雪女の件より数日、俺は夜の東京の街中を歩いていた。バイトは雪女の件でいろいろと設置物を壊して器物損壊として猫 共々クビにされた。マジ最悪…
「まぁ……ある程度稼げたからいいけど…」
俺がそう呟きながら歩いていると
ドガァァァァァァンッ!!!!
通り過ぎようとした建物がいきなり大爆発を起こした。
爆風と共に色んなものが吹き飛んだ。爆発が起きた瞬間に、1分も経たずにその場には多くの人間が集まってきた。
「え!?爆発!?」
「救急車と消防車を呼べぇ!!!」
「中の人達は大丈夫なのか!?」
周りの人間は口々に騒ぎ出した。その中には鬼太郎や猫もいた。
その時、煙が吹き荒れる炎の中から一人の老人が何かを呟きながら出てきた。
「フン腹立たしい店だ。店員の手際が悪い」
そう言いながらその老人は懐から何かを取り出した。爆弾だ。
ドカァァァァァァァァァァン!!!!!
老人はその爆弾を後ろに投げた。するとまた同じ爆発が起き、より強く燃え盛った。
その老人は笑うとそのまま去ろうとした。だが俺は逃さなかった。
「まちな爺さん」
俺の言葉にその老人はピタリと歩く足を止めた。
「見る限りこれはアンタの仕業だな?よくないぞ。こんなもん。『建造物損害罪』で即刑務所行きだ。ましてや爆弾を使うなんざ『撃破物破裂罪』で死刑だぞ?」
俺がそう言うとその老人は不敵に笑うとチラリと俺の方を見た。
「成る程。貴様が九尾か…見るからに相当な妖力を備えているな…」
何だ?コイツ
「俺の質問に答えろ。そしたら見逃してやるよ。テメェはなんて妖怪だ?」
俺が強く言うと老人は答えた。
「答える義理などない。それと貴様は妖怪横丁に住んでいるようだな?ならば『ゲゲゲの鬼太郎』に伝えておけ。近いうちお前の首を取りに行く…とな」
「へぇ〜。答えないのか。なら死刑ってことでいいんだな?」
ピキッ
俺は指の骨を鳴らすと隠していた九つの尻尾を出した。
「さて、今ここでねじりミンチにしてやろうか?」
「儂に構ってる場合か?」
「どう言うことだ?」
「あれを見ろ」
老人は指を指した。俺がその方向を見ると建物の看板が崩れた。しかもその下には人間の女がいたのだ。
「心配ねぇさ。どうせアイツが助けるからな」
俺が言うや否やその女は何処からか現れた鬼太郎が助けた。
「ほらな?」
俺がその活躍劇を見ながら振り向くと、既に老人の姿はなかった。
「ッチ…逃げたか」
その後、火は無事に消化されたという。そのホテルにいた者は全員素早く救助されたのか火傷で済んだそうだ。