漢体これくしょん 日東丸提督のブラ鎮建て直し物語   作:かのんベール

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お化け屋敷

フードコートでお昼を挟みつつ、なんとか服を全員分買うことができた。久しぶりの食事でエネルギーを補給したことで俺の体力はかなり回復できたようだ。

 

フードコートで話し合った結果、次の目的地はお化け屋敷となった。なんでも

 

「オレより怖い奴なんていねぇぜ!」

 

ってことらしい。正直お化け屋敷を舐めてると痛い目に合うので気を付けた方がいい。

 

今回は「お台場怪奇学校」だ。かなり怖いと評判で、本物が出たと噂になるくらいなのだ。耐性のない人間には耐えられないと思うが、本人が入ると言っている以上仕方がない。小学校の修学旅行の時の俺と同じ思いをしてもらうとしよう。

 

「3グーループに分かれるぞ。チビどもは保護者が必要だから俺と同じ班だ。あとは適当に別れろ」

 

今回はコープスパーティーという作品とのコラボ企画第三弾のようで、その設定を聞かされる。このお化け屋敷は過去にも自殺やいじめ、殺人をテーマとしては物議を醸してきたが、その内容は命の大切さを教えてくれるというものだったりする。今回のタイアップの内容に期待しながら順番を待つ。

 

順番が回ってきたので、赤い光の懐中電灯を持って中を進む。

 

「やっぱり帰りたいのです...」

 

「まだなにも出ていないだろう?ここからだぞぉ...!」

 

「ひっ!」

 

懐中電灯を顔の下から照らして脅かしてみたが、駆逐艦への効果は絶大だったようだ。

 

「アハハハハ」

 

服の裾を掴む駆逐艦を可愛く思いながら再び前を向いたその時だった。

 

「ギヤァァァァァァァァィアィァァィァアア」

 

包丁を持った少女と目があってしまった...。

 

その後も悲鳴を上げ続けることとなったが、引っ付く駆逐艦によって進行妨害をされながらも俺たちは無事にお化け屋敷を脱出することができた。

 

「いやぁ終わってみると楽しかったな!」

 

「呪われる呪われる呪われる...」

 

おぉ...。鎮守府で初めて会ったときみたいな目になってるな。ハイライトが完全に消滅している。駆逐艦にはまだ早かったようだ。

 

「天龍ちゃん大丈夫~?」

 

「お、ぉお...」

 

軽巡洋艦にも早かったようだ。それにしても龍田が平然とし過ぎていて逆に怖いんだが...、初体験だから耐性とかないはずなんだが。

 

「じゃあ次の施設に行くか」

 

「ま、待てよ...」

 

「なんだ、天龍?腰が抜けて動けないなら俺がおんぶしてやるぞ」

 

「バカにするんじゃねぇ!ぶん殴るぞ!」

 

「半泣きでキレられても怖くないぞ~?」

 

「て、テメェ...」

 

「休憩してる暇なんてないぞ、これはお前たちが決めたスケジュールなんだからな」

 

それに、外を歩いた方が気分転換には効果的だ。

 

次の目的地である日本科学未来館は宇宙、生命、情報社会がテーマとなっている。中でも地学に関しては俺の得意分野なので雑学をちょいちょい披露しながら楽しむことができた。普段は駆逐艦との会話はあまり無いのだが、お化け屋敷からは話す機会が増えた。もともと教えることが自分の性に合っているので、質問をされると悪い気はしない。今日くらいは敵としての振る舞いを少しは緩くしてもいいだろうということで、久し振りに雑学を披露することにしたのだ。なにせ文系でありながら地学オリンピックの代表候補だったのだ、その知識は伊達ではない。駆逐艦だけでなく他の艦娘も楽しんでくれていたようだ。

 

駆逐艦との距離が少しだけ縮まってから建物を出る。まだ予定の6時までは時間がある。どこか時間を潰す場所がないかと地図を眺めていると...

 

「あれはなんなのです?」

 

電がパレットタウン大観覧車を指差している。

 

「観覧車だな。あのカプセルの中に入れるんだ。乗ってみるか?」

 

艦娘たちがワクワクした目で観覧車を見上げる。どうやら最後の目的地は決まったようだ。

 

幾つかのグループに別れて観覧車に乗り込む。もちろん俺は一人だ。なんなら下で待っていようかとも思ったのだが、折角なので頂上からの景色を写真に残すことにしたのだ。勝利を刻むのが暁の水平線ならば、この黄昏の水平線には開戦の記憶を刻んで貰おう。艦娘の人権を賭けた長く険しい戦いの始まりだ。今日は記念すべきその第一歩なのだ、これほど素晴らしい景色は他にないだろう。記念撮影も何枚か撮ったが、この写真で今日は終いだ。鎮守府に帰ったらプリントアウトして飾るとしよう。

 

長門と合流してから食事と温泉を済ませる。一人での温泉は少し寂しかったが、ゆっくりと一日の疲れを癒すことができた。艦娘たちが眠りに落ちて静かなバスを鎮守府へと走らせてようやく提督室にたどり着いた時には既に10時を過ぎていた。

 

翌日から再開した鎮守府の運営は想像以上の成果を上げた。出撃頻度を下げたにも関わらず以前と比較してもなんら損傷のない結果をだし続けたのだ。それどころか以前までは大破は当たり前、悪ければ轟沈までしていたのだが、今では悪くて大破、時には無傷で帰還を果たすようになったのだ。今までは充分に行うことのできていなかった訓練や演習もできている。この分ならば戦力の向上は間違いない。無理を通して得た一週間の結果は想像を越えて、大いな成果を残した。これならば大本営や周辺の鎮守府にも申し分が立つ。

 

軍人の健康は戦力へと直結することが証明されたと言うに足るデータであろう。これだけのメリットがあれば上層部も艦娘の待遇を改めざるを得ないだろう。現在は長門を介して艦娘たちの意識の調査を行っている。数値的なデータを俺が、艦娘の声を長門がまとめる形で論文をまとめている。ある程度長期のデータが必要となるため今すぐ提出することはできないが、このまま成果を出し続ければ大本営の方から理由を訊ねてくるかもしれないな。

 

課業や職種も段々と定着してきている。さすがに経理などはまだまだ付け焼き刀だが、その成長は目を見張るものがある。艦娘の真剣さが顕著に現れた結果の一つだろう。艦友活動も楽しんで取り組んでくれているようで、そこそこ充実した生活を送れているようだ。取り敢えずは一段落といったところだろうか。

 

このまま上手くことが運ぶといいんだが...




昨日投稿を忘れたのみならず、今日も投稿が遅れてしまいました。全ては国公立の入試が明日に迫っているのがいけないのです!(責任転嫁)明日の人は頑張って下さい。いないかな?
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