漢体これくしょん 日東丸提督のブラ鎮建て直し物語 作:かのんベール
提督参上
横浜横須賀道路を葉山方面へと向かって車を走らせる。
「いやぁ評判どおりで旨かったな、提督」
「ん?うん、そうだな」
「なんだ?あまり満足そうではないな」
そう、二年ぶりの食事。美味しくない筈がなかった。だが、事前に渡された横須賀の艦娘のデータが頭をよぎるのだ。俺がこうして食事を楽しんでいるときも彼女たちは横須賀で苦しんでいるのではないか、と。結局二年ぶりの食事は味がよく分からなくなってしまった。
「次の角を左折だ」
長門の指示通りに交差点を左折する。
「見えたぞ、提督!」
左を見ると懐かしい横須賀鎮守府が見えた。
「いやぁ、懐かしいな!当時はビッグ7であるこの長門がお荷物となってしまってすまなかった」
「いや、長門が謝ることは何一つない。それに、戦艦としての役目を果たしたくとも果たせなかった長門の無念は分かっているつもりだ」
本来は漁船である筈の俺が黒潮部隊として出撃し続けていた。その時にいつまでも出撃出来ずに横たわる長門には同類としての哀れみを感じていたからな。
「さて、まずは荷物を運び入れてしまおうか」
「長門に任せろ!」
「なんだ...これは」
「出迎えがないと思ったら、提督の部屋までボロボロとは!ここの艦娘はなにを考えているのだ!」
「そう、怒るな。取り敢えず宿舎を確認しに行こう。これは想像以上に不味い事態かも知れないな」
「あ、あぁ...」
先ずは駆逐艦の部屋だな
「新しくここに着任した提督だ!入るぞ!」
中に入ると、なんとも形容し難い雰囲気が漂っていた。なんか粘っこい空気が漂っている気がする。それに臭い。なによりも不快なのは艦娘の俺を見る視線だ。明らかに怯えている。それに生気がない。目が死んでるというか...。レイプ目ってああいうのを言うんだな...。
「...っ!失礼した。また来る」
とてもじゃないが堪えられなかった。
隣は潜水艦か...。また同じ光景が広がるだけかもしれないが諦めずに中に入る。
「オリョクルは嫌でち...オリョクルは嫌でち...」
そっ閉じとはこういうのをry
「一度提督室に戻るぞ」
「うむ...」
あぁ、駆逐艦ラブな長門にはショックがでかすぎたかもそれないな...。
「さて、長門はアレを見てどう思った」
「うむ、あれでは生きながらにして死んでいるのと何ら変わりがない。前任の提督は一体なにをやったんだ...!」
「そうだな。アレでは使い物にならん。ただのクズだ」
「...っ!いくら提督でもその発言はいかがなものかと思うぞ!」
「事実だろう」
「それはそうだが...。もう少し言い方というものが…」
「長門。集団を団結させるものはなんだと思う?」
「有能な指導者とかか?」
「間違いではない。だがこの状況ではベストな答えとは言えないな。正解は共通の敵の存在だ」
「っ!?まさか...提督!」
まぁ、俺ガイルとか進撃の受け売りなんですけどね
「そうだ。この状況から俺が信頼を得ることはほぼ不可能だ。できたとしても時間が掛かりすぎる。信頼を得る前にこの鎮守府は朽ちる。そうなれば国防は即座に崩れ落ちるだろう」
「だがっ...!」
「これは提督としての決定だ」
「分かりました...」
「で、共通の敵といっても、前任のように絶対に逆らえない敵であってはならない。そこで長門には俺と対立する形で艦娘を統率してもらいたい。勿論、任務の内容などの鎮守府の仕事は俺が指示する。長門にはその命令を伝え、直接の指揮を行ってもらう」
「うむ、艦娘の指揮は任せておけ」
「これから俺は大本営と連絡をとる。とてもではないがこのままでは任務の遂行は不可能だ。鎮守府建て直しのために一週間ほど機能の停止を申請ておく。長門は艦娘達を食堂にでも集めておいてくれ」
月月火水木金金