音を失ったキミに。   作:弥柳秦

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遅くなりました。
唐突ですが、バンドリで僕の推しはリサ姉と沙綾です。
だから書いてるんだろって言われたら頷くしかないんですけどね(・・;)

しばらくは日常予定です(口調が違ったらすみません)


僕の新しい一日

美紅と沙綾と別れてから正門をくぐって下駄箱に向かう。羽ヶ丘学園は正門から正面玄関まで少し遠くにあり、その間は広く空いている。

 そこには生徒会を中心に行われている整備で花壇やベンチなど、流石は私立の元女子高だなっと感じさせる清潔感がどこかしこからも漂わせている。

 

 そんな事を思いながら正面玄関の中に入り、入学した時に決められた自身の下駄箱の前まで来てから上履きを取り出して先程まで履いていたローファーと履き替える。

 下駄箱を閉めて階段を上り、事前に配られていたクラス表を頼りに『2-A』と書かれた教室のドアを開けた。

 

 

「しゅうじゃん、おっはよー!」

 

 

「しゅーくん、おはよー」

 

 

「おはよ、リサ、ひな。2人とも来るの早いな」

 

 

 窓から外を見ていた綺麗な茶髪に、ピンク色のお気に入りである兎のピアスを付けて指にはネイルという、いかにもギャルに見える彼女は僕の幼馴染である今井リサ。

 彼女の外見からではなかなか予想できないが、中身は料理やお菓子作りが得意で最近では編み物まで始めたという乙女な面と更に少女漫画や恋愛小説を読んでいたりとかなりの純情ピュア。

 そのせいもあってか外見と中身のギャップというものに男子が萌えたり、オシャレであり女子力を完全に兼ね備えた彼女は男女問わず大人気だ。

 幼馴染の僕からしたら、物凄く高いコミュニケーション力の影響もあるだろうなと思う。

 

 そして、その隣で一緒に外を見ていた水色のショートカットの彼女は去年同じクラスだった氷川日菜。

 彼女について説明するなら一言、天才だ。

 見ただけでなんでもこなしてしまう彼女は、常に学年トップの成績で教科書の内容を丸暗記しているらしい。

 

 僕は今でも忘れないぞ、前に一度どうしたらそんなに勉強できるのかと来た時に『え?教科書に書いてる公式とかをるん♪って使ってるだけ!』と返されてあのリサでも苦笑いしかできなかった事を。

 あとは日菜は双子らしく、お姉さんは努力家で美紅が通っている花咲川学園で風紀委員だとか。

 

 

「そういうしゅーくんも、早いと思うよ~」

 

 

「早いってことは今日も美紅と来たみたいだね!」

 

 

「リサ正解、偶にはこういう日があってもな」

 

 

 そんなたわいもない話に花を咲かせ、HRが始まるギリギリまで続いた。

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――

 

 

 

「初めまして今井リサでーす、部活にはダンス部とテニス部に所属してます。これから一年間宜しくお願いします!」

 

 

 新しく変わったクラスで今は恒例行事とも言える自己紹介が行われていた。出席番号順ということもあって、僕の番もそろそろだ。

 前の席に座っている確か佐藤君が、自己紹介を済ませ座席に座った。立ちながら言うのめんどくさいなぁ……なんて思いながらイスから立ち上がる。

 

 

「初めまして深海柊斗(しんかいしゅうと)です、部活はバスケ部に所属してます。宜しくお願いします」

 

 

 簡潔に言ったお決まりとも言える自己紹介を言い終わると拍手が聞こえる。そんな中ただ一人僕の顔を見ながら笑っている人物。

 日菜、後で良く分からないが問い詰めてやる!

 

 

 

「もー。しゅーくんの自己紹介が普通すぎてるん♪ってしなかったー」

 

 

「いやいや普通が一番だから」

 

 

「ひーな、しゅうに面白さを求めちゃ駄目だよ~」

 

 

「リサ何のフォローにもなってないよ、それどころかグサって刺さるものがあったよね」

 

 

「リサちー、フォローになってないって~」

 

 

「あはは、このあとどうする?アタシは急遽ダンス部に行く予定なんだけど」

 

 

「話を聞こうか、リサ」

 

 

「んー、おねーちゃんと会おうかな~。なんかるん♪ってしそう!」

 

 

 うん、知ってた。僕のこと完全にスルーしてますね。

 僕が何を言ったって2人には届かないんですよね、ええ、知ってましたとも。

 

 

「しゅーくんはって、何で不機嫌になってるのー?」

 

 

「あちゃー、やりすぎちゃったかー。ごめんね、しゅう」

 

 

 

「……別に不機嫌になってない」

 

 

「もう、ほら拗ねないの!」

 

 

 そう言いながら笑顔で僕の頬を左右に引っ張る。

 結構痛いのだが本人のあんな満面の笑みなんて見てしまったら、怒るにも怒れないからされるがままになる。

 そんな僕らのやり取りを見ていた日菜がどこか羨ましそうな視線を送ってきている。

 リサも気付いたようで首を傾げながら名前を呼んだ。因みに、この時も僕の頬から手を離さないのは流石だと思う。

 

 

 

「日菜?」

 

 

「どうかしたか?」

 

 

「んー、なんでもないよ~」

 

 

 いやいや何でもないような顔してないでしょうに。ちらちらと僕の顔を見ながら言っても説得力無いって。

 リサは何かに気付いたのか僕の頬から手を離して日菜に抱きつく。

 

 あぁ、なるほどな。

 

 

「ごめんね、ひな」

 

 

「もー、リサちーにしゅーくんも私のこと忘れてたでしょー」

 

 

「ごめんごめん、忘れてないって」

 

 

 その後は何でも双子の姉のところに行くと言った日菜と別れ、僕とリサだけになった。

 お互い部活があるため更衣室前で一旦別れ、着替え終わったら別れた場所で待ち合わせだ。

 うちの学校は体育館が物凄く大きい。わかりやすく説明するとしたら、バスケの試合をやってる隣でダンス部や新体操部が難なく使えるどころか余裕があるぐらいだ。

 

 バスケ部に所属している僕は男というのもあってかすぐに着替え終わるため、だいたい待つ側だ。この待っている間の短時間にバスケットシューズに履き替えて、シューズケースの中に先程持ってきたローファーをしまう。

 すると丁度リサが更衣室から出てきてた。

 

 

「ごめん、いつも待たせちゃって……」

 

 

 肩で息をしながら出てきたリサを見れば本当に急いできたんだろう、普段部活行くときには外している兎のピアスが付けたままだ。

 僕はリサに自分の前に来るように呼んで横にある窓側に向かせる。僕がいきなり窓側に向かせたからか、呼び方がいつもと違う。

 

 

「柊斗?」

 

 

「窓見てて」

 

 

 突然窓側に向けられたリサは僕の行動にきょとんとしながら素直に窓のほうに向く。

 ピアスの取り方は一応知っている。因みに僕が付けたりするからではない、美紅がよく鏡がなくて付けられないと休日に唸って助けを求めてくるからだ。決して僕にはそんな趣味はない。

 

 少しかがんでリサの耳に付いているピンクの兎に触れる。その瞬間リサは驚いたのか目の前でびくっと揺れた。

 とっさに動いた彼女に僕自身も驚きピアスから手を離す。

 

 

「ちょ、きゅ、急にさわっ……!?」

 

 

「ご、ごめん!ピアスがついたままだったから取ろうと……!」

 

 

 良く考えたら急に耳触るとか、ただの変態じゃんか!

 先程まで何の躊躇いもなく実行していた自分が怖くなる。いくら幼馴染でも今のはアウトだろ、リサなんて耳まで真っ赤だし。たぶん僕の顔も真っ赤だ。

 

 

「そ、そっか。ごめん、いきなりだったから、びっくりした。あはは……」

 

 

「い、いや僕の方こそ一言言えばよかった……」

 

 

「……ごめん、取ってもらってもいい…?」

 

 

「あ、あぁ……」

 

 

 気まずい空気が流れる。

 だが、この空気もリサのお陰で消えた。

 

 今度こそ僕は一旦離したピアスの金具に触れて取っていく。

 少しかがんだ態勢になるため、正直きついが僕とリサの身長さではしょうがない。

 

 

「しゅう、また背伸びた?」

 

 

「んー、最近測ってないから分かんないけど175はあると思う」

 

 

「デカっ!?アタシと10㎝以上差があるじゃん」

 

 

「でも正直180は超えたいんだよなー」

 

 

「いやいや。今でも十分って思ったけど、バスケやるなら男子だとそのぐらい必要なんだっけ?」

 

 

「まあ欲を言うとね、僕と同い年で180以上ある人は多いから。とれたよ」

 

 

 僕は両耳からとったピアスをリサの手の平に置く。

 それと同時に校庭からサッカー部の声かけが聞こえ始めた。

 

 

「今日来る?」

 

 

「いや、今日は沙綾の家かな」

 

 

「そっか、沙綾ちゃんの家に行くなら大丈夫だねー」

 

 

「いつもごめん、大変だよな……」

 

 

「いいっていいって、アタシがしたくてしてるから☆」

 

 

「殆ど毎日ありがと、リサ。美紅もリサと料理するの楽しいって言ってるんだ」

 

 

「美紅も嬉しいこと言ってくれるね~、明日はうちに来てね」

 

 

「あぁ、美紅にも伝えておくよ」

 

 

 そう、僕たち双子は普段リサの家で食べていた。

 僕たちは数年前に両親が他界したため普段の朝食や昼食は何とか出来るものの、晩御飯は美紅はリサの家で済ませていたが部活で帰りがバラバラになる僕は疎かにしていた。

 もちろん、疎かにする日が減るわけがなく増え続けた結果リサと美紅にバレて怒られた。あの時は本当に怖かった、知らないうちに沙綾にもバレていて二度も怒られ三人には頭が上がれらない。それから今井家にお世話になることが決まり今に至る。

 

 沙綾はとうと、沙綾のお母さんである千紘さんは昔から体調が悪く少し無理をしてしまうと倒れてしまっていた。

 そのため小さい頃から『やまぶきベーカリー』の手伝いをしていたが、中学に上がってから僕が部活が忙しくなかなか行けない日が続き僕がいけない日は代わりに美紅が行っていた。

 それは両親が他界した今でもで千紘さんは今までのお礼と両親への感謝の気持ちにと、手伝いに行った日はそのまま晩御飯を食べさせてくれたりしていた。

 

 もう、僕と美紅にとっては今井家と山吹家は第二の家だ。

 

 

「それじゃ、練習頑張ってネ!アタシは隣のコートで踊ってますから♪」

 

 

「ありがと、リサも頑張れ」

 

 

 そう言って僕とリサは別れ、僕はマネージャーに持ち物を渡して後輩が準備してくれたボールを受け取りシュート練習を始めた。

 

 

 

 

 

 因みに僕がマネージャーに話しかけた時、物凄く冷たい視線が背中に刺さったのは気のせいじゃないだろう。




今回も読んでくださり、ありがとうございました。
今まで戦闘ものしか書いてこなかったので、日常は慣れません笑

次回はもう少し早く投稿できるように、頑張ります。
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