パソコンが調子が悪く、時間もとれずなかなか書けませんでした。
次回は早めたい、少しでも。
短いですが宜しくお願いします。
柊斗と体育館の入口で別れて、アタシは少しだけ体育館に入る前に柊斗の後ろ姿を目で追う。
スラっと伸びた身長の彼がマネージャーにタオルなどを渡してバスケットボールを受け取り、ゴールに向かってシュートを打つまでの一連の動作の中で異性のマネージャーと会話しているところを見てアタシの心は暗くなる。
アタシと柊斗は世に言う幼馴染。
でも、アタシが柊斗に対して向けている感情は幼馴染だけじゃない。
「……はぁ」
思わず深いため息を吐いてしまう。いつからだろう、柊斗をただの幼馴染として見なくなったのは。
でも、きっとあの時からな気がする。
柊斗が
「リサ姉ー?」
「っ!?あ、あこかー!びっくりしたなぁ、もう」
「あこ、何度も名前呼んだよ!」
「ごめんごめん、ちょっと考え事しててさ~」
完全に自分の世界に入ってたらしく、あこの声が何にも聞こえなかった。
あこは「大丈夫?」と心配そうに聞いてきたから慌てて大丈夫と答えて体育館の中に足を踏み入れる。
ダンスシューズに履き替えて舞台上に水筒やタオルを置き、軽く準備体操で体を動かす。バンドの練習ばかり行ってたから、久しぶりの部活で筋肉痛とかになりたくないしね!
それから約2時間、休憩を挟みつつ踊りきりアタシは急いで部活着から制服に着替える。
下駄箱に行くと当たり前のように部活着であるウォームアップを着て、エナメルバックを肩から掛けている彼が待っていた。
ホント、優しいんだから。
「お疲れ、リサ」
「柊斗もお疲れ☆いつも待たせちゃってゴメンネ」
「大丈夫だよ、美紅が心配性なのもあるしね」
「もう、美紅はアタシのママじゃないんだから~」
そんなたわいもない話をしながら、アタシは隣でアタシの歩くペースに何も言わずに合わせてくれる柊斗の顔をばれないようにこっそり見る。
昔から整ってはいたけど、ここまで整っていると嫉妬しちゃうよね~。美紅も綺麗な顔いてるし、この双子は罪深いと思う。
楽しい時間はあっという間に終わって気付けばアタシの家の前に着いていた。沙綾の家にこれから行くなら反対方向なのに……。
「そう怒るなよ」
「だって、沙綾の家は反対方向じゃん」
「まぁそうだけど、リサに何かあったら困るし美紅にも怒られるから」
「アタシから美紅に言おうかな~?」
「違うことも言われそうだから遠慮しとく」
そう苦笑する柊斗を見てアタシはしみじみ感じた、柊斗はあの日から止まったままなんだって。
急に黙り込んだのがあれだったのか、柊斗が目の前で手を振ってきた。
ちょっとかわいいと思ったのは内緒。
「どうしたの?」
「いや、急に黙っちゃったから僕、何か不味いこと言ったかなって」
「あー、違う違う!ちょっと考え事しててさ~」
「……あんまり溜めこみ過ぎるなよ?」
「大丈夫だって☆あ、こんな時間までごめんね。沙綾の家に行くんでしょ?」
スマホの画面に映る時間を見て、アタシは少し驚く。
いつも話してはいるけどこんなに経ってたなんて思わなかったな~、って沙綾の家に行くんじゃなかったっけ?
「うん、じゃあまた明日」
「はーい、おやすみ☆」
「おやすみ」
柊斗はそう言って来た道を戻っていく。その背中を見ていると、ふと昔の彼を思い出した。
アタシと友希那、美紅、柊斗で幼馴染でよく遊んでいた。偶にそこに沙綾がいたり。
同い年の4人の中で一番身長が低くて、男の子でもちょっと頼りない分類に入っていた柊斗が今では一番身長が高いしバスケ部ではエース、将来有望選手だって言われてる。
「あんなに小さかったのに、いつの間にかアタシより大きくなっちゃった」
ママも「しゅうくん、男前になったわね~!」って言ってたし、アタシ自身近くにいてやっぱり何だかんだいって柊斗も男の子なんだって感じるときがある。
あの背中にはきっと、アタシじゃ分からないぐらい沢山の事を背負ってるんだろう、その少しでもいいからアタシ達に分けてほしい。
でも、キミは誰にも分けない。あの日から。
「……もう2年前かぁ」
柊斗の時間が止まって大好きだった音楽を捨てて笑わなくなったのも、美紅が気持ちを押し殺して自分を追い込むのも。
アタシは真上に広がる夜空に目を向ける。
『リサ……!しゅうが…!』
『…僕は音楽なんて大っ嫌いだ』
アタシはどうすればいいんだろう。
彼女の涙を止めることも、彼の大切なものが壊れていくのも目の前で見ていることしかできなかったアタシに何か出来るのかな。
思い出すのは沢山ある記憶の一部、友希那と話している時に思い出した懐かしい記憶。
アタシがベースを弾いて左隣りに美紅がキーボードを奏でて、友希那が真ん中で歌って、柊斗がギターとベースを掛け持ちしてセッションしていたあの懐かしい夏の日常を。
*
リサを送って僕は沙綾の家へと向かう。
スマホのロックを解除し、写真などが入っているアルバムを開く。
そこには幼馴染4人の写真、沙綾と沙綾の弟君たちと撮って数々の写真。僕は写真をさぁーと見ながらスクロールし、1枚の写真をタップする。
ユニフォームを着て満面の笑みでトロフィーと賞状を持つ少年とその少年の頭に手を乗せて笑う男性、少年の隣には背丈があまり変わらず笑っている女の子とその女の子を抱きしめて笑う女性の姿。
僕はその写真を見てから左に一度スクロールする。そこには、赤色のベースを持つ少年を囲んで5人の少年少女が映っていた。
「……2年か」
沙綾の家に向かいながらぼそっと呟いた僕の声は誰にも届かず、夜の中に消えていった。
読んでくださり、ありがとうございました。
次回はもう少し早く投稿したいと思います、ではまた次回も宜しくお願いします。