ガルパピコでドラマー回が放映されましたね。
みんな、可愛いよ!!こんちくしょう!!
………すみません。少々取り乱してしまいました。
残念ながら今回もヒロイン勢の出番はなく、男だらけですが、どうぞ。評価、感想、お待ちしてます。
ドッドコドコドコバーン!!
◇◇◇
スタジオ"SquareRoad"。
「んで、ここでさっきのコード進行に戻って………え?ムズくない?」
ルーズは唸る。
確認すれば、よくよく考えてみれば自分担当の難易度が意外と高い事に気付きさえしなければ。
オリジナル楽曲の作製に取り掛かる真っ最中の話である。
「何でこんなフレーズになるんだぁ!!」
「蒼真に聞け」
叫ぶルーズに冷たい藍斗。
歌詞一覧を眺めて暗記中の藍斗にルーズの相手をする暇はない。
誰からも相手にされず、渋々。ルーズはギターを掻き鳴らした。
「―――そこから再びサビに?」
「んや、Bメロ」
「あ、確かに。そうなりますか………それにしても、今回の曲、蒼真にしては珍しく複雑な構成になってますよね」
「知らん内にそうなってもうたからな………これでも後悔はしとるんよ?」
「なるほど。反省はしてないと………」
蒼真と光は新曲の構成確認をしている。
蒼真が持ち込んだデモはアークラ歴代のオリジナルと比べても、五本の指に入る難易度の高さであった。
事実、いつもは苦労しない光でさえ、手子摺っている。
「ソウマ~!!無理~!!」
「練習しとけ。大学祭終わったら、すぐオーディションあるんやから」
「分かってるけど~!!」
練習を毛嫌いする傾向のルーズ。
ライブでは問題なく弾きこなす彼だが、その背景には蒼真や光による練習催促の成果がある。
一度、ルーズよりも上手いギタリストに協力して貰って、プレッシャーをかけるドッキリを仕掛けてやろうかと企んだ。
「………あっ、この前の日曜日にソウマ、駅前に居なかった?」
「露骨に話を逸らしてきましたね」
「なんやろな………こうなれば、本格的にルーズを改革せねばならまい」
「二人とも………?顔が恐いよ………」
ぴくぴくと怯えるルーズ。
その姿は小動物を連想させる。
「んで?さっき、何て言ったん?」
「先週の日曜日に蒼真が駅前に誰かと居たかって話です」
「日曜………あー、居たね」
ピコン。ルーズの癖毛が反応した。
ここぞの反撃とばかりにルーズは蒼真へ詰め寄った。
「夕方頃に女の子といたよね!?」
「なんでそんなに必死なのかはさておいて………居たけど、それがどうしたん?」
「コウ、こっち」
「あ、はい」
ルーズが光を手招き。
場をスタジオの隅っこへ変えると、こそこそと内緒話を始めた。
除け者にされ、すぐに興味を無くした蒼真はスネアのチューニングでもするかと立ち上がる。
慌ててルーズが押さえに掛かった。
「待って!!ボク達の非リア同盟はどうなったんだ!!」
「なんじゃい、それ。そんなの初めて聞いたんやけど」
「アイトが彼女持ちって判明した時に言ったじゃん!!ボク達は無難に非リア充でバンドを楽しもうって!!」
「ルーズ~?呼んだか~?」
「呼んでない!!」
「あっ………そう」
「んなの、入学した頃の話やん。そんな前のは覚えてないよ」
「ぐぬぬ………!!」
余程、不満らしい。
ルーズにしてみれば、蒼真が女子と二人きりで外を歩く行為だけですら協定違反になる判決だそう。
確かに蒼真はモテる。ルーズは思う。
身長も高い。顔付きも程好いし、二重まぶたもくっきり、目も綺麗。
性格面も普段はクールで優しい気遣いはお手の物。だが、ライブでは一変して、熱血的なドラミングを披露する。彼の仕掛けるギャップの罠に落とされる女子が居ても不思議ではない。
「因みにこれだけは尋ねておこう」
「いきなりキャラ変わるなー」
「一緒に居た子はどういう子なんだ?」
「それも続くのね。あれだ、この前の合同ライブで出てたドラマーの子」
「え?バンドマン?」
「花音ちゃん。ハロハピのドラマー。夕方頃だとすれば、ルーズは買い物帰りに目撃したんとちゃうかな?」
多分、合ってると蒼真は確信する。
「水色の髪をした女の子やろ?」
「うん、遠目に見た感じでは多分」
「その子ど朝に偶然、駅で会ってな。行き先も同じなら一緒に行こうって話になっただけやし。確か、藍斗もその現場にいた筈………」
「おう?それって、俺が松原さんを困らしたやつか?」
「ほら、証言もついたぞ」
「………羨ましい、なんて言わないからな!!」
「本音、だだ漏れですね」
「なっ!?そういうコウもボクと一緒で音沙汰すら無いでしょ!!あったら、それはそれでボクが泣くけどね!!」
「自慢げに張り合う事じゃないでしょうに」
只の苦しい言い訳にしか聞こえない。
光は大きく溜め息を吐いた。
無理して、競争するような分野で無いのに一体何がルーズの闘争心を煽り続けてるのだろうか。
すると、三人の会話から離れていた藍斗が顔を向けて口を開けた。
「光はこの前、ファンの女の子と二人で近所の喫茶店にでも行ってなかったか?」
「藍斗………?余計なことを言わないでくれますか………!!」
「コウちゃん………?嘘だよね?」
「今のルーズの台詞、不倫がバレた時の嫁みたいな言動だよな」
「蒼真も冷静に例えてないで、とっとと助けてください」
「OK。ルーズよ、その子、キーボードが出来るぞ」
「………判決、死刑だぁぁぁ!!」
「止めなさいなぁぁぁ!!」
ルーズが凶暴化した。
全てを白状せよと、光にまとわりつく様子は狼のよう。
しばらくは休憩だな、と蒼真。
特に考えずに蒼真は藍斗の隣の席へ腰を下ろした。
「んで、花音ちゃんとはどうなんだ?」
藍斗はギターを弄りながら尋ねた。
これまた予想外だ、と蒼真は驚きの表情を見せていた。
「藍斗がそういう事、聞くんや」
「なんだーい。一応俺の方が恋に関しては先輩だぞ?」
「へぇ~、偉そうに。助けてやらねぇぞ」
「うん、嘘です。助けてください」
威厳なんてはなっからない。
「花音ちゃんとは上々。ドラマー同士、仲の良い付き合いはさせてもらっとるよ」
「………なんか違うな。俺の想像してた感じと」
「何が?」
「もやっとしてハッキリとは言えんけどさ………まさかな」
「ん?」
「蒼真さ。もしかして………他にも松原さんみたいな奴が他にいたりするか?」
「ドラマー繋がりってことなら結構居るぞ。前の打ち上げがあったときにだいぶ知り合ったんやから」
「そっか………何人?」
「ばっさりと来るな。女の子だと五人」
藍斗がばっ、と振り向いた。
「多くね!?」
「俺しか男が居れへんかったから」
「は~………なら、そうなっちまうな。オレだとそもそも行かんぞ」
「彼女さんに怒られるもんな」
「いや、普通に喋られないってだけ。行くって言っても多分、あっそう………ぐらいにしか言わないと思う」
話題は藍斗の恋愛事情へ。
「日頃からそんなもん?」
「んー………あんまし二人で出掛けることも無いな。俺も向こうも普段から忙しそうだから、お互い無理な詮索はしない感じになってる」
「よくそれで長続きするよな」
「何て言うかなぁ………ライバル?うん、ライバル。互いのライブで歌の練習した成果を見せ合う関係に近いぞ。なんやかんやで、ライブの夜は電話して反省会するし」
「へぇ~………って、なんで俺がこんなこと聞いてんの?」
「知らねー」
光とルーズはまだやりあってる。
蒼真は立ち上がった。ドラムの元へと戻る為だ。
「ほら、光とルーズ、一回合わせてみんぞ。出来る所まででええから」
「ぶー………OKだけど、そんなに覚えてないよ」
「覚えてないならアドリブと気合いでやり遂げなさい」
「光が無茶ぶりしてきた!!」
取り敢えず今回はここまで。
ぐだぐだとした日常。けれど、掛け替えのない仲間だ。時たま、白い目で見ることもあるが。
なんやかんやこの馬鹿達と一緒に乗り越えて、駆け上がって、"アークラ"が成り立っているのだ。
では、また。会うその日まで。
-4-『アークラの日常』終
『ドッドコバーンな補足シリーズ』
・水色の髪をした女の子
→-花音編2-での花音ちゃん。
・「その子、キーボードが出来るぞ」
→沙綾編のどれかの後書きで書きましたが、アリーサの事。
・藍斗の彼女
→近々、登場するぞ!!
・前話の曲の紹介
→話題に上がってきた順に行きます。
1. Smells like teen spirit/Nirvana
世界的に有名すぎる曲なので説明省略。因みに日本のプロバンドも幾つかカバーをしている。
2. All I Want/The Offspring
海外のバンドの曲。短いかつ癖になる楽曲。ドラムはとても早い。ツービートが余裕で叩けないと案外キツイ。
3. Back From the Dead/Skillet
こちらも海外バンド。今も活動中。曲自体はコール&レスポンスが楽しく、そこまで複雑な構成もされてない。カッコイイの一言。
4. Goddamn I´m Dead Again/SUM41
ギターのカッコイイリフから怒濤の音圧が連続して襲ってきちゃう。ラストには長いギターソロもあり、見所沢山の楽曲となっている。
ドラムも難しい。ツービートは勿論、安定したドラミングが求められる。
5. 疑問疑答/感覚ピエロ
昨年かその前の映画の主題歌。 初めて聞いたときのインパクトがカッコ良くて一発ではまった曲。
6. O・P・P・A・I/感覚ピエロ
えっと、此処ではちょっとあれなので気になった人は某動画サイトのPVを覗いていってくださいな。