく蘭もそれに該当した。

 

「何の話?」

「まだ教えられないかな。あ、でも、巴ちゃんだけじゃなくて、蘭ちゃんも今日は参考になると思うよ」

「余計、謎になったな」

 

 あくまで自分の口からは言わないつぐみ。

 モカは飲み物をストローで少しずつ飲んでるし、ひまりはニコニコ笑顔なので触れるとめんどくさい。

 

 ―――チリーン。

 

「あっ、来た!!」

 

 店の扉が開く。

 そちらに視線を向けた巴の視界には入店したらしき人物が一名。

 

「ごめんね、いきなり無理言っちゃって………」

「気にしないでください、ミスつぐみ。可愛らしい女の子のお願い………僕が誠心誠意果たすのもまた必然なのですから」

「あはは………」

 

 金髪の少年。

 つぐみと気楽に話している。羽沢珈琲店の常連客なのだろうか。

 ナンパ紛いな台詞を吐いた彼に蘭の視線が鋭くなる。他のメンバーは全員、意識が彼へ向けられており、唯一の巴だけが席の配置上、それに気付いてしまう。

 と、此処まで冷静に観察出来る巴。彼を顔見知り程度に承知していたからだ。

 一段落ついたのか。つぐみは彼をアフロのいる席まで案内してきた。

 

「皆、紹介するね。"アークラ"のギターをしている"ルーズ"さんだよ」

「よろしく!Aftergrowの皆さん!!あ、敬語は固いので無しの方向で!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 羽沢珈琲店。

 

「それで。二人とも、ボクから聞きたい事はミスつぐみからもう教えてもらってるから。出来る限り、簡潔に話すね」

 

 "吉宮ルーズ"。

 蒼真と同じバンドのギタリスト。基本的にライブではMCや観客の盛り上がり誘導を担当する。

 

「聞きたい事?」

「つぐみ………何を聞いたんだ?」

 

 身に覚えがない蘭と巴。

 その二人に揃って目をつけられたつぐみはびくっと反応しながらも答える。

 

「えっと………蒼真さんの事とか………」

「はぁ!?」

「それに折角だから作詞の秘訣とかも………」

「なるほど。だからアタシも」

「ご、ごめんね、勝手に喋っちゃって………巴ちゃん、蘭ちゃん………」

 

 皆の力になりたい。それだけ。

 巴は最近、そわそわした様子でいる頻度が増えている。今のところ、練習やバンドに影響はないものの、密かにつぐみは心配していた。

 そして、蘭もまた悩みを抱えるタイプの女の子。歌詞関連でアフロメンバーとのいざこざも過去にある。なので、少しでも彼女の作詞の手助けが出来ればという思いがあった。

 許可なく行動に移すのに抵抗が無かったのは嘘。それでも、直接言ったなら二人は頑なに拒むはず。

 幼馴染としての付き合いは一番長い。

 

「言ってしまったのならもう仕方ない………なぁ蘭?」

「うん」

「二人とも………!!ありがとう………!!」

 

 つぐみの善意を無下には出来ない。

 何より、チャンスを易々と手放す程に落ちぶれてはいないつもりでもある。

 

「さて………何から話そうかな」

「だとするなら、質問は大丈夫か?」

「好都合だね。どうぞ」

「この前に蒼真先輩が言っていた。バンドを始めたのは全てを忘れたいから………って。その意図をアタシは知りたい」

 

 巴の質問にルーズは意外そうな表情を見せる。

 

「随分と信頼されてるんだね。蒼真自身からその話をするとは相当レアなぐらい、滅多にないよ。少なくともバンドメンバー以外で該当する人物をボクは聞いたことないかな」

「蒼真君は巴ちゃんに心を許しているってこと?」

「ううん。流石にそこまでではないかな、ミスつぐみ」

「え?」

「さっきの質問の返事にもなるけど、蒼真は過去に辛い出来事を経験している。ボクと出会う前の話だから詳細はあまり知らないけど。

 これが全ての要因。蒼真はそのせいで他人から自分の心奥深くに入り込まれるのを拒否するようになった。でも今では、ボクを含めたメンバーにはちらほら許してくれるまでには回復したんだけどね」

「そんな感じしないんだけど」

「普通の人は気付きすらしらないよ。下手をすれば、長年付き合いのある友人ですら前の蒼真と今の蒼真、そこに違和感を抱くことなく付き合ってるかもしれない。巧妙というか、隙というか。そういうのを蒼真は全然、一切曝け出さないんだ。うーん………曖昧過ぎてごめんね。分かるかな?」

「あっ………」

「巴?心当たりあるの?」

 

 巴は静かに頷いた。

 

「初めてドラムを叩く先輩を見た時と直接会った時の印象が全然違ったように感じて………もしかしたら」

「それはあるかもね。具体的にはどんな感じ?」

「ドラムを叩く先輩は全部を楽しむように演奏していて………打ち上げで見た先輩は一歩距離を置くように振る舞っていたような………」

「す、凄いね………巴ちゃん。私には全く………」

 

 同じドラマーだからだろうか。

 素人目からドラムを見ようと技術の差違を見分ける力はない。経験者でないと未知となる世界がある。

 一打に込める思いは数知れず。

 同じ世界線に希望を抱く住民だからこそ巴には見えてしまった。

 

「実はドラム以外にも蒼真の真意を知れる方法は………あるにはあるんだ」

「それは何ですか?」

「………()()だよ」

「そうか。アタシ達は蘭が作詞してるけど、アークラは蒼真先輩が作詞担当………」

「うん。作詞は人の心を謙虚に映し出す鏡でもあるから。ただ………蒼真の場合だとちょっと面倒で、解釈が複雑というか………」

 

 蘭が作詞する場合。

 彼女は己が感じたこと、守りたい思いや伝えたい気持ちを素直に歌詞へと込めるタイプだ。

 これは無難とも取れる一般的な方法。

 

「私、一回アークラの曲をちゃんと歌詞カード見ながら聴いてみた事あるんだけど………何となくルーズさんの言いたい事、分かる気がする………ちょっと聴いただけだと、全然理解出来なかった………」

「蘭はあるのか?」

「ない。他の人の作詞は興味あるけど、今後の作詞に影響されそうで無意識に避けてたかも」

「その点は大丈夫。蒼真のやり方は誰にも参考に出来ないから。勿論、君も」

「それはそれで腹立つ」

 

 蘭のプライドに火がついた。

 

「蒼真の込めた歌詞の思い。それは―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 一方、その頃。

 

「ねぇモカ~」

「な~に~?」

「アタシ達、蚊帳の外じゃない?」

「モカちゃんは~新作ケーキが食べられて大変満足してます~」

「えっ!?何それ!?アタシも食べたい!!」

「全部食べちゃいました~」

「そんなぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -4の2- へ続く。




*長くなりそうなので、一旦切りますね

『補足モグモグシリーズ』
・話、飛んだね
→えぇ、飛ばしましたとも。
 バンド練習後に巴がメンバーに悩みを白状したシーンは全カットです。


・吉宮ルーズ
→羽沢珈琲店の常連さん。その目的は大天使イヴちゃん。


・ドラマーだから分かる
→マジで下手な人は下手で、上手い人は上手いです。
 基礎は大事!
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