────────人間とは何だろう。
思春期の少年少女にありがちな、それでいて未だに解明されていない悩み。
何のために人間は居るのか。
どうやって人間は生まれたのか。
その起源。
時に人は神が生み出したと言う。
時に人は猿から進化したと言う。
時に人は宇宙人が遺伝子操作したと言う。
結局のところ、分からない。
解らない、判らない。
理解することも、解を獲ることも、判明させることもできない。
それは、ヒトという存在が生まれた現場に居た人間が存在していない。
語り継がれているわけでもない。
ならなぜ?
永遠とこのループを回ってしまう。
馬鹿だ。全く持って馬鹿すぎる。
このような存在を生み出すために世界を構築したわけではない。
世界を想像し創造した訳ではない。
これは、神も天使も、堕天使も悪魔も同じだ。
ただ、例外が存在する。
二天龍、そして龍王たち。
彼らドラゴンはこの世の理をもっとも体現している。
妾はこのようなそんざいを待ちわびていた。
そんな矢先に、一人の人間を見つけた。
今まで、それこそ宇宙を想像したこの9000000000年間このような気持ちになる人間は見たことがない。
惚れてしまったのだ、この妾が。
世界の創造主たるこの妾が。
「イッセー?起きなさーい!遅刻するわよー?」
7時半。
昨晩イッセーこと、兵藤一誠は夜遅くまでコレクションの観察を行っていた。
そのためか、今朝は少し起床時間が遅れた。
しかしこの程度では困らない。
「まだ大丈夫だよ。ギリギリ間に合うから」
「それでも、早く支度するに越したことはないでしょう?」
「わかったよ」
僕の名前は兵藤一誠。
どこにでもいるような健全な高校二年生。
もちろん男。
先にも言ったように、健全な高校生だけど、
普段の学校生活では弁えてる。
なにせ通ってる学校は、
『私立駒王学園』
共学だけど、数年前まで女子校だったため、女子の数か圧倒的に多い。
そのため、男子の立場というのは危ない。
そんな中性欲爆発、所謂
ユニヴァァァァァァァァァァァァァァス!!!!!
してしまうと、一瞬で立場なんて物はなくなり、
女子に嫌われながら過ごさなきゃならなくなる。
そんなのはごめんだ。
そして、そういうことができないのは環境だけじゃなく容姿も関係してる。
「おはよう、イッセー。今日もかわいい!」
「やめてよ母さん!僕もう高校生なんだよ!?」
そう、僕は身長148cmの体重が37kg。
顔は丸くて力もなくて、小学生に間違われたりする。
それならまだしも、一年の始めにやった自己紹介では女の子と勘違いされた。
そのせいで、僕の周りには女の子がいっぱいいる。
だから、僕は日々悶々とした生活を送っている。
性活の方はだめだめだけどね…。
「お父さんは毎朝悩んでいるよ…、なんでこんなに一誠は可愛いのに女の子に生まれなかったのかと!!」
「やめてよ父さんまで!もう学校行くから!行ってきます!」
「「………」」
「行ってきます!!」
「「………」」
「…行ってきます」
「「………」」
「…行っ、てき…ます…」
「「………」」
「ふぇ、ヒグッ…グスッ…」
「ごめんごめん一誠!お願いだから!謝るから泣かないでおくれ!」
「ごめんなさい、イッセー!ほら、笑って!」
「…行ってき、ます…」
「「あぁ、いってらっしゃい!変な人について行っちゃだめだぞ!」」
家を出て、いつもの通学路を歩いている。
私立でありながらここら辺から通う生徒が多いのは気のせいだろうか。
そんなことを考えながら学校に間に合うスピードで歩く一誠。
すると後ろから元気な声とダッシュしてる音が聞こえた。
「イッセー君おっはよー!今日も可愛いね!!」
「あはは、おはようかなちゃん」
かなちゃんこと、大山奏。
駒王学園に入って一番最初に僕に話しかけてきた子だ。
そして、僕のことを女の子だと勘違いした子でもある。
「僕は男の子なんだからそんなこと言われても嬉しくないよ」
「おやおや?反抗期かな?お姉ちゃん悲しいなー」
「いつお姉ちゃんになったの!?」
「んー?さっきかなー、アハハハ!」
とっても元気な子だけど、
元気すぎるのが玉に瑕。
もう少し大人しくしてればもっとモテると思うんだけどなー。
本人曰く、
『私にはイッセー君がいれば、他はいらない!』
だそうだ。
そういうこと言われると勘違いしちゃうのに。
僕だって男の子なんだよ?
「それより、急がなくていいのかなー?」
「え?あっ!もう予鈴なっちゃう!!」
「走れ走れー!ニャハハハハハハハハハハ!」
早すぎるよー…。
もう20mも離れてる…。
急がないと!
「あれが兵藤一誠。今回の赤龍帝は随分と女々しい奴だな」
「どうする?早めに確保しないと悪魔側に渡ってしまうかもしれないぞ?」
「よく考えろ。こちらには白龍皇がいる。悪魔側に落ちたらめんどくさいが此方にはいるよりは奴らにも好都合だろう」
「だが、アザゼル」
「まぁ落ち着け、シェムハザ。気のせいならいいんだがなにか強大な、それこそ俺たち堕天使に天使に悪魔。それはおろか、他の神話の存在よりもデケェ力の持ち主があいつを見ている、そんな気がしてならないんだ」
「まさか、そんなのがこの世にいるわけが」
「いるんだよ、一人…いや、一体と言った方が正しいか」
「誰なんだ?」
「…まだ、予想の段階だ。それだけは覚えておいてくれ。……創造主マキア・クラベラス」
「なに!?だとしたら拙いんじゃないのか!?」
「まだどうにも言えないのが現状だな」
「もし本当だった場合は…」
「あぁ、恐らく世界が変わるな。とりあえず本部に戻るぞ」
やはり、妾の考えた筋書きとは異なる動きをしている。
面白い、兵藤一誠。
必ず逢いに行くぞ。