「さぁ…!来いよ?」
天狐が雪女を挑発するように指で誘った。
「愚か者め…!」
ヒュゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
雪女は口から猛吹雪を天狐に向けて吐き出した。
天狐は鬼太郎達がいないのを確認するとその炎を自身に纏わせ氷漬けを防いだ。
「な…!?何故効かぬのだ!」
雪女は自分の絶対零度に到達する程の冷気を浴びたのに平然と立っている天狐に驚いた。
「悪いな。俺の狐火はそんじょそこらの妖怪と違うんだよ」
そう言うと天狐は自身の周りにある炎を全て腕に集めた。集めたその炎は天狐の腕を包むと激しく燃え盛った!。
「俺の炎は……『地獄の業火』さ…!!」
「な!?」
天狐は腕に纏わせた業火を雪女に向け構えた。
そして
「焼けろ…!!!!」
その炎を全て雪女に向けて放った。
ボォオオオオオオオオオ!!!!!
「ゔぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
炎は雪女に触れると彼女を包むように一気に燃え上がった。
「勝負ありだ」
すると、雪女の悲鳴を聞いて鬼太郎達も駆けつけてきた。
「天狐!」
「よう。もう終わったぞ」
天狐がそう言うと皆は炎に包まれている雪女を見た。
「もう一度聞く!何故こんな事をしたんだ!」
鬼太郎は雪女に聞いた。すると、燃え盛る炎に包まれながら雪女は細く途切れそうな声で答えた。
「お前の父が言っていた………人間と愛し合った雪女がいたと………それは私の姉だ…」
「ッ!」
「…!?」
衝撃の事実に鬼太郎はもちろん、天狐も驚いた。
「人など愛さねばよかったものを………………ねぇ…………さ__」
最後の言葉を溢した瞬間 炎の中で雪女の身体が風のように溶けて消えていった。
炎が空気へと溶けて消えるとその中から一つの雪の結晶が零れ落ち、天狐の前へと落ちてきた。
「………」
天狐は何も喋らずその結晶を拾うと、その結晶はその場に吹いた風と共に消えた。
「父さん……これでよかったのでしょうか…」
「……雪女も人間と仲良くしたかったのかもしれん。じゃがそれも許さぬ掟があったんじゃろう…」
それから間も無くして砂かけ婆達も現場に着いたが、鬼太郎達が事情を説明したことにより、皆は横丁へと戻る事となった。
横丁に戻ると天狐は「疲れたから寝る」とだけ言い長屋へと戻っていった。
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鬼太郎達が去った後、その場所を遠く離れたホテルからブラインド越しで見ている者がいた。
「フンッ…雪女め…しくじりおって。だがまぁいいだろう。鬼太郎を殺せる策などいくらでもあるからな…」
「ぬらりひょん様、そろそろ」
「うむ」
ぬらりひょんと呼ばれたその老人は立つとその場所を後にした。
「(鬼太郎の近くにいたあの九つの尾を持つ小僧……奴には細心の注意を払わねばな…)