こちらは少し揺れましたが特に支障はなく過ごしております。まだ揺れる可能性はありますのでお気をつけて過ごしましょう。
さて重い話はここまで!!
パスパレ二章来たァァァァ!!
とっても楽しみですよぉ!!
本編はまったく無関係ですけどね。
花音ちゃん、マジ天使(←出ない)
◇◇◇
第二音楽室。
「え?上手くいった?」
夕日が窓から光を射す頃。
璃里亜と二人きりでいると、彼女から告白の報告を受けた。
あまりにも突然だった。ついチューニングしていたギターを床に落としそうになる私であったがどうにかギターの無事は確保した。
「うん。言ったらOKだって」
「………待って。私の脳内整理が追い付かない」
手を伸ばして、咄嗟に待ったをかける。
あの鈍感コンビが恋人関係に昇格したと、たった今、当の本人達の片割れから告げられた。その解釈で間違いはないはず。
蒼真は最近、特にのめり込んでいるのか、スタジオに居ることが大半のドラム馬鹿。そして、璃里亜は告白という単語だけでぽっこり頬を赤く染めてしまう
それが私の知らない間に、璃里亜が恋をしたと発覚した。数日後に既に二人の関係が恋人になっていた。こんな急展開を一体誰が予想できるのか。
つまり、私の密かに企む"二人のキューピッド作戦(自己満足)"は無駄足に終わってしまった事を示唆しているのではないのか。
―――無念なり………。
こうなれば奴に独占される前に璃里亜の照れ顔コレクション脳内メモリーの容量を増やしておかなくてはならない。
「それで?蒼君と念願の恋人になった訳であるとしてさ………何するつもり?」
「何って………ボクは蒼ちゃんと一緒に居るだけで満足だよ」
「Oh………yeah………」
「え?可織!?」
純粋な彼女の心に私の邪念が混じった言葉は邪悪へと染める毒となる。
わざとではないんです。ごめんなさい。
おろおろと戸惑う璃里亜もまた私の脳内メモリーでは大歓喜であるからして本人には言わないけど。
「私のことは気にしないでおくれ………」
「わ、分かったけど………」
「これからだね」
「うん」
「まぁ………私にしてやれる事は少ないけど応援は全力でするから」
「可織!!」
「ちょっ!?」
飛び込んで来た璃里亜に焦る私。
どうにか尻餅はつかずに済んだけど、完全に抱き付かれて身動きが取れなくなってしまった。
ぐりぐりと顔を擦り付けるその姿にぐっと私の胸が打たれた。
「可織が親友で良かったよ」
「そう?リリー………幸せになってね………」
「うん。あ、でも可織も一緒に幸せにならないと駄目だよ?」
「それは難しい相談だね~」
「大丈夫!!可織にも好きな人いるでしょ?」
「今はいないかな~」
「嘘だぁ!!」
「嘘じゃないって~!!」
しばらく、これが続いた。
はい、幸せです。
ただ璃里亜に彼氏が出来たのは嬉しい。でも、どうにも腑に落ちない何かが私の心にこびりついて全然離れてくれなかった。
◇◇◇
スタジオ"SquareRoad"。
「やっぱりここに居た」
―――直接本人にあの真実を確かめる。
このモヤモヤに区切りをつける一心で私は蒼真を探していた。やはり、私の予想通りに彼はアークラの拠点であるスタジオの個人練習スペースを陣取っていたお陰で直ぐに見付けることが出来た。
部屋から漏れるドラムの打撃音は鳴り止まない。十中八九、彼はひたすらドラムを叩き続けている。もうどれぐらい時間が経っているのだろうか。
―――ノックもせず、私は扉を開けた。
「っ!?なんだ、可織かい………」
「練習の所、ごめんね」
流石に大胆すぎた私の行動に彼は驚いたようで軽く溜め息をついていた。私はドラム部屋に入らず、扉付近でタイミングを伺う。
彼の察する能力は鋭い部類に入る。すぐにイヤホンを耳から外し、スティックをバスドラの上に置いた。
「んで、何用?今日は全体練習はなかったはず」
「うん。ちょっと二人で話をしたくて」
「ん?話?まぁ………良いんやけど」
「ほんとごめんね」
「別に構わんよ。移動するか」
立ち上がった蒼真は私の隣を通り、ドラム部屋を後にした。私は黙って彼の後を早足に追い掛けていく。
行き先はスタジオの受付すぐ隣の待機スペース。ソファにテーブルが設置され、楽器を置けるように空間も余分に確保されている。
今はバンド練習では中途半端な時間帯らしく誰も待機スペースには居なかった。都合が良いのでそのままテーブルに座った彼と向かい合わせに私は座る。
「単刀直入に言うね」
「あぁ」
「璃里亜と付き合うって話、ほんと?」
「よく知ってんな………昨日からね」
「オーケー。ちょっと待ってね」
………マジでした。
「リアルの話?」
「リアルやね」
「そっか………ああぁぁぁぁぁ」
ぐてり、と私は頬とテーブルを密着させた。その様子を蒼真はただ苦笑いで見守っている。
改めて両者から事実をはっきり伝えられ、私の心境は複雑さを増してしまっていた。
友人として素直に応援したい。でも、親友を奪い去られた嫉妬心が芽生えているのもまた事実。
唐突に顔をあげた私。蒼真はびくっと肩を震わせるがお構い無しに私は尋ねる。
「ほんとに!!ほ・ん・と・に!!リリーのことが好きなの?」
「なんやそれ?まぁ………そうだね」
「私、真面目だよ」
「璃里亜と付き合うには私を越えていけってやつ?」
「蒼君」
私はじっと彼の目を見つめる。
「………少なくとも、中途半端な気持ちではない。それだけは断言出来る」
「………どういうこと?」
「今の俺が目指すのは璃里亜の夢を叶えさせてあげること。それだけ」
「リリーの夢?」
真剣さを帯びた彼のその言葉。
私は璃里亜の夢に心当たりはなかった。一体、彼女は何を蒼真に語ったのだろうか。
言うか言わないか。その決断に蒼真の口元の動きが鈍る。それでも、私だからこそと話してくれる決意をしてくれた。
「璃里亜の夢。それは―――」
◇◇◇
―――最近、練習が多い。
ギターの弦に触れながら、私はふと思う。
放課後は学校で練習。夜にはスタジオで練習。十分すぎると思うが、まだまだ練習不足って感じもバンドの雰囲気的にあったりして正直、普通ではない。
近々オーディションがあり、それに向けてって事もあるだろうけど、それを考慮しても明らかに多い。一日で六時間も入るなんて聞いたことがない。まぁアークラはやるけど。
この前もベースの光にそれとなく聞いてみたけど、どうやら気づきつつも光は黙認しているみたい。
そして、光と話して改めてある事実について明確にはっきりした。
蒼真と璃里亜が普通じゃない。
二人が恋人の関係になってからは特に顕著に酷い方へとヒートアップしているような感じもする。
肝心の蒼真は何を考えているのか最近になって全然分からない。出会った当初は行動に考えが出やすく、可愛い所もあるもんだなと思っていたのに。
一番ヤバイのが、新曲のデモが凄い頻度で送られる事。作曲を全面蒼真に任せておいてあれだけど、どれも作り込まれ完成度が高いからこそ逆に怖い。一体、どうやって蒼真はこれを思い付き、形にしているのだろうかと。
加えて、蒼真は全体練習以外にも個人練習をプラスでしていると風の噂で流れてきた。この前も数本スティックを折れるぐらい叩いていたらしい。
ちゃんと寝ているのか心配になる。
一方で璃里亜もここのところ、ずっと声を張り続けているせいか、私には最近の彼女の喉の調子がいまいちに感じていた。
とある日にも―――
『璃里亜。最近さ、バンドで無理してない?』
『え?急にどうしたの?』
『何となくだよ。それで、どうなの?』
『無理なんてしてないよ?全然大丈夫だつて!!歌うのは楽しいし、蒼ちゃんは色んな曲を教えてくれるんだ。それに皆で一つ何かに打ち込めるって最高じゃない?』
『そうだけど………』
『ボクのことは気にしないで、璃里亜も一緒に頑張ろうね!』
『………うん、そうだね』
分かってはいた。
本人に直接聞こうが本音を口に出す訳がないと。特に璃里亜は人の目を気にする子だ。幼馴染の私を不安にさせたくない気持ちは人一倍あると思う。
「ふぅ………もう今日はギターの練習は大丈夫でしょ」
健気に無邪気に一生懸命に歌う璃里亜の隣でギターを弾く私。この構図がずっと続けば良いなと、それだけがたった一つの私・可織の望みであるのだけれど、それが今は変わってきている。
何かって?―――秘密だよ。
日課のギター練習を終えた私。部屋の隅にあるスタンドにギターを立て掛け、私は椅子へと腰を下ろした。
私の頭の中ではとあるシーンがふと思い返されていた。
―――"ボクのことは気にしないで"
璃里亜の口癖。本人は多分、無意識。
そして、私は幼馴染だからこそ知っている。これは、この時の彼女が並みならぬ何かを抱えている時に出る台詞であることを。
以前、この口癖を口にした時の璃里亜は確か体調不良で熱を出していた。にも関わらず、璃里亜は商店街のイベントに出演しようとしていたのだ。
流石に私や大人達に止められ、事なきを得た。その時の心情を璃里亜は後にこう語る。
―――子供達が僕の歌を待っていた、と。
璃里亜は自分よりも他人を優先する。自己犠牲に近いその行動っぷりは制御が効かないロボットのごとく暴れる。
アークラでは蒼真が璃里亜の暴走を制御している。惚れた弱味って感じらしくて、本人も気持ちが有耶無耶になってしまい、彼に反抗は出来ないらしい。
と、なるとだ。問題は蒼真に伝えるべきか否か。でも、具体性がゼロでかつ蒼真自身も少し危なくなってきている。慎重に事を選ぶべきかもしれない。
「………寝よ」
私はこの時、判断を遅らせた。
天の神様が私のこの決断を赦してくれなかったと実感するのはすぐである。
◇
―――数日後。
アークラのオーディションが終わった。因みに結果が出るのはまだまだ先。気長に待つしかないね。
悔いはない。新曲もこれまで以上に会心の完成度で披露できたと自負できるし、他のバンドは緊張でガチガチだったが私達はいつも通りの暴走具合で演奏をやり終えれたのだ。やっちゃった感は少しあるけど。
山場も越えて、ほっとしていた私。確か、その頃だったはず。あの報せが私の耳に届いたのは。
それは―――
―――
-4の3- へ続く。
*評価、感想してもええんやで………?
『まさかのヒロイン出ない補足シリーズ』
・キューピッド作戦(自己満足)
→可織がただひたすら璃里亜の可愛い姿をお目にかかりたく、考えていた物。照れる璃里亜を永久に拝みたい気持ちは世界一。
・「Oh………yeah………」by可織
→赤帽のオジさん音声で各自脳内再生の程、お願いしやす。
・子供達がボクの歌を待っていた by璃里亜
→幼稚園、小学校低学年が一同に集って歌うイベント。璃里亜は高校軽音部からその特別講師として招かれていた。
お気に入りの話はどれですか?「花音編」
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-1-『Aquarium』
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-2-『Shopping』
-
-3-『Conclusion』
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-4-『Braeker』
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-5-『Proof』