近いうちに、懐かしいモンスターもアップデートで追加されたら嬉しいですね。滅多斬りにしてやりますけど。
評価、感想、大歓迎。お待ちしております。
◇◇◇
山吹家。蒼真の部屋。
「………さて、と」
一日も終わりの時間帯。作業も一段落ついた俺は交わした約束を守るために、あるゲーム機をセットしていた。
というのも、そのゲーム機のソフトで最近人気シリーズの最新作が発売されたのだ。数々の試練や環境を生き抜き、独自の進化を遂げたモンスター達と我らプレイヤーが生死を争う戦闘を繰り広げる系のゲームと思ってくれたら良い。
今回のこのゲームの目玉は対応するゲーム機によって成せるグラフィックの良さである。鮮明に見えるゲーム画面に映る迫力満点のモンスターとの戦闘はスリル良く楽しめる。
「あ、きたきた」
ゲーム機を起動。テレビ画面に表示される。アカウントを選択しろ、との事なので自分専用のに合わせてボタンを押す。
と、グッドタイミングで画面左端に通知が届いたとテロップが出る。パーティーに招待された、とのこと。
俺は予め聞いていたのでそのパーティーに参加することにした。
『あーあーマイクテスー』
「聞こえとるよ」
『おーおー了解、感度良好』
こいつは我らのボーカル。"秋野藍斗"。
ぶっちゃけ、遊ぶ人数の埋め合わせに呼ばれたという残念な人でもある。本人にとっては知らずが仏。
後に二人ほど、このパーティーに参加する予定である。
「えっと………」
予めフレンドのIDは聞いておいたので検索も問題なく表示される。フレンド依頼を通す。
スマホの方でも申請を送った事を知らせる合図を送り、相手方の反応があるまで待つことにする。
『蒼真~』
「ん?なんや?」
『次のさ、練習ってあの曲もすんのか?』
「そう………やな。もうそろそろ合わせておきたいし」
『了か~い。歌詞、覚えな………』
学祭が今月に入り、ライブが近い。もうそろそろ本格的にドラム練習に取り組まねば、と頭の片隅に保存しておく。
―――大魔王あこ、がパーティーに参加しました。
お、来たか。
パーティーに三人目の来訪者が来た知らせが画面に届く。
と、ヘッドホンから可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
『お待たせしました!あこ、参上です!』
『おー、いらっしゃーい』
『その声は………秋野さんですね!!』
『おう。こっちも名前は聞いてるよ、よろしくな、あこちゃん。俺のことも藍斗で良いから』
『はい!今日はお願いします!』
"宇田川あこ"。それが彼女の名前。
初対面の時にお互いゲーム好きと判明して、なら折角だし機会が合えば一緒にゲームをやろうと約束を交わしたのが切っ掛け。
その約束が今日である。
「あこちゃん、よろしくな」
『蒼真先輩!!はい!!楽しんでいきましょう!!』
姿は見えずとも喜ぶ姿が瞼の裏に映る。
あまり騒ぎすぎると近所迷惑に成りかねないので俺とかもう一人の子が軽く様子見をしておく必要があると判断した。
『後一人だな』
「そうやな」
『りんりん、もうそろそろ来ると思うのですけど………』
―――りんりん、がパーティーに参加しました。
「丁度、来たね」
『遅れてすみません………』
『んや、全然だぜ?』
『あっ………はい………ありがとうございます………』
声だけの通信のはず。
それなのに俺には燐子さんが怯えて謝る光景が目に浮かんでいた。
藍斗の事を相当警戒しているようだ。あこからりんりんは人見知りと窺っていたが此処までとは。
だとすれば、俺もか。仕方ないけど、徐々に燐子さんには慣れて貰う他ない。
「んじゃ、やるよ」
『はーい』
『はい………』
『一狩行くぜ!』
今回はこの四人でやっていく。
「俺が招待していくから各自勝手に入ってな」
『おう』
「入ったら、取り合えず集会エリア集合で」
『了解しました』
『分かったよ!』
俺の使うテレビ画面は既にゲームの中でプレイヤーが集うエリアへと到着していた。
暫くして、あこと燐子さんが操作するキャラが現れる。どちらも装備から予想するにだいぶこのゲームをやりこなしているようだ。
『なぁ蒼真』
「どした?」
『集会エリアってどう行くんだ?』
「………」
藍斗は見ての通り。
さて、俺。藍斗。あこちゃん。燐子さん。
ゲーム好きな面子が勢揃いしたので存分に楽しみたいと思う。
『藍斗さん!!その装備、カッコいいですね!!』
『やろ~?』
『スキルも………良いですね………』
そして、俺は痛感することになる。
こんなメンバーでやるゲームはひと味どころかふた味違う物へと変貌するということを。
◇◇◇
森ステージ。
『おっ!?急に吹っ飛んだ!?』
『あ、すみませ~ん!!』
『あこちゃん………!!攻撃が………!!』
『へ?いやぁぁ!!』
『回復するヤツ置く………攻撃当たって置けねぇ!!』
『あこが引き付けるから!!あっ一気に体力持ってかれた!?え!?』
「………」
―――………悲惨だな。
俺は然り気無く、貫通弾をクエスト対象モンスターに当てて置く。順調に狩猟が進むのが本来の予定だが、周りの戦況はもうそれどころではない。
四人で狩りは初なので、折角なのでクエストクリア対象モンスターも初にしようと意見が出た。目をつけたのは、アップデートで追加されたモンスターだ。
でも、肝心のそのモンスターが弱肉強食の世界でトップに君臨するレベルの狂暴さを兼ね備えており、戦闘が始まって数分後にはご覧の有り様。
『ヤバイ!!死ぬって!?』
『ふ、粉塵いきます………!!』
『なんで、あこばっかり狙うのぉ!?』
―――因みに装備は以下の通り。
ソウソウ。ヘビィボウガン。
アイトー。双剣。
大魔王あこ。チャージアックス。
りんりん。ランス。
俺がこの武器を選ぶ理由は武器専用アクションの機関銃が楽しいからである。普段はまた別の近距離武器を使用しているが、パーティーのバランスを見て遠距離一人は居るだろうと思い、これを選択している。
『尻尾、届かねぇ!!』
リーチの短い双剣だからな。
『あ~!?必殺技、外しちゃった!?』
あこの武器は距離感を掴むのが特に難しい。
『………』
りんりんちゃんは操作に全意識を集中していらっしゃるからなのか、先程から無言のまま。おっ、彼女はモンスターの顎を集中的に狙っているようだ。
そしてら俺らの対戦相手様・何とかジョーは激怒していらっしゃる。口元からどす黒いオーラを吐き出しているのがその証拠。うん、怖ぇな。
ブレス攻撃には特に注意を向けないと。もし当たりでもすれば一発でゲームオーバーなんて事もあったりする。
「お、エリア移動したぞ」
激しい動きは燃費も自然と嵩張る。となると、エネルギー補給つまり食事をしたい為にモンスターはその場から逃走を謀る。
食事中は無防備。ハンター側からすれば、大ダメージを喰らわせるチャンス到来の瞬間でもある。
『おらぁぁ!!』
『てやぁぁぁ!!』
―――叫ぶ必要はないんよね。
熱中する二人はさておき、モンスターを追跡していく俺。と、急にモンスターが別のエリア中央で急停止。俺の前方にいた藍斗とあこのキャラと慌てて停止。
あいにく、逃走したのは単なるエリア移動だけで食事したい訳ではなかったようだ。
ここで戦闘再開とのことらしいが。
『ブレス来ます!!』
りんりんちゃんの檄が飛ぶ。敵のいきなりのパターンに丁度武器を構えようとしていた二人にブレスの凪ぎ払いが避けれる訳もなく―――
『えっ!?無理やわ!!』
『あぁ………我は不屈なり』
―――アイトー、が倒れました。
―――大魔王あこ、が倒れました。
報酬ゼロまで後一回、と表示された勧告。
『すまん』
『ごめんなさーい!!』
『二人とも………ど、どんまい………!!』
唐突な二人の離脱。モンスターが二人を待ってくれる優しさなんて存在しないので戦闘は俺とりんりんちゃんで続行。
実質、俺が距離を置いて戦うのでりんりんちゃんのソロ戦と見ても殆んど変わりがない。
―――数秒後。
『あ、あの………蒼真さん………』
「ん?何?」
『………ごめんなさい。私、もう無理です』
「え?」
『りんりん!?』
―――りんりん、が倒れました。
―――報酬がゼロとなりました。帰還します。
りんりんちゃんが体力全てをロストで華麗な敗北。これが最後、クエストの失敗条件に触れてしまい、画面に失敗のテロップが大きく貼り出される。
「………違うの行くか」
『んだな』
『あこもその方が………』
『………はい』
全員が悟った。
ゲームであっても、これは遊びとはまた違うの物だと。後、調子に乗りすぎて強化個体のクエストの方に行ってしまった事を。
『あっ、宝玉出た』
―――追加。世界は不平等である。
-2の2- へ続く。
*一狩り行こうぜ!!
『狩り狩り行こうぜ補足シリーズ』
・藍斗
→蒼真のバンドのボーカリスト。肝心な時に言葉足らずな性格の天然バカ。
・あの曲
→全員編-3-でいずれ分かります。
・HR
蒼真→74。ちょくちょくやってる感じ。
藍斗→52。最近、やり始めた。
あこ→95。ゲーマーですから。
燐子→104。あこを手伝った結果。
・アップデートモンスター
→2体いますが、蒼真達が行ったのは前者の方。しかも強化個体なので余計に達が悪い。
・ゲームではあるが遊びではない。
→名言ですねー。リアルでもやってみたい。