暗号文、問題にミスがありました。
次の文章を読んで問いに答えなさい。
なお、設問においては中学及び高校レベルの出題がメインだが、本文は中学レベルで構成されている。
「いきなりですが、明日に五教科のテストをします。皆さんは既に全課程修了していますので、勿論満点も狙えます。ですが、IQ系の問題も用意してあります。そう簡単に点数を取らせませんよ。ヌルフフフフ…。」
「なんでやんきゃなんねえんだよ。」
寺坂を筆頭に反対の声が多かったが、なかにはやってやろうじゃないかという顔をした者もいた。僕はどちらかと言えば後者に当てはまるだろう。
「赤羽くん、今度は9割すら取らせませんよ。いつもどおり、殺す気で臨んでください。」
「分かってるよ。先生がそれほど自信があるなら皆で打ち砕くまでだよ。」
それは楽しみだという表情を見せながらもう一つ話を続ける。
「今日は六時間全て君達に任せます。質問があるなら今のうちに聞いてください。当日慌てるようなことが無いようにしてくださいね。」
「うまいこと脅すなあ。」
「じゃ、ありがたく使わさせてもらいますかね。」
全員で(a)チシキの確認をするという一風変わった一日が始まった。
「そういや渚は今、何に不安があるの。」
そう尋ねてきたのは茅野だった。
「社会理科かな。チシキ問題がどうも苦手になりつつあって。」
「じゃあ、私と同じだね。」
「歴史の(1)文化とかってややこしいからね。様々な(2)人物の活躍が有るからね。」
カルマはそう言いながらノートパソコンを机の上に置いた。
「一応数列とか見てるだけだから。」
(3)どうやら学力は大丈夫と踏んでいるようだ。確かに校内トップなんだから、当然のことだったかもしれない。
「多分、今皆同じ範囲で分からないことを聞いているだろうし、案外基礎しかなかったりしてね。」
「多分そんなことはないよ。」
「じゃあ、室町幕府の滅亡は何世紀。」
「(4)16世紀。」
だったら、いけるでしょ。そんな意味の笑顔をされた。それでも不安は重かった。
放課後、僕はカルマに呼び止められた。話を聞くともう少し待っていてほしいとのことだった。理由は聞かず、そのまま壁にもたれながら待っていたが、カルマは何かしようとしない。なのにずっとこっちを見てくる。
「どうしたの。」
思わず口から出た声は自分でも怖いくらいに暗かった。実際、慣れない環境だったから疲れやストレスがあったのだろう。
「(A)聞く。明日、本当に試験があると思うか。」
「本気だよ、あの言葉は。」
「それと、今日の方針もおかしいと思わなかったか。」
「いきなり不慣れなことをしてきたな、とは思ったよ。けど、何かしらの(b)コンキョはあるだろうね。」
「間違いなく(5)イレギュラーな問題が出されるね。何かしら試験中に連絡出来たらいいのにな。」
そこに関しては諦めた表情をしていた。
「それでは、準備はいいな。」
黒板の前には試験官の烏間先生とイリーナ先生が立っていた。
「時間は30分。」
時間の割には問題用紙が少ないように見えた。
「気をつけなさいよ。」
「では、始め。」
表紙をめくると、放課後のカルマの発言が突如、よみがえってきた。鼓動が早くなるのを感じた。だがそこに書かれていたのは驚きの内容だった。
この問題はクラスメイト全員で解いてください。声を出しても(c)カマいません。回答は渚君の引き出しの中のホワイトボードで黒で書いてください。
皆が驚くなか、僕とカルマは落ち着いていた。昨日の言葉のなかに「もしかすると、全員を嵌めに来るのかもしれないから、僕ら二人は常に客観的にいよう」というものがあった。
「渚、本当にホワイトボードがあるのか。」
中を覗くとそのとおりにホワイトボードと黒と赤のマーカーがあった。
「問題を見よう。話はそれからだ。」
カルマがメインで進行させていく。
「『問1 169.196.225は〔〕である。』だとよ。」
「まさか皆違うのか。」
そう言ったのは磯貝だった。他の面々も自分の問題用紙をもう一度確認する。これも僕は予感していた。
「でもこれは二乗だよね。ボードはどうなってるの。」
片岡の質問からよく見てみると裏にもホワイトボードがくっついていた。そこに解答欄と、そこに沢山のマークが示されていた。
「このパターンは文字を当てはめて、共通の部分か何かで最後の問題が出るやつだな。」
「不破さんの言うとおりではあるけど、それにしては明らかに時間不相応だ。さらに複雑なパズルがあるはずだ。」
「菅谷の言うとおりだ。それに怪しい箱も見っけちゃったし。」
とりあえず解答欄は4マスだったから平仮名で『にじょう』と書いた。
次は矢田の二問目だ。
問2 What does it mean?
How about you? I'm hungry.(6) I want to
eat something. After that, I have to write the
letter. Is there something you want me to do?
Please write letters with the same content.
My letter is on the desk.What do you
explain with it?
「とんでもなく奇妙な文章だわ。」
「うん。中村さんの言うとおり、意味は分かるけどこんな変なところで段を変えないし…そもそも何を聞かれているかちゃんと整理しよう。」
「でも、『これはどういう意味か』ってことでしょ。」
その和訳で僕は奇妙な箇所を発見した。ちらっとカルマを見ると笑顔でこっちを見返された。どうやら今回は僕のターンなのかもしれない。
「よく見て。eatの位置が変じゃないかな。」
「あ、何か分かった気がするわ。」
そう言ったのは原だった。
「各一列の文章で最も長いところのeatをひとつ前の段に書いたほうがすっきりするわね。」
「つまり、わざわざここに置いてるんだ。」
茅野が閃いた。
「文頭かあ。ヘルプミーだったのか。」
それを聞いて面々が、ああと(d)ナットクする。解答欄には5マス空いていた。ぴったり収まった文字列を見るとやる気があがる。それとあと二問ありそうだ。
「私のが三問目だったよ。」
神崎がそう言って差し出した。
問3 場所を答えなさい。
よていよりはやかった。こていしたきぐはだいじょうぶだ。
はてしなくながいとしんじたまてのしじは。手前
「今度も暗号系だな。」
「場所というなら限られてくるけれど。」
「手前って何かしら。」
本当に自分は渚なのか疑った。問題は三問目だが、悩むことがなかった。まるで神がかったような、普段と違う感覚だった。
「ちゃんと手前にあるよ。」
「どういうこと。」
「(この文章は問3の解説となるので省略している)」
「ということは、『よこはま』かな。」
と、岡野の答案は正解を導いた。
「一応、最後の問題かな。」
最後はカルマの問題冊子に著されていた。
問4
この博物館のなかで最も遠いところから来たものはなにか。
「はあ。」
とカルマは不満そうな声を出した。
「渚、頑張れよ。」
「これは隕石でしょう。」
「そのとおり。」
なんで、と杉野が真っ先に言う。
「(7)地球の外から来て、かつ残るものは隕石しかないだろう。」
「じゃ、いかにも開けてほしそうな箱を調べますか。」
そして戸惑いなく箱へ向かって行った。
「じゃ、お持ち帰りしますか。」
と箱を持ち上げたその瞬間、カルマの周りに鉄の柵が出てきた。
「四桁の番号で開くみたいだ。で、記号の間に『・』が入っている。」
そのマークは解答欄にもあった。対応しているのは最初の「に」がスペード、ヘルプミーの「み」がクラブ、よこはまの「よ」がダイヤ、ハートはいんせきの「い」だった。
「まずは式の意味だな。」
ここで奥田が言う。
「あの、数字も記号も数が(B)していますから、キーワードを何かしらの数字にできれば…」
「…みたいだね。」
だがそこから何も議論が進まなくなってしまった。数字をどうやって作るのかが誰も分からなかった。だから僕はここで変わったことと状況の(C)をすることにした。出題された問題はおそらく正解しているだろう。出てきたのは、に・み・よ・い。あっ、そうか。
「カルマ。2431だ。数え方の頭文字だとしたら成立する。」
しかしカルマは首を横に振った。
「とっくに試してるし、またやってみたけどだめだった。」
「なら、画数は。」
「(8)違った。」
なら何がある。僕は教室を隅々まで見渡した。カレンダーや掃除の当番表、ロッカー。あるいは自分の引き出しも。しかし何も入っていない。時計は残り5分を告げていた。本当に何もないのかと思ってもう一度カレンダーを見た。曜日が上に、その下には日付が書かれてある。マス目で、曜日。マス…。見つけた、これだ。あとはどうやって数字を作るかだ。
過去の問題をもう一度考えてみよう。169・196・225と英文の段の頭文字。手前の文字、遠くから来たもの。英文は、助けて、だった。たすけて。
はっとした。これしかない。
「2457」
僕の中で全てが(e)カンケツした。あいうえお表の配置を置き換えればそれしかなかった。
「あ、開いた。」
どうやら的中したらしい。
「中はどうなってるの。」
「何にもない。」
皆が騒然としていると先生がすっと入ってきていた。
「クリアタイムは28分ですか。もう少しでしたね。」
「そうだな。結構な難問だったはずだが、彼らはここまでやれるとは。」
「だからガキをガキ扱いしないほうが絶対いいって言ったじゃない。」
どうやら三人のサプライズの一連だったらしいが、他の皆はそのことに気が付いてなかったようだが、イリーナ先生と目が合って、(9)僕は微笑みながら両手をあげた。いい体験になったが、ここまでハイレベルだと思ってなかった。
「どうやらギリギリだったみたいね。」
「可能性がこうやって見れて先生は嬉しいのですよ。」
先生は満足した表情をしていた。
「続編も考えますか。烏間先生、イリーナ先生、今度は浅野理事長にもオファーしてみましょうか。」
aからeに同じ漢字を含むものを選べ。
(a)チシキ
1 シュウチ心
2 秘密キチ
3 カチのない物
4 チエの輪
5 太閤ケンチ
(b)コンキョ
1 コンザツしている。
2 ネホリハホリ聞く。
3 コンダテ表をつくる。
4 素晴らしいネイロ
5 サッコンのニュース
(c)カマう
1 カイコウを調査する。
2 シコウが停止する。
3 名所をカンコウする。
4 ロンドンへキコウする。
5 物体のコウセイ
(d)ナットク
1 ナツイン済み
2 ナヤを整理する
3 一瞬とセツナは同じ意味
4 キトクの状態
5 トクベツ扱い
(e)カンケツ
1 ケツロは温度差による
2 カンタンな問題
3 ケッカンを通る物質
4 ケツジョウ者が出る。
5 ハッカン作用
AからCに入れるのに最適なものを選べ。
(A)
1 一部始終を 2 単刀直入に
3 臨機応変に 4 須らく
5 悲しいくらいに
(B)
1 一致 2 包含
3 マッチ 4 便乗
5 成功
(C)
1 判断 2 簡略化
3 可視化4 整理
5 抹消
(1)に関連して、次の文章の正誤判定をしろ。
A マルコポーロは仏国記をつくった。
B 大鏡は主に藤原氏について書かれている。
1 AB正 2 A正B誤
3 A誤B正 4 AB誤
(2)に関連して、正しいものを選べ。
1 土佐日記は紀貫之がつくった。
2 玉勝馬は上田秋成がつくった。
3 アイスキュロスが地理誌をつくった。
4 最初のローマ法はリキニウス・セクスティウス法である。
(3)「どうやら学力は大丈夫と踏んでいるようだ」とあるが、どういうことか。最適なものを選べ。
1 単純に五教科の問題を解くだけでも大変だが、先生のIQ問題ならできるということ。
2 五教科については余裕があるが、さらに細かく追求することで完璧へ近づこうとしているということ。
3 五教科については余裕があるのでIQの問題に対応できるようにしようとしているということ。
4 難度の高い問題の出題に怖気づいてしまっているということ。
(4)に起こった出来事として正しいのはどれか。
1 エカチェリーナ2世即位
2 コンスタンツ公会議
3 長篠の戦い
4 出島の築造
(5)「イレギュラーな」のここでの意味として正しいのはどれか。
1 空想の 2 真実の
3 絶望的な 4 想定外の
(6)に入るものはどれか。
1 In fact
2 That's why
3 Now that
4 Because of
(7)に関連して、次の文章のうち誤りがあるのはどれか。
1 太陽系の惑星は地球型惑星と木星型惑星に分けられる。
2 地球の大気組成の割合一位は窒素である。
3 人類が生活できる宇宙の場所をハビタブルゾーンと呼ぶ。
4 木星にリングはない。
(8)に関連して、誤りがあるのはどれか。
1 マルピーギ小体があるのは肝臓である。
2 ベルベル人はムラービト朝を成立させた。
3 滋賀にも都がおかれたことがある。
4 一次方程式と二次方程式の共通解はその式が示す直線と放物線の接点と同じである。
(9)「僕は微笑みながら両手をあげた」とあるが、この説明として適切なものを選べ。
1 最後の難問を唯一解くことが出来て嬉しい気持ちがあるが、これ以上難しいと答えを見つけられなさそうだと振り返って降参を示している。
2 皆と問題を解くということは初めてで楽しかったが、非協力的だったのでもうやりたくないと示すサインがこの動作である。
3 綿密にカルマと作戦を練った結果、問題を解き切ったが、全てカルマが答えを密告していたので尊敬するしかないという心境を示している。
4 出題難易度が高すぎて皆に説明するのが面倒なので、出来れば参加したくないという意思を示している。
問1を解く。文章に当てはまるものを選べ。
169を素因数分解すると(A)の二乗に、(B)は14の二乗になる。
1 A13 B186 2 A13 B196
3 A12 B186 4 A12 B196
問3を解く。空欄に当てはまるものはどれか。
ヒントは勿論手前である。これをより分かりやすくすると「」とすることができ、本文では「よこはま」がその箇所に当てはまる。
1 てま、絵 2 て、前
3 手間、え 4 te、前
2457をどうやって求めたかを調べる。空欄に入るものを選べ。
表に基づいて文字がどこにあるかを確認し、あいうえおを12345、あかさたな…を12345…と置く。すると「に」は5の2と表せる。同様に「み」「よ」「い」は(X)と表せられる。これらが・という記号を挟んでいた。掛算は「・」でも表せられるので(Y)だと考えると、それぞれの記号が示す数字を引くと「い」が(Z)になるので足すと考えて7、9、13、3となる。これらを掛けた(Y)は2457となる。
(X)
1 7の2、8の3、1の2
2 -2の2、-3の5、1の2
3 -2の1、-3のー2、1の1
4 7の2、 8の5、1の2
(Y)
1 和 2 差
3 積 4 商
(Z)
1 正の数 2 絶対値1以上
3 実数 4 負の数
解答
(a)4知恵 羞恥 基地 価値 検地
(b)2根掘り葉掘り 混雑 献立 音色 昨今
(c)5構成 海溝 思考 観光 帰航(寄港)
(d)2納屋 捺印 刹那 危篤 特別
(e)1結露 簡単 血管 欠場 発汗
(A)2 ずばりという解釈ができる。
(B)1 同じであること。数字に対してマッチはいわない。
(C)4 そのあとに状況整理の様子がみれる。
(1)3 マルコポーロは東方見聞録
(2)1 本居宣長、ストラボン 十二表法
(3)3 数列の確認ができるほどに自信があるのである。
(4)3 長篠の戦いは1575。他は1762、1414、1634
(5)4 他は文意に合わない。
(6)2 That's whyはそういうわけなので、と訳す。
(7)4 リングはある。
(8)1 肝臓ではなく腎臓
(9)1 非協力的、密告、面倒という描写はみられない。
問1 2 16の二乗までは覚えるといい。
問3 2 「て」の前が解読に必要な文字だ
最終問
(X)4 8の3ではない。また、マイナスはつかない。
(Y)3 掛算の答えのことである。
(Z)4 1-2=-1なので、これで掛算する積も負の数になってしまう。