漢体これくしょん 日東丸提督のブラ鎮建て直し物語   作:かのんベール

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天龍と同棲生活

解体予定の天龍を俺のアパートへと連れてきた訳なんだが...。

 

「テメェ...!ナニするつもりだ!」

 

いや、なにもしないよ?下心とかないから!ホントダヨ?

 

「お前は今日からここで暮らすんだ。逃げようと思っても無駄だぞ?窓には鉄格子、扉は内側からも鍵が必要だ」

 

前もって準備した監禁部屋という訳だ!

 

「勿論、艤装を展開して破壊してくれても構わん。だがそんなことをすれば即座に俺の耳に入るからなぁ。発信器で貴様の居場所など丸わかりだ」

 

「そ、そんなもんいつの間に!?」

 

勿論そんな物はない。

 

「そんなに必死に探してもお前のようなバカには見つけられん。もし見つけることができたら、そのときは満を持して逃げるといい」

 

まあ、一生掛かっても無理だろうがな。

 

「解体はいつなんだよ」

 

「お前が逃げ出そうとしたときだな」

 

「どういうことだ...」

 

「そういうことだ」

 

「テメェ、馬鹿にするのもいい加減に...!」

 

「また夜に来る。食事は冷蔵庫の物を勝手に食え。あぁ、料理とか出来ないか」

 

「ぐっ...」

 

「じゃあ昼も夜もカップ麺だな」

 

申し訳ないが今日はそれで我慢してもらおう。昔は自炊もしていたので、明日からは俺が作るしかなさそうだな...。

 

「あ、掃除機かけておいてくれると尚良い」

 

掃除を押し付けてから、俺は鎮守府へと戻った。

 

 

 

 

「遅かったな」

 

「あぁ、少し手間取った」

 

長門が出迎えてくれた。

 

「本当に解体したのだな...」

 

「当然だ。近い内に視察員が来るからな。ここで大本営の期待を裏切れば、俺も鎮守府も終わりだ」

 

敵を欺くには先ず見方からだ。

 

「そのことだが、先程連絡があった。視察員は今週の金曜日に訪問するそうだ」

 

明後日か...。それまでに殺されないようにしなければ...。

 

「提督は艤装を展開してしまっても良いのか?長門が護衛についても良いのだぞ?今なら知っているのは龍田だけだ」

 

「いや、大丈夫だ」

 

「私の方が弱いのは確かだ。しかしこれでもビッグ7の一人だ!信頼してくれて構わんのだぞ?」

 

「長門がこっち側に着くのは得策ではない。特に今回の件で対立はより一層強まるだろう。間違えても俺を守ろうなどとはするなよ?」

 

「了解した...」

 

『総員至急第一会議室に集合!』

 

第一会議室に全員が集合したタイミングで、俺も扉の前に立つ。先ずは先制攻撃で威圧感を与えることにしよう。最近舐められている節があるからな...。

 

艤装を展開してから会議室の扉をぶち抜く。周囲の壁がパラパラと崩れて砂ぼこりが舞う。その中を魔王の如き風格で入室する。インパクトは十分な様で、駆逐艦などはそうとうビビっているようだ。

 

「ぎ、艤装...」

 

「諸君らに重大な報告がある」

 

全員が俺の艤装に注視している。しかし今回のメインはこれではない。

 

「天龍を解体した」

 

「え...?」

 

どこからともなく驚きの声が漏れる。

 

「理由は言わなくても分かるな?」

 

「で、電のせいなのです?」

 

「いや、天龍の責任だ。あの馬鹿が少佐を攻撃したことが全てだ」

 

加賀が無言で此方への攻撃体制に入るが、先制攻撃で封じ込める。

 

「扉を破壊した時点で気付いて欲しかったんだがなぁ...。いいか?俺はお前ら艦娘の誰よりも強い。勿論長門や金剛よりもだ」

 

「そんなことが...」

 

「ある訳ないか?そう思うならそれで結構だ。しかし今後俺に危害を加えた者は力ずくでねじ伏せる。最悪は解体することになるからな、覚悟しておけ。今までは口だけだったが、これからは違う。天龍は見せしめの意味があるんだ、天龍の死を無駄にするなよ?」

 

「お前が解体した癖に...」

 

艦娘が今にも攻撃してきそうな雰囲気だが、僅かに残った理性がそれを寸手のところで踏み止めているようだ。

 

これ以上この場にいると殺されてしまいそうなので、俺は天龍の部屋に向かうことにした。多分天龍の私物であろう物を段ボールへと詰める。下着類は大人っぽいのが龍田、なんの面白味も感じられないのが天龍のだろうと勝手に辺りを付けて持ち去る。断じて下着泥棒などではない。

 

段ボールをトランクに詰め込むと、俺は鎮守府を後にした。今日、これ以上ここにいることはとてもじゃないが無理だ。仕事は家でやることにしよう。天龍に邪魔されないといいが...。

 

スーパーで買い物をしてから帰宅する。流石に二食連続でカップ麺は可哀想だからな。

 

「ただいまー」

 

「お、おかえり」

 

順応するのが些か早くないですかね?

 

「カップ麺は食べられたか?」

 

天龍が首を振る。

 

「なんだ?お湯も沸かせないのか...。これじゃあ介護じゃないか...」

 

「ちげーよ!ただ食欲が無かっただけだ...」

 

「まあ、夕飯は食えよ?折角食材を買って来たんだからな」

 

「テメェには聞きてーことが山ほど...」

 

「夕飯食べながらな。答えられる範囲で答えてやるよ」

 

天龍が渋々引き下がったのを確認して、台所に立つ。メニューは牛ロースのアスパラ巻き黒豆ソースかけ、チーズの豪快鍋だ。因みにレシピは『鉄人の料理 完全レシピ集』だ。独身の男性に家庭的な料理など作れる訳がないからな、こういう趣味の料理しか作れないのだ。俺だけか?いや、大体皆そんなもんだろう。

 

シラネ

 

「出来たぞー」

 

「あ、あぁ」

 

「どうしたんだ?冷めない内に早く食べろよ、もったいないだろ」

 

「いや、提督の分は...」

 

俺はもう何年も食べてないからな...。

 

「冷蔵庫を見たときから薄々とは思ってたが、まさか何も食ってねぇのか?」

 

あ、冷蔵庫の中は覗いたんだな。

 

「お金がもったいない」

 

「嘘だな」

 

「じゃあなんなんだよ」

 

「なんつーか、こう...」

 

あとちょっとで答えにたどり着けそうでたどり着けないむず痒い感じか。まあ、答えにたどり着かれても困るから、この話は終わりだな。

 

「ところで...」

 

「逃げたな...」

 

「お前の今後についてだが...」

 

天龍が箸を置いて此方を見つめる。いや、まだ一口も食べてないじゃないか。美味しいのに...。多分。

 

「鎮守府では解体したことになっている」

 

「だろうな...」

 

「明後日に視察員が訪問する。そいつが帰ったら艦娘には解体していないことを伝えるつもりだ」

 

「保身の為か?」

 

「それもある。だが、お前が鎮守府に戻る為でもある」

 

「どういうことだ」

 

「筋書きはこうだ」

 

天龍は俺が目を離した隙に逃亡。大本営に失態を隠すために解体したと伝えた。しかし、ほとぼり冷めた1ヶ月後に天龍は鎮守府近海で発見される。艦娘たちによる必死の抗議の末にお前は大本営には秘密で鎮守府に復帰する。

 

「という感じだ。どうだ、中々いい案だろう?」

 

「お前、本当はやっぱりイイ奴だろ?」

 

やっぱりってなんだよ...。

 

「違う。さっきも言ったが保身の為だ。今日1日で龍田と加賀から攻撃されたんだ。正直なところ一ヶ月でもかなりきつい」

 

「なんで艦娘にまで嘘をついたんだ?視察員さえ欺けばそれでいいんだろ?」

 

「人の口に戸は立てられん。それに、解体された後の暗く殺伐とした雰囲気も演出しなくてはならない。俺たちは演劇団じゃないからな...。流石に無理だろう。敵を欺くならば、先ずは味方からだ」

 

「一応筋は通ってるな...」

 

人の粗探ししようとするのやめてくれない?そもそもお前に知的キャラは似合わないぞ?

 

「いいから早く食え」

 

「い、いただききます」

 

どうだ!?旨いだろう!?

 

「旨い...」

 

「当たり前だ」

 

ドヤ顔ここに極まれりだ。

 

「あ、そうだ。ちゃんと一ヶ月間どうやって生き延びたかのストーリー考えとけよ?」

 

「あ?アパートに隠れてたって言えばいいだろうがよ」

 

「駄目だ」

 

「なんでだよ」

 

「兎に角駄目だ。お前は少なくとも俺に借りがあるはずだ。大人しく言うことに従え」

 

「ちっ…分かったよ」

 

居候の分際で舌打ちだとぅ!?これは仕返しが必要なようだな。

 

「天龍くん。君の荷物を持ってきてやったぞ」

 

「なんだよ、そのウザイ口調は...」

 

「しかし感心しないな。もう少し龍田を見習ったらどうだね?」

 

「あ?何をだよ?」

 

「下着」

 

「...っ!テ、テメェ!やはり死にたいようだな!」

 

ふはは!ざまぁ見ろだ!

 

「なにか必要な物があったらネットショッピングで買うように。コンビニ受け取りにしておけば、俺が受け取って来てやろう」

 

「人の話は無視か?あぁん?」

 

「なんだ?買ってやらんぞ?」

 

「人の足元見やがって...」

 

「あと荷物が足りてるか確認してくれ」

 

天龍ががさごそと段ボールの中身を確認している。下着も奥へと隠すことも忘れていない。残念だが、もう一度全て確認済みなのだよ!...断じて変態ではない。

 

「足りない...」

 

「なにが?」

 

「下着とノート...」

 

「下着?後は大人物しか無かったぞ?洗濯機か?別に一枚くらい...」

 

「オレだって一枚くらいそういうのも...!」

 

え...マジで?

 

「ニアワネー」

 

「はっ倒す!命の恩人だけどはっ倒す!」

 

あ、一応命の恩人って認識なんだな。

 

その後も風呂はどっちが先だの、トイレがどうだの、ヘッドが一つしかないだのと、まるで同棲仕立てのようなやり取りをしていたので、結局仕事は全く進まなかった。

 

明日から頑張ろう。こう、色々と......。

 

 




むはー(*゚∀゚)=3
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