沙綾編は数日後にのちほど上がるかと。
―――花音編最終章、入ります。
*起承転結の起の部分なので短め。
◇◇◇
かののん:蒼真君、お時間大丈夫?(21:37)
ソウソウ:大丈夫やでー(21:54)
かののん:この前、蒼真君の服を買いに行くって話になったでしょ?来週の日曜日でも良いかな?(21:56)
ソウソウ:ほぇー。花音ちゃんから直々に誘われるとは(21:56)
―――頬を膨らませたミッェルスタンプ。
かののん:もう!緊張してるんだから!(21:57)
ソウソウ:すんませんって。その日は今の段階では予定なしやからいけるで(21:57)
かののん:うん、なら駅前で待ち合わせでお願いします(21:58)
ソウソウ:へーい(21:58)
ソウソウ:何時や!?(22:24)
かののん:ふぇ!?1010時で良い?(22:25)
ソウソウ:んー?10時ね、了解。にしても、なんでこれで驚くんよ?(22:26)
かののん:つい(22:26)
―――ぺこりと謝るミッシェルスタンプ
ソウソウ:随分とお気に入りやね、そのスタンプ(22:27)
かののん:あ、バレちゃった(22:29)
ソウソウ:バレバレやね(22:30)
かののん:そうかな?(22:30)
ソウソウ:そうだよ。明日も早いし寝ますわ(22:31)
かののん:うん。おやすみなさい(22:32)
ソウソウ:おやすみ(22:34)
―――ぐっすり眠るミッシェルスタンプ。
かののん:あっ、持ってたんだ(22:38)
◇◇◇
最寄り駅前広場。
「あ、待たせちゃったかな?蒼真君。おはよう」
「ん。おはよう、それとご苦労様」
「ご苦労様って………まだ来たばっかだよ?ふふ」
十時を過ぎる前の時間帯。
冬の寒さに身をよじりつつ、二人は無事に合流を果たす。
「案外、利にかなってると思うけどね。花音ちゃんって家から此処まで最短で何分かかんの?」
「えっと………十分くらいかな?」
「今日、家を出たのは何時?」
「九時半ぐらい」
「ほら。そういうこと」
「どういうこと!?」
完全論破したとばかりの彼。
不服と花音が訴えるが直ぐ脳裏にとある結論が横切る。
家から出た時間と此処に到達した時間。
最短コースであれば、九時四十分には到着する予定なのだが現実は更にプラス十五分の猶予があってから到着した。
この謎の空白時間は単に花音が彼と二人きりのデートをする事実に頭が一杯となり、普段使う道から逸れてしまった事が原因だ。
「あんまり馬鹿にされちゃうと、流石に私も………怒っちゃうよ?」
「すまんって。でも、プンプン姿の花音ちゃんも本音は見てみたい」
「もぅ!本当に分かってるの?蒼真君!ちゃんと反省すること!」
「ほいさ。でさ、今日はあれよな?どこを回るのかちゃんと計画は立ててる感じ?」
「話、逸らされた………一応、事前にメンズの服が揃ってるお店は調べてあるけど」
「なら、今日一日は完全に任せても平気?」
「全然構わないけど………どうしたの?」
ふとした違和感を覚えた。
花音はその招待を探るべく、直接尋ねる手段に出る。対して、その質問に蒼真は気まずそうに目を逸らした。
「………昨日から徹夜なんよ。あんまし頭が働かん気がする」
「えっ!?しっかり寝ないと駄目だよ!?」
「分かってはいるんやけど、新曲のインスピレーションが浮かんでしまってな?忘れんうちに譜面に起こしてると気が付けば、朝やった」
「気持ちは分かるけど………今日、気分が悪くなったりしたらすぐに言ってね?」
「承知した」
蒼真の体調は万全ではない。
当日に用事があると分かりつつも、やらかしてきた彼に花音は不満が無いと言えば嘘になってしまう。
だが、同時に今日は無理を承知で頼んだ二人きりのお出掛け日。忙しい彼にわざわざ時間を確保して貰った恩もある。
結局、軽い注意喚起程度に収まる。
「他に隠してる事は無い?」
「浮気がバレた夫やないんやから、そこまで詰問せんでも……」
「私、蒼真君の事全然知らないから………こうやって聞くしか選択肢が無いんだもん」
「そうかい」
「今日は洋服とかアクセサリーとか見て回ろうと思ってるけど、大丈夫?」
「服のセンスに関しては全く心配しとらんよ。だって………」
「だって?」
蒼真の花音の全身を眺める。
異性にきっぱりと服装を吟味されているという事実からなのか、むず痒い思いが花音に襲い掛かる。
「うん。似合ってる。花音ちゃんらしい可愛さが出てるんやない?」
「へっ!?あ、ありがとう………ござい………ます………ふぇぇ」
ぷしゅーと吹き出る蒸気。
あまりにも大胆かつ直線的な蒼真の好評に花音は即座にノックダウンとなった。
「そろそろ行かないと不味いかな。行き交う人も増えてきたし、巻き込まれるのは避けたい」
「そ、そうだね!あっ、でも………」
「まだ、なんかあんの?」
「その………目的地は決めてあるんだけどそこまでの道のりがちょっと自信なくて………」
「………おおよそ察した。分かった分かった、行きたい場所が何処か教えて?それくらいは俺が案内するよ」
「うん。ありがとう、蒼真君」
にっこりと花音は微笑んだ。
「………こんなの、当たり前やね」
蒼真も照れ隠し気味に答える。
「んじゃあ、行こうか」
二人は揃って改札へと歩みを進める。体と体同士に生まれる小さな空間は自然と掌を握り合い、繋がっていた。
「なんだか久しぶりだね」
「ん?言われてみればそんな感じはするけど、そんなにか?」
「ふふ、案外そうかもしれないよ?」
―――二人の頭上の空は曇り模様。
-5の2- へ続く
『先行公開中の補足シリーズ』
・花音の発言より「ソウ君の服を買いに行くって話になったでしょ?」
→参照は花音編-2の2-より。
・ミッシェルスタンプ
→好評、発売中!(大嘘)
・「なんだか久しぶりだね」
→花音ちゃんメインのストーリーは最終の-4-の投稿から実に約半年ぶりの投稿となりますね。花音ちゃん、お帰り!
・評価、感想などよろしくです。
→自分、貰えるとモチベーションが上がってしまう単純な生き物なので。
お気に入りの話はどれですか?「花音編」
-
-1-『Aquarium』
-
-2-『Shopping』
-
-3-『Conclusion』
-
-4-『Braeker』
-
-5-『Proof』