Dreamer of Drummer   作:ソウソウ

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 あけましておめでとうございます!!
 今年も良い一年となりますように。そして、今年度で完結しますようにと目標を掲げて、ガンガン2019年も投稿していきますよ。
 新年一発目はなんと特別編!ヒロインはあこ!
 あこにした理由は特に無いですけどね!
 バンドリ2期も放送開始しましたけど、あこちゃんのスティック捌き凄いっすね………。

 感想、評価、大歓迎。お待ちしております!!



あこ大人編-2-『会見のマーチ』

 ◇◇◇

 

 蒼真とあこの家。

 

「本当に構わんのか?あこ」

 

 俺は彼女に問う。

 テーブルの席に座り、そっとお腹を撫でた彼女は小さく頷いた。

 

「うん。ロゼリアの皆からもちゃんと了承は貰ったよ」

「なら、良かった」

「でも………蒼真君のバンドの方があこにとっては迷惑なんじゃ………」

「前にも言ったやん。元からその予定はあったんやって。時期が少し早まっただけ。あこが気にすることじゃない」

「うん………」

 

 あこはまだ納得した様子ではない。

 

「なら、あこはその分をその()()()()の為に費やしてくれ。俺とあこの愛の結晶やろ?」

「………分かった。頑張る」

「不安になったら、俺がいつでも側にいてやる。二人で一緒に頑張ろうな」

「うん。愛してるよ、蒼真君」

「………俺も」

 

 そして、彼女の額に軽くキスをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

『アークラ、活動休止!?』

 

 前代未聞の一報に世間はざわめく。

 大人気ロックバンドの第一前線を優雅に躍り出るバンドが急遽発表したのだ。

 

 そして、また別に―――

 

『Roseliaのドラム担当、あこが産休に入る!!』

 

 油に火を注ぐ勢いで。

 加えて、同タイミングでガールズロックバンドのドラマーの報告。

 

 そして―――

 

「では、今から記者会見を行います」

 

 とある会場により。

 正確な情報の提示を行う為に急遽、記者会見を開いた。

 全体の進行を担当する人がアナウンス。

 そして、カメラに人が埋め尽くす前に姿を見せたのは二人のミュージシャン。

 

 ―――"アークラ"の"山吹蒼真"。

 

 ―――"Roselia"の"湊友希那"。

 

 二人は並んで一礼。席に座る。

 友希那に視線を送りつつも頷いた蒼真はテーブルに置かれたマイクを手に取り立ち上がった。

 

「バンド"アークラ"のドラムを担当しています、山吹蒼真です。この度はいきなりの活動休止を発表し、ファンの皆さんを筆頭にご混乱を招いた事、お詫び申し上げます」

 

 友希那も立ち上がる。

 蒼真からマイクを貰った彼女はゆっくりと口を開く。

 

「加えて、Roseliaのメンバーの一人"宇田川あこ"も暫くの間、産休を理由に活動を控えさせて貰う事を発表させて貰いました。困惑させてしまったファンの皆様、関係者各位、急なご報告となった事、謝罪致します」

 

 二人は着席。

 ここからこと細やかに情報の開示となるのだが如何せん今回は二つの会見が同時進行となっている。

 一から全部を話すとなると、それはもうややこしい。

 

「と言いつつ、折角やし質問形式でも有りやな。それで構わんかな?姫さん」

「えぇ、問題無いわ」

 

 一見、正式な会見かと思いきや。

 会場にいるメディアの大半が蒼真、友希那もしくはバンドメンバーと関わりを持つ者。

 ちょっとぐらい緩んでも笑って誤魔化せるぐらい、ふんわりした会見なのだ。

 

「では、質問のある方は挙手をお願い致します」

 

 多くの手が上げられる。

 蒼真は適当に当ててくれと指示を送り、進行担当は一人の男性を当てた。

 

「先程言われました二つの発表に関しまして、関係性はどのようにありますのでしょうか?」

「ふむ………まぁ順番に話すか」

「まずは私から。質問の答えとして、そうね。結論から言えば大有り。事の初めは………あこが妊娠したことかしら?」

 

 あこと蒼真が恋人関係。

 それは既に世間に承知の事実なので、あこの妊娠はむしろ大歓迎される程に喜ばしい。

 

「ライブ等は特に問題なくこなしてきた彼女だけど、最近になってそろそろ活動に限界が来るようになってしまったわ。そうなれば、あこには休んで貰うしか選択肢がないのよ」

「やけど、Roseliaにはこれからもライブの予定がたくさん有り。しかも、どれも無下にはキャンセル出来ないとね」

「そうよ………有りがたいことに」

「んでだ。あこにはゆっくりと産休に入るのは決定として、その空いた穴をどうするかが問題となり、解決策として―――」

 

 会場が沈黙に包まれる。

 

「俺が入る事になった。責任を夫が取れと言わんばかりにね」

「当たり前よ。元はと言えば、貴方があこをタブらかすからこうなってしまったのだから」

「めっちゃ言い方に棘ありますやん………まぁ俺も勿論アークラでのライブがあるからして。でも、奇跡的にあこの代役としてRoseliaのライブに出ることは実現不可能ではなかった。日頃からあこにRoseliaの曲は聴かされていたから、曲の暗記もほぼ完了済みやったし」

「ソウの他にあこと肩を並べられるドラマーは存在しないと私は考えている。もし彼が承諾していなければ、実質私達も活動休止となっていたかもしれないわね」

「そうなっちゃうとあこが罪悪感で悲しんじゃうんだよな………」

「自業自得じゃないかしら?」

「ノーコメントで」

 

 質問権は次の者に託される。

 

「と、なればアークラも活動休止まで急ぐ必要はなかったのでは?」

「確かに。俺の忙しさを無視すればの話やけど。そもそもアークラの活動休止の件についてはメンバーの中でも話題に上がっていたから、反対意見は特になかったな」

「詳しくお願いします」

「勿論。最近、アークラのメンバー達はライブ以外にも活動や仕事が多くなってきた。藍斗は俳優業、ルーズは芸能活動、光はプロデュース、と言った風に。

 四人で鍋を囲いつつ話し合った結果、時期を見てはライブ活動に一旦幕を引こうって形で落ち着いた」

「落ち着いた所で悪いけど、ソウにはあこの分も働いて貰うのよ」

「ってな感じでRoseliaからサポートの話が舞い込んできてな。丁度良いからアークラは活動休止にして個人活動に専念しようかってなった。以上」

「あ、ありがとうございます………」

 

 質問した記者は着席する。

 と、また別の者が立ち上がった。

 

「活動再開の目処はあるのでしょうか?」

「そうやね。取り敢えずはウチの嫁が無事に出産を終えるまでかな。そこから子育てに時間は盗られると思うけど、頃合いを見てライブをしていきたいと考えてる」

「私達も基本的には同じよ。今あるライブが終わり次第、Roseliaも活動を控えめになると思うけど、あくまでそれはあこがちゃんと戻るまでの話。頂点を五人で目指す。Roseliaの目標はそれだけよ」

「お二方………お時間が来ました」

「え?もう?」

「本当みたいね」

「なら、締めに………今回は個人的な事情により、関係者やファンの方々に多大なるご迷惑をお掛けしたこと、申し訳ございません。ですが、ご理解頂きたい。あくまで、自分達が次のステージに進む為の選択に過ぎないことを」

 

 そして―――

 

「私達もまた今回の件は次なるステージへ歩む為に必要なステップの一つだと考えてるわ。栄誉ある頂点を目指し続ける、この熱い思いだけはきっと未来永劫………消えさせはしない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 会見後。帰宅。

 

「ただいま~」

 

 我が家の玄関をくぐる。

 今日も一日存分に働いてもらった靴を脱いでると、バタバタと慌ただしい物音がリビングの方から聞こえる。

 出迎えに姿を見せたのはあこだった。

 

「お帰り!蒼真君!」

 

 エプロン姿。料理の途中だったようだ。

 確かにうっすらとだが香ばしい香りが鼻孔をくすぐる。

 これは肉じゃが、だろうか。

 

「テレビ見てたよ。案外、どうにかなるもんだね!」

「いや、そうやけどさ。あこもまた今度にでもちゃんと挨拶回りしとけよ」

「うん、分かってる。分かってるから、今はほら!」

 

 髪をのけ、額をくいっと上げる。

 目をつぶったあこは何かを求めるかのように静かに時を待つ。

 

 ―――いつものアレね。

 

 俺はそっと近づき―――

 

「いったぁ~い!!」

 

 デコピン、発射。

 

「てか、あこ。俺、前にも言ったよな?料理関連は暫く禁止って。その格好、現在進行形でやってるよな?」

「あっ………で、でも!ただ待ってるだけじゃ蒼真君に悪いし………」

「今はあこの体の健康が第一。無理な負担にならないように大人しくしとけ」

「むぅ~」

 

 あこはお腹に生命を蓄えている。

 出産予定日も徐々に近付いてきた現在、体調不良等で倒れでもしたら………そんな心配が日々尽きない。

 でも、あこは性格上じっと出来ない。

 こんな風に隙有らばすぐ動こうとする。気持ちは嬉しいが、この先も続いていくとなると、気持ちが思いやられる。

 

「そう言えば、お姉ちゃんが来てるよ」

「ん?なんや。巴も来とるんか」

 

 妹の手助けに姉はよく家に来る。

 社会人の奴隷と化した巴に自身の恋ばなは無縁の存在らしい。その証拠に最近はずっと家に入り浸る日々が続いている。

 巴の関心はむしろ、産まれてくる赤ちゃんだ。服や玩具を既に完備するぐらい、一番赤ちゃんの誕生を楽しみにしてる。

 ちょっとは男付き合いの助言もしてやられねば。

 

 ―――バチン。

 

「痛ったい!?なんで!?」

「だとしたら余計、その格好駄目やん。巴が来たのは晩飯を作りに来るためやのにそれをあこが奪うのは不味い」

「はっ!!………初めての失敗料理とかけて、ご馳走しに来たのに妊婦にその座を盗られた姉とかけます。その心は………どちらも不味い!!」

「こら」

「ぐへぇ!?………おでこが痛いよぉ」

「余計なこと言っとる場合か。そうやな………今はこれぐらいで我慢しとけ」

「へへへ~。蒼真君の撫で撫でだ~」

 

 優しくあこの頭を撫でる。

 本来の目的は不達成なのだが本人的には大満足らしく、ニヤニヤとしている。

 飴には鞭を。もう一発デコピンしてやろうかと思ったが、このあこの元気の貰える笑顔には勝てない。

 と、気付けばリビングに繋がる廊下の扉から人影がちらっと

 

「………あの二人、いつまで玄関でイチャつくつもりなんだ?」

 

 巴の視線が少し痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大人あこ編-2-『会見のマーチ』 終

 






*最後のシーンが書きたかった。以上。

『赤ちゃんの名前募集中!補足シリーズ』
・あこ、めっちゃ大人
→この時のあこの年齢は25,6歳をイメージしてます。


・記者会見
→正式な謝罪の仕方とか作法とかあるかもしれませんが、知らないのでほぼ適当に進めてます。


・巴
→叔母さんになるまで、あと少し。この世界ではあこに蒼真を盗られた。別の男探しに苦戦苦闘中。


・ボツシーン
→「四人で鍋を囲いつつ―――」
「その時、アークラの皆さんは何鍋を召し上がったのでしょうか?」
「キムチ鍋やね」
「具材はどういう………?」
「豆腐にネギとか白菜。ソーセージ、鶏肉、マロニーとか、ぐらいやったかな?あ、サツマイモも入れてたな」
「サツマイモ?」
「なんか藍斗家では入れるらしい。餅巾着も入れてた。キムチやのに」
「なるほど………〆はどのように?」
「チーズリゾット風に仕立てたね。めっちゃ美味しかったで」
「羨ましい限りです」

 ―――ちらっ。

「………今のやり取り、必要だったかしら?」

(※必要ないので全カットです)


・次回
→まぁ………分かるよね。
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