「本日は私、ライザー・フェニックスとリアス・グレモリーの婚約パーティーへお越しいただき、誠にありがとうございます」
作戦が決行される瞬間が着実に近づいている。
一誠以外の、リアス・グレモリーの眷属達はパーティーの参加者として、一誠はパーティーへ乱入した後、リアスを連れ出して婚約の話を有耶無耶にしようということだった。
そろそろだ。
「それでは、リアスの方からも挨拶を─────」
バンッ、と音を立て開いた扉。
そこにいる、兵藤一誠。
突然の乱入者に会場はざわめきに埋め尽くされた。
「ちょっと、待った」
「…………なんだ、ただの子供じゃないか」
「だが、どこかで見たことが……」
「おやおや…君は、ルシフェルではないか、赤龍帝と言っても間違いではないな」
すると、会場が一瞬で静寂に包まれた。
ルシフェル、赤龍帝。
その二つの名を冠する人物。
何が起きているのかわからない。
少年ではないか、なぜこの子が?
「リアス・グレモリーに監視されてる身として、行動に制限の付く婚約なんて自分の行動を制限されるのと同じだ。そんなもん、
「おいおい、はいそうですか、となるとでも思ってるのか?」
「そんなわけないだろう?」
再びざわめく会場。
なぜ、この存在が?
グレモリー家は、いったい何なのだ?
誰もが疑問に思うことだ。
監視される対象が、監視する存在を助ける、異常だ。
「ならば、こんなのはどうだ?君とライザー・フェニックス、2人の一騎打ち」
「お待ちください、サーゼクス・ルシファー様」
「まあまあ、いいじゃないか。一種のセレモニーだよ」
「………………わかりました」
「それでいいかな?」
「あぁ、但し自分が勝った場合はリアス先輩の婚約は無しにしろ」
「勝てば、その条件に乗ってやる」
「それでは、移動してもらおう」
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「まさか、君と戦うことになるとはね…」
「…………………………」
「では、始めたまえ」
「行かせてもらうぞ!」
背に炎の翼を生やし突進してくるライザー。一誠はその突進をかわし、『
「Boost!」
そして、攻撃をかわされたライザーは炎を身体から迸らせ放つ。そして、それも当たり前のようにかわす一誠、倍化の途中なため一撃も攻撃に当たるわけにはいかない。
「Boost!!」
ライザーは宙に浮いている。全身から溢れる炎を一誠の元へ放つ。その全てをかわしきる一誠。ライザーが圧倒しているように見えるが、実際にはライザーは焦っている。一撃も攻撃が当たらない。それは上級悪魔であるライザーにとってはとても悔しいことだ。
「Boost!!!」
「とりあえずはこれぐらいでいいだろ」
「Explosion!!」
反撃を開始する一誠。三度の倍加を行っているが、そもそもの土台がルシフェルである。三倍もすると、常識では考えられないほどの力を有している。
「行くぜ?」
「さぁ、来い!兵藤一せ……………」
一瞬、一瞬だ。
何も見えなかった。
恐らく魔王の眷属も、『
呆気ない、呆気なさすぎる。
「一瞬、何が起きたのかもわからない、か。しかし、彼が負けた以上今回の話は無かったことにするしかないようだ」
「…………ならば、黙ってる必要もないでしょう」
「会場にいらっしゃる皆様にお話しせねばならないことがあります。リアス・グレモリーとの婚約という話ですが、そもそもライザーは息子ではなく、娘。詰まるところ、そもそも結婚など出来なかったのです」
会場に広がるどよめき。
罵声の飛び交う会場内に一つの声が響いた。
「ならば、私のとこの息子と結婚させましょう」
さらに広がるどよめきをものともせず話し続ける初老の男。
「そうすれば、純血悪魔同士ということになるでしょう?」
「……えぇ、それでは──────」
ドオオオォォォォン!!!!!!!!
会場に響く爆発音、その爆発の中心にいる人物は、
「どういうつもりだい?兵藤一誠くん!!」
「どういうもなにも、その話を"
「………………君は誰だ?一体なんだ、そのドス黒い翼は!!!!」
「復讐の使徒、"堕天使、ルシフェル"だが?」
「堕天使だと!?」
「だが、ルシフェルとも!!」
「一体どういうことだ!?」
「テメェらのくだらねぇ秩序とかは、どうでもいいんだよ。ただ、勝手な都合で他人の人生変えんじゃねぇよ!!」
それが何か、そんなものは単純明快。『怒り』だ。ただの怒りではなく『憤怒』だ。彼が"
「君は悪魔と戦争でも起こすつもりかい!?」
「出来なくもないからね?君らが望むなら構わないよ?」
「くっ……、何が目的だ?」
「ライザー・フェニックス、及びその眷属を自分の所有物にさせてもらおうか?」
すると、炎が飛んできた。莫大な炎の塊が、一誠に向かって。しかし、一誠は軽く手を添えるだけでその炎の塊を消してしまった。
「私の娘だ、貴様にくれる理由など無い」
「勝手に縁談を始めておいてよく言うね?」
そう言い、床に一蹴り。たった一蹴りで陥没してしまった、それも10m以上も。
「それぐらいの価値しかないというなら自分がもらうよ?」
「それは……!!」
「話が進まないね?今ここで君を殺しても構わないんだよ?」
「!!…………分かった。但し、幸せにしてやってくれ」
「うん、勿論だよ?」
一誠の背に生える翼が虹色に戻っていく。心臓を掴むような
新たな力、堕天使化、『憤怒』。
やはり、特異な存在だ。
「何が、起きたんだ?」
「あら?大丈夫そうね…」
「リアス、か。一体何が?」
「貴女と私の婚約、そして別の悪魔と貴女の縁談。そして、貴女を縛る規則を潰したのよ、兵藤一誠くんが、ね」
「それ、はどういう意味、なんだ?」
「君はもう自由ってことだよ」
「邪魔者は退散しようかしら?」
「いえ、リアス先輩も居てください」
「そう、なら居るわ」
「ライザーさん、貴女と貴女の眷属はもう僕の物です。なので、僕の言うことは絶対ですよ?」
「あ、あぁ…」
「ライザー・フェニックスさん、自分の生きたいように生きてください。ちゃんとした、恋愛をしてみてください。好きなように過ごしてください」
ライザーの目から一筋の光が落ちた。思えば生まれてこの方、男として生きていくように言われ、自由など無かった。けど、この少年は自分に自由をくれた。彼を見ていると心の奥が暖かくなるのがわかる。これは、リアスを見るときや妹のレイヴェルを見るときとも違う。経験したことのない暖かさ。
──────ライザーは、自由をくれた少年に、兵藤一誠に恋をした。初恋、少年の言う『ちゃんとした恋愛』。
「うん、うん。……頼みたいことが…………ううん、違うね…。お願いがあるの、イッセーくん………」
そして、彼女は少年に告げる。
自分の想いを、心の内にある気持ちを。
「私、ライザー・フェニックスを、兵藤一誠くんの、貴方のお嫁さんにしてください」
どうでしたか?
一誠はとことんハーレムにしようかと思ったのですが、流石に自重した方がいいですね。
一旦これで、この章は終了ですが、告白への返事をしなきゃいけないので、終わりません。
あとできれば、感想をいただきたいです。
細かいミスは全然気付かないことが多いので指摘していただきたいです。
では、次回もよろしくお願いします!