Dreamer of Drummer   作:ソウソウ

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 注意事項:
 今回の話(全員編-5-)では他世界のキャラが独自の設定を持ちつつの最初で最後の登場回となります。
 あくまでキャラ自体の性格や容姿は同じでも、全くの別人物という認識でお願いします。



-5の1-『ライブハウスで対決』

 ◇◇◇

 

 CiRCLE。ロビー。

 

「「「挑戦状?」」」

 

 唐突に集められた三つのバンドの代表者。

 其々が此処"CiRCLE"のスタッフ、まりなから急遽集められた説明を受けていた真っ最中であった。

 

 "Poppin'Party"から"戸山香澄"。

 "Roselia"から"湊友希那"。

 "Pasttle*Palettes"から"丸山彩"。

 

 ―――以上、三名。

 

「うん。まず前提としてウチの"CiRCLE"と同じライブハウスが他にあるのは知ってるかな?」

「知らないです!!」

「正直でよろしい」

 

 真っ先に挙手をした香澄。

 

「うっすらと存在は聞いたことはあるけど、名前までは知らないわね………」

「えぇっと………私もこれで」

 

 彩は両手でバッテン印を作る。

 まりなはこの時、この挑戦状の相手に対して謎の優越感に浸っていた。

 

 ―――知名度はこっちが上だぞ、と。

 

 同業者。ライバル。

 表現する言葉は多数あれど、どれも懐にしっくりと来ない関係性をあちらとは築いている。故に、相手方に少しでも優位に立ちたいとせがむのは本能に近い行為だろう。

 まりなは渋々、そう、渋々と説明を簡潔な進行にする為という理由を名目に彼女達へと教えることにした。

 

「そこはね、ライブハウス"SquareRoad"って名前なんだけど―――」

 

 まりな曰く。

 此処"CiRCLE"と同等の機材がある音楽施設。

 場所の関係により、向こうではまた別の高校生やバンドマンが普段から利用している。

 

「簡単に例えるとしたら、そうだね………案外、"CiRCLE"と"SquareRoad"はこの町では太陽と月のような関係かもしれない」

「どういうことですか?」

 

 彩が尋ねる。

 

「それは―――」

「私達が此処を利用するように、SquareRoadにもまた私達の知らないバンドマンの子達が利用している………ってことね?」

「え?―――う、うん。友希那ちゃん、よく分かったね………」

 

 相容れぬ存在。それは決して交差しない。

 前提として。バンドに携わる人材は星の数ほどいると言われている。

 ポピパやアフロ、ロゼリアがCiRCLEを本拠地に構えたように、また別のライブハウスを本拠地に構えるバンドが存在するのは必然。

 

「つまり、先程話に出た挑戦状、と言うはそのライブハウスから来たのかしら?」

「その通り。って言っても、このライブは毎年の恒例行事みたいな感じだから、そこまで深く考えなくても良いよ。それに―――」

「私、出たいです!!キラキラドキドキが見たいです!!」

「せめて最後まで聞いてくれないかな?」

 

 名乗り出る問題児。

 まりなは冷静に彼女に最後まで落ち着くようにと、指示を出した。

 

「因みに参考までに言っておくね。これまでの過去の戦績は三勝三敗三引き分け」

「想像以上に互いの実力が均衡してるわね」

「そ、そうだね………私の場合、いざ出るってなると緊張しちゃうかも………」

 

 余計な情報だったかもしれない。

 

「もう分かってはいると思うけど、皆には今回のライブハウス対抗ライブにCiRCLE代表バンドとして出場して欲しい………無理にとは言わないけど、大丈夫かな?」

「問題ないわ。Roseliaはどんな場所でライブをしようと頂点を目指すのみよ」

「うん。私達パスパレも大丈夫かな~と思います。最終判断はメンバーに相談次第ですけど………少なくとも日時は問題無いはずかと」

「ありがとう、二人とも。今回の勝負は貰ったと言っても過言では無い!!」

「まりなさん!!私には聞かないんですかー!!」

「え?だって、ポピパは初めから出てくれるんでしょ?」

「そうですけど~、私にも何か言わせてくださいよ~」

「まぁまぁ香澄ちゃん。ライブ、一緒に頑張ろうね」

 

 ぶーぶーと文句を垂れる香澄に話をそらそうとする彩。傍観を決めた友希那。

 "CiRCLE"は現最高戦力と呼べるバンドを味方に引き入れた。

 まりなにとってそれは最優先事項でもあったので安堵の表情を浮かべる。

 年に一度の頻度で行われるこのイベント。

 出場する彼女達は知らないと思うが、前回のイベントでの"CiRCLE"は驚くことになんと大敗を喫していた。

 だが、この三バンドで対抗すれば、前回と同じ道を辿ることはもうないはず。

 二の舞は踏まない。

 

「相手さんのバンドはもう決まっているのかな?」

「そうね………確かに気にはなるわ」

「まりなさん!どうなんですか?」

 

 彼女達の興味はやがてライバルへ。

 同じライブハウス代表の身としては敵の内を早めに知っておきたい。

 その気持ちは大いに理解できる。

 故にまりなは懐からメモらしき紙を一つ取り出した。

 

「それは?」

「"SquareRoad"の代表に選ばれると思われる有力候補バンドの一覧だよ」

 

 注がれる香澄のキラキラビーム。

 

「わ、分かった。今から教えるから………ね?でも、あくまで予想というか、私の個人的な調査による結果であって絶対に出場するという保証はないから」

「分かりました!!」

「ちょ、調査………?しても良かったのかな?」

 

 やる気が暴走し、つい相手の内部事情を探ってしまった件については後悔していない。

 反省はしてます。

 

「まず、絶対に出場してくるバンドが一つだけあるのだけど、これは皆も知っているバンドだよ」

「私達全員が………知っている?」

「香澄ちゃん?分からない?」

「彩先輩は分かったんですか!?」

「うん。正直、そこまで自信はないけどね………」

「因みに友希那ちゃんは?」

「勿論、心当たりはあるわ」

 

 ふむ、とまりなは一つ合間を置く。

 実は当の本人が幾度か口にしている。香澄に教えても弊害は発生しない。

 

「蒼真君のいるバンド、"アークラ"」

「あぁ!!確かにソウ君が練習は別の場所でよくしてるって言ってました!!」

「うん。きっとそれが"SquareRoad"だろうね」

 

 通称、絶対王者"アークラ"。

 メンバーの一人とは個人的な付き合いもあるバンドである一方、"CiRCLE"には少し苦い思い出があるバンドでもある。

 前回のイベントでの話。

 勿論、CiRCLEサイドも当時の最強メンバーを引き連れて勝負に挑んだ。僅差になるかもしれないが勝利の女神は此方に微笑むと当初は自信もあった。

 なのに、現実は違った。アークラが"CiRCLE"の敵名義で出場したのだ。

 ライブでの臨場感を瞬時に総嘗め。他者を圧倒する完成された音の芸術。一切の隙がないまま彼等のライブは幕を閉じた。

 加えて、ライブの順番が最後。トリであるがゆえ、観客達の心は意図もあっさりとアークラに持っていかれた。

 

「これは………油断できないわね」

「うん。私達のバンド、その真髄が試されるって感じだね」

「楽しみです!!」

 

 だが、少なくとも。

 彼女達がアークラのライブを観て、臆する事はない。それだけでも十分、勝負として土台に立てるだけの条件はクリアする。

 残念なことに問題は更に続くのだが。

 

「ここからが大事だよ。私もこれを読んでいる途中で驚いたけど………候補に上がったバンドが皆と同じガールズバンドかもしれない。それも二つ!!」

「おぉ!」

「時間がなかったから、多少は勘弁してね」

 

 ペラペラとページを捲るまりな。

 その光景に彩は密かに尊敬を抱く。自分もあれぐらい事前調査出来る能力が欲しい。

 

「バンド名は"ガルデモ"。注意すべき点はクールビューティーと小悪魔キューティーのツインボーカル………だって」

「クールビューティー?」

「小悪魔キューティー?」

 

 二人は揃って首を傾げた。

 多少、変な解釈があるかもしれないが、時間の都合上、こうなってしまったのだ。

 

「活動期間は長いけど、ここ最近メキメキと実力を伸ばしてきたお陰で候補入りしたのかな。切っ掛けは新メンバーの加入。その子と本来のボーカルとの異色の組み合わせが凄いらしい」

「想像がつかない………ね。私達のバンドでもツインボーカルはなかなか居ないし」

「コーラスとはまた別物と考えるべきね」

「さて。肝心のボーカルの名前だけど………"岩沢"さん?かな。カリスマ性が強く、同じ女の子のファンも沢山いるらしいよ」

「まりなさん、もう一人は?」

「う~ん………そこは情報不足。存在自体だけ明記されてて、後はメモに書かれてないのよね」

「ざんね~んです~」

 

 がっつり崩れ落ちる香澄。

 もう一人のボーカリスト。恐らく一番の重大要素が未知なのは不安だが、情報がないのは仕方がない。

 気を取り直して、次だよ次。

 

「今度は大丈夫だから!」

「はい!期待してます!まりなさん!」

「………」

 

 香澄の純粋に注がれる視線。

 まりなにとって、それは逆にハードルをぐいぐいと急上昇させていく。

 

「バンド名は"HTT"………略称かな?」

 

 まりなはメモを急速に読み進める。

 

「重要な点は三つ。

 一つ。こちらもツインボーカルスタイルを採用している事。

 二つ。曲によって、人や歌い方を変幻自在に変えたりする事。

 三つ。同じ高校の軽音部所属ならではの一体感満載の演奏。

 ―――以上」

「おぉ!!」

 

 聞いた限りでは。

 実力もあり、オリジナル性にも富んでいる。強敵として立ち塞がるのは確定。

 だが、メモを読むまりなに限ってはどうも不思議そうな視線を文章に向けていた。

 

「うん?だけど、個人レベルの技術になるとそれほどでも?………って書いてあるけど」

「と言うことは………それほど凄くはないバンドなのかな?」

 

 彩のピンポイントな指摘。

 

「例えば、そうね………」

「友希那ちゃん?」

「一人一人のレベルが其処まででも、バンドとなると桁違いの演奏をするグループは私の知る限りでも沢山いるわ。ソウ達と同じ候補に上がるぐらいなのだから、恐らくそのバンドもそんなタイプなのでしょうね」

「な、成る程………」

 

 友希那の解説に唸る彩。

 

「友希那先輩!!ポピパはどうなんですか!?」

「唐突過ぎじゃないかしら?あなた達の話はしてないわよ」

「分かってますよ?でも、折角ですし~!!言ってくれても良いじゃないですか~?」

「徐々に近づくのは止めなさい。目が怖いわ」

「パスパレの評価も………気になる」

「………自由だね、皆」

 

 ライブまで………もうすぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 とある音楽室。

 

「おーい、ライブの誘いが来てるぞー」

「ホント?どこでやるのかしら?」

「これは………スクエアからだな。うん?………アークラも出るのか………」

「澪先輩?どうしました?」

「あずさ………気にしないでくれ」

「そ、そうですか………」

「他のライブハウスの子達と対バンだって!!面白そうだよね!!ねぇ!!皆、出ようよ!!ギー太も出たいよねー」

「でしたら、紅茶セットは持っていっても良いかしら?」

「止めとけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 とある教室。

 

「せんぱぁぁぁいぃぃ!!大変でぇぇぇすぅぅぅ!!」

「ユイ!うるさいぞ!」

「ご、ごめんなさい………!!でも、大ニュースがあるんですって!!」

「大ニュース?何?」

「岩沢先輩!ライブですよ!ラ・イ・ブ!」

「え?何々?面白い話?」

「どうしたの?」

「皆さん!ちょうど勢揃いですね!言いますよ!言っちゃいますよ!アタシ達、ガルデモに"SquareRoad"代表として出場するライブの依頼がついに来ました!」

「おぉ!!マジか!!よくやったぞ、ユイ!!」

「えへへ~、ひさ子先輩に褒められた~」

「ユイ」

「は、はい?」

「アークラも出るのか?」

「も、勿論ですけど………」

「よし。出よう」

「「「えっ?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 -5の2- へ続く。




*時系列は完全無視。何でもOKってやつです。

『やり過ぎ感満載補足シリーズ』
・選抜バンド(ポピパ、ロゼリア、パスパレ)
→ハロハピ、アフロは今回お休みです。人数が多いと処理しきれないので。これでも十分キャラが多いので扱いきれるか不安ですが。


・SquareRoad
→男女問わず、地元のバンドに愛されるライブハウス。練習も勿論可。アークラの拠点でもあり、他にもガルデモやHTTがこの世界線では利用している。



・実は………
→主人公がバンド設定なのもこのコラボがしたかったから。
 アプリでも実際に彼女達の曲がカバーされてるんだから本人登場しても大丈夫でしょ!精神でいきます。


・ガルデモ
→正式には"GirlsDeadMonster"。
 クールビューティーな岩沢と小悪魔気質な魅惑を放つユイのツインボーカルを主体に現在活動中のガールズバンド。
 母校では昼休みにゲリラライブを開催し、全校生徒を巻き込んでの大波乱を毎度ように起こしているらしい。


・HTT
→正式名は"放課後ティータイム"。
 同じ学校の軽音部に所属している五人組で結成されたガールズバンド。ふわふわ天然少女の唯と奥手引っ込み恥ずかしがりベーシストの澪がボーカルを担当する。
 普段から練習は程々にして、その分、ティータイムを楽しむ傾向にある。なのだが、ライブ本番には滅相強い。


*途中で気づく。ボーカルがダブルでユイ()(笑)

 予告編は削除しておきました。
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