九尾がねずみ男に拳を放とうとした時、鬼太郎の下駄がその拳を防いだ。
「誰だお前?」
「ゲゲゲの鬼太郎」
「へぇ〜。お前が……コイツの言った通り…本当に来るんだな。驚いた」
九尾は鬼太郎を見ると戦闘態勢をとったと同時に体から妖気を発した。
「!!」
それに対し鬼太郎の妖怪アンテナが激しく反応した。
「気をつけろ鬼太郎!あやつ ただならぬ妖気を放っておるぞ!」
「はい!」
「へぇ…目玉が喋るなんて、面白すぎだろ?」
九尾が目玉親父に目がいっている時、僅かな隙を生んだ。その瞬間を鬼太郎は逃さなかった。
「髪の毛針!!」
ピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュン!!!!!
そう言ったと同時に鬼太郎の頭の髪の毛が針のように鋭くなり九尾へと襲いかかった。
「遅い」
そう言うと九尾は跳躍し髪の毛針を避けた。全て避けきると、九尾はそこに立つマンションの屋上へと飛んでいった。
「ッ!一反もめん!」
「はいは〜い」
するとどこからともなく手の生えた白い敷物がヒラヒラと舞いながら飛んできた。鬼太郎はそれに乗ると九尾を追った。
「鬼太郎!こっち!」
行く手には猫娘がおり、鬼太郎を先導した。
「一反木綿は父さんを頼む!猫娘アイツは!?」
「あそこよ!」
猫娘が指差した場所を見ると、そこには九尾がこちらを見ながらたっていた。
「よう。来たな。あそこじゃやりにくいから場所を移させてもらったよ」
「……お前は何者だ!」
「俺が何者?そんなの見れば分かるだろ?俺は人に化けた妖 それ以外の何者でもない」
「だったら何故こんなことをした!」
「何故?そんなの簡単だろ?………………お前と闘って見たかったからだよ…!」
「!」
その瞬間、九尾は拳を構えながら鬼太郎へと向かった。
「オラァッ!」
「くっ!」
鬼太郎はギリギリに躱したが代わりに尻餅をついてしまった。
「いい反応だな。だがその体制でどうする?」
「ッ!!」
今の鬼太郎は体制を保てていない。つまり無防備だ。しかも九尾との距離もさほど遠くない。このままでは体制を整える前にやられてしまう。そう思った時
「ニヤァァァァ!!!」
鬼太郎の仲間である猫娘が背後から九尾に引っ掻きを食らわした。
だがその攻撃を九尾は軽々と受け止めた。
ガシッ!
「ニャ!?」
「猫は黙ってろ」
ドンッ
そう言うと九尾は猫娘の首に手刀を当て気絶させた。
「猫娘!!くっ……指鉄砲!!!!!」
ピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュン!!
鬼太郎は手から高圧に圧縮された空気を九尾に向かって放った。
「お?」
それは九尾に命中した。だが、
「む…無傷…!?」
「何だ?もう終わりかよ?」
「いや!まだだ!ぬりかべ!」
「あ?」
鬼太郎がそう叫ぶと、
「どすこい!」
バァァァァァァァンッ!!!!!
背後からの強力な一撃が九尾を襲った。
「ぐおっ!?」
ドガァァォァァぁぁぁぁぁん!!!!!!!!
その衝撃で九尾はマンションから真っ逆さまに落ち近くの道へと墜落した。
そしてさらに追い討ちをかけるかのようにぬりかべはそこから飛び降りると九尾に近づいた。そして
「ぬりかべ!!」
ドォオオオオオオオオンッ!!!!!!!!
その巨体で九尾に向かって倒れた。
辺りには地響きが鳴り建物が揺れた。
その様子を鬼太郎は見ていた。
「やったか…?」
そう思った時だった。
「やるじゃねぇか」
「なに!?」
ぬりかべの下から声がしたのだ!そして
「ぬ…ぬり!?」
その倒れた巨体がゆっくりとあげられた。見るとそこには切り傷だけで済んでいる九尾の姿があったのだ!
「ぬ…ぬりかべを持ち上げるなんて…」
「このぐらいの重さ、手に妖力を集中させれば楽々持ち上げれるわ」
そう言うと九尾はぬりかべを近くに投げ捨てると鬼太郎のいる屋上まで飛び、瞬時に近づくと頭を持ち上げた。
「くあぁ…!」
「おいおい。まさかもう終わりか?あれしかねーのかよ?いくらなんでも つまんな過ぎるだろ?」
そう言うと九尾はガッカリしたのか鬼太郎から手を離そうとした時
ガシッ
「なに?」
「は…離さないぞ…!!」
そう言うと鬼太郎の体がみるみる発光してきたのだ!
「体内電気ッッ!!!!!!!!」
「うぉ!?」
その瞬間に九尾の体を100万ボルトの電圧が襲った…!!
「うぐ…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
辺りは白い光に包まれた。
「き…鬼太郎!!」
目玉親父は一反木綿から降りるとすぐさま鬼太郎の元へと向かった。
鬼太郎は既に体力の限界を超えているのかその場で気を失っていた。
「今のは効いたぞ」
「!」
目玉親父は声のした方を向いた。そこには、あの高圧電流を受けても尚 平然と立っている九尾の姿があったのだ。
「相手を掴み逃げられないようにして自分の電流を流す。中々いい発想だな」
九尾は喋りながらゆっくりと鬼太郎へ近づいていった。
すると目玉親父は九尾の前に出て鬼太郎を庇った。
「これ以上 息子に手出しはさせんぞ!出すのならわしを殺してから行け!!」
「はぁ〜?殺す?」
いきなり自分が殺人目的なのかと疑われてしまい少し呆れてしまった。
すると九尾は戦闘モードを解くとしゃがみ込んだ。
「勘違いすんなよ目玉。俺はただ単にコイツらの力が知りたかっただけだ」
そう言うと九尾は鬼太郎を担いだ。
「な…なにをする気じゃ!」
「だから何もしねぇって。お前らって確か『妖怪横丁』ってのに住んでるんだよな?案内しろ」
「な…何故それを…もしやお前は…!分かった。こっちじゃ!一反木綿は猫娘を頼む。ぬりかべも大丈夫か?」
「あいあいさ〜」「大丈夫大丈夫〜」
そう言うと目玉親父は九尾を横丁へと案内したのだ。
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「ここが入り口か?」
「そうじゃ。ここを通れば横丁にすぐ着くぞ」
そう言われた九尾は先へと進んだ。
すると、辺りの景色が一瞬歪んだかと思うとすぐに鮮やかになった。
九尾が目にしたのは、温泉、雑貨屋、小豆屋などの店が立ち並ぶ商店街であった。
「ここが横丁か…」
「そうじゃ。ワシらは人間界から離れたこの横丁で生活してるんじゃ」
「因みにこの場所を知ってるのはここに住む妖怪達だけで、その妖怪の案内なじゃあ一生たどり着けない場所ですばい」
「成る程」
「あそこにデカい長屋が見えるじゃろ。あそこに向かってくれるか?」
「了解」
そう言われた九尾はその場所へと向かった。
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「ちょっと待っとくれおばば!その酒はわしが今日の為に取っておいた大事な奴なんじゃ!」
「そう言っておきながら今日はもう5壺も飲んだんじゃろうが!!少しは我慢せいっ!」
「そんな〜!!嫌じゃ嫌じゃ!飲みたい飲みたいよ〜!!!!オギャーオギャー!!」
九尾達が向かった先にいたのは見た目が少し怖い老婆とミノを羽織って赤ん坊のように泣きじゃくっている老人がいたのだ。
「何だ?この婆さんと変態は?」
「砂を調合しているのが砂かけババア、この長屋の大家じゃ。そして泣いてる奴は子泣き爺じゃ。二人とも立派な妖怪じゃぞ」
目玉親父が九尾に説明すると老婆は九尾達に気づいたのか振り向いた。
「お〜!親父殿戻られたのか。はて?この人間は?」
「そうじゃった。まだ名前を聞いとらんかったの。おぬしはなんという名の妖怪じゃ?」
皆の視線が九尾へと集中した。すると九尾は口を開いた。
「……俺は『九尾』 閻魔大王より中国から派遣された妖怪だ」
「な…!?なんじゃと!?まさかおぬしが閻魔大王の!?」
「「中国の九……九尾!?(ですばい)!?」
「あぁ。細かい話はコイツらが目を覚ました後だ」
そう言うと担いでいた鬼太郎と猫娘を下ろした。