なんだかんだで、授業も全て終わり放課後になった。
今は旧校舎に向かってる途中だ。
すると旧校舎の、それもオカルト研究部の部屋から炎を連想しそうになる赤が光った。
急いで部室に向かう。
《ありゃあ、フェニックスか?……》
「え?それって、リアス先輩の?」
《あぁ…、多分な……》
それを聞き、より一層疾く走る一誠。
そして部室のドアの前に立つと中から話し声が聴こえてきた。
『ライザー様、私にそちらの趣味はございませんので申し訳有りません』
『そ、そうか……。くっ、何故だ………』
趣味、…変な趣味でもしてるのだろうか……?
《それより、入らないのか?……》
「うぅ、入るよ…」
いやな予感がバンバンしているなか、
意を決して部室へ入る一誠、その先で見たものは………、
「遅れて申し訳ありません、お話中の様でしたが……ッ?!」
「ハァハァ、君可愛いね!どう?"私"の眷属にならない!??」
「ひっ!」
「怖がらなくていいよー!怖くないよー!怖いものはおねーさんが殺してあげるからねー!」
「あの…誰、ですか……?」
「ん…ハッ!………、失礼。"俺"の眷属にならないか?」
「ライザー様、もう遅いです。そしてライザー様の眷属は全て埋まっております」
「な!?……………そう、か。いや別に?それなら仕方ないし?そもそもこんな子どうでもいいし?」
「ライザー様、涙をお拭きください」
「あれ?目から味噌汁が……」
ライザーと呼ばれている人物。
リアス先輩のフィアンセ……。
それはそれはとても美しい、俗に『美形』と呼ばれる整った顔をした──────
ショートヘアーの綺麗な"女性"がいた。
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「それで、どうして純血悪魔同士で子孫繁栄しようと言う話の流れで女性同士の結婚なんて………」
「ライザー様が女性であることをフェニックス家の一部、眷属悪魔と許嫁であるリアス様、ご友人であられるソーナ様以外は存じておりません」
「え、それってつまり他の悪魔達は知らないで結婚させようとしてるんですか?」
「"俺"としては問題ないんだがな、リアスが拒否するんだ……」
「当たり前でしょう?私は普通に男性と結婚したいの」
「リアスぅ…」
「それに、ライザーのことは'友達'としてしか見れないわ」
「ぐふ、なら友達同士の裸付き合いと行こうじゃな…グフォッ!」
「ふむ、つまり四大魔王を相手取って騙していたということか……」
「お兄様!?」
「あっ、サーゼク……じゃなくて、お兄ちゃん!」
「「「お兄ちゃん?」」」
お兄ちゃん。
何故、サーゼクスのことをそう呼んだか。
前回会ったときはルシフェルが表に出ていて、
とても申し訳ないことをしてしまった。
そのため、なにか償わせて欲しい、と頼んだところ、これからは僕のことを『お兄ちゃん』と呼んでくれ、と言われた。
だからそう呼んだのだが、サーゼクスは後ろに立っていたグレイフィアとリアスに
「いててて、それよりだ」
切り替えと言うのか、復活と言うのか。
どちらにしろ、早過ぎる。
これが魔王の力(?)なのか……。
冗談はさておき、実際問題どうなるのだろうか。
フェニックス家にとって良い方向には進まないだろう。
「そのことに関して
「あなたも、向こうでお話がありますのでご承知を……」
………………何だったんだ?
突然来て、突然帰ったぞ?
て言うか、ルシフェル?
《あぁ?なんかようか?……》
なんかようか、って…、なんで黙ってたの?
《喋る気にならなかったから……》
子供かよ……。
「…セー?イッセー?」
「ひあっ!?!?」
「驚きすぎよ…それで、どういうことかしら?」
「どういうことって?」
「お兄様のことよ」
誤解を生まないように正直に説明することにした一誠。
一通り説明し終えた一誠、すると木場が、
「イッセーくん、僕のことはだーりん、って呼んでくれないかな?」
「やだ」
「おうふっ!」
「あ、そうだ」
一誠には一つ気になることがあった。
それは、連れてかれたライザーの所存だ。
たしかに、目上の人間を騙したことは大変なことではある。
ただ、リアス先輩に結婚する人を決める権利があるのと同じ様に彼女にもそれがあるはずだ。
彼女自身が本当に女性が好きなのかは彼女しか知らない。
それを無理矢理に決める悪魔のやり方に納得のいかない一誠。
「ライザーさんって、この後どうなっちゃうんですか?」
「………、階級を重要視する悪魔にとって、格下相手に騙されるというのはかなりの屈辱よ。……そうね、どこぞの貴族と結婚させられるんじゃないかしら?」
「…………先輩はそれでいいんですか?」
「一言で言うなら、いやに決まってるわ。あれでも私の友達なんですもの」
「けど、私たちに出来ること何てありませんわ」
「僕たち眷属悪魔はおろか、部長ですら貴族にはどうにもできないしね」
「…それが悪魔」
同性との結婚を強いられたあげく、
次は誰ともわからない貴族と結婚させられる。
階級を重要視?格下?
そんなくだらない話はない。
こんな胸くそ悪い話はない。
その時、一誠の胸の内にとある感情が生み出された。
『憤怒』
それは、一誠が生きてきて初めての感覚。
なにかを破壊せずにはいられない。
「………………………………」
「?……何かいったかしら、イッセー?」
「何でもねぇよ……」
一誠の口調が変わる。
それを、敏感に感じとったリアスがどうしたのか聞こうとすると突如眩い、"紅い"光が目に入った。
「すこし、いいかい?」
「お兄様?どうしたの?」
「ライザー・フェニックスについてだが、明日の夜にリアスとの婚約パーティーを開くことになった」
「!?……どういうこと!?」
「話は最後まで聞くんだ。…そこで、君たちに一芝居うってもらいたい」
「……………………?」
サーゼクスの言った一芝居とは、明日の夜行われる婚約パーティーの会場にて、ライザーと一誠の一騎打ちを行う、ということだった。
なぜ、一誠なのか。
それは、グレモリーの跡継ぎの側には彼のルシフェルもいる、ということを知らしめるためだそうだ。
そこで、一誠の中に芽生えていた『憤怒』が一気に爆発した。
「………いいぜ、やってやるよ。けど、自分のやりたいようにやらせてもらう」
「あぁ、頼んだよ」
今まで生きていた中でも一番と言っていいほどに、一誠は落ち着いていた。
潰してやると。
全て、潰してやろうじゃないか、
おまえ達の考えたもの全てを踏み潰してやる。
明日に体育大会を控えております故、明日明後日と更新する時間がございません。
ですので、今日はもう一話更新しようと思っております。
というわけで、感想で「ルシフェルの声、子安にしちゃダメだろ」と言われてましたが!
この物語のライザーは、女です!!
なので、子安先生でもなんくるないさー!
ではでは、次の話では戦闘シーンに挑戦!