婀嗟烬我愛瑠〜assassin girl〜番外編 作:大岡 ひじき
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、川上からどんぶらこと、大きな桃が流れてきました。
「ごっついのう。」
おばあさんは桃を家に持ち帰りました。
おじいさんは凶悪な顔でそれを一瞥すると、背中の巨大な太刀を引き抜き、桃に向かって振り下ろしました。
「誰が凶悪な顔だ……まあいい。
この世に斬れぬ桃はなし!一文字流・斬岩剣!!」
パカリと割れた桃の中で、ちいさな玉のような男の子が、割れた片側に身を縮めて震えていました。
「……またそのネタですか!
危ないって言ってるでしょう!?
咄嗟に身を躱さなければ今頃私、頭から真っ二つですからね!!」
「待て光。なんでテメエがここにいる?
主人公役は、剣の野郎の筈だろう。」
「私はその幼少期役です!
更に少年期を極小路が、桃は青年期からを演じます!!」
「戦国歴史大河ドラマみてえな言い方すんな。」
「ごっついのう。」
桃から生まれた男の子は桃太郎と名付けられ、おじいさんとおばあさんにかわいがられてすくすく…すくすくと成長しました。
「……俺の出番、一瞬にして過ぎ去った!」
「まあまあ極小路。あとは応援にまわってください。
ほら、これ持って。」
「重っ!!!!つかこれ
今どっから出した!?あと、どうやって持ってきた!!」
「つっこんだら負けです。」
「おまえが言うのかそれ!」
「なんなら『かわいがり』部分を詳細描写してもええんじゃぞ?」
「………遠慮しときます。」
それはさておき桃太郎は、身長185センチの筋骨たくましい青年に成長しました。
「…押忍!桃太郎です!!」
彼は唐突に自己紹介すると、服のポケットから一枚のハガキを取り出して、往年の堀○行イケメンヴォイスでそれを読み始めました。
「今日は、
『こんにちは。
私の学校でも先日愕怨祭が行われて、【悶邪の舞】だと部の先輩が鉄板を出してきたので、早速お好み焼きを焼いて販売して大盛況だったのですが、後から『そこボケるならせめてもんじゃにしろ』と怒られました。
これ、私が悪いんでしょうか』…って!
もずく、おまえは少し空気読むって事を学ばなきゃダメだぜ♪」
「おまえは世界観を読む事を学べ。」
それはそれとして、都には鬼が現れて人々に悪さをしておりました。
桃太郎は、鬼退治に出かけることにしました。
「待たれよ、剣どの。拙者達も同行させて貰おう。」
「お……おまえ達は……!!」
「三面拳・雷電!」
「飛燕!」
「月光!」
「体もなまってきた。ここは俺も行かせてもらうぜ!」
「お、おまえは……!」
「だ、伊達──っ!!」
「ってひとり多いわ!だれ役だお前!!」
「ああ、よろしく頼むぜ。」
「しかもあっさり受け入れた!!」
こうして5人は鬼ヶ島へと向かうと、サクッと鬼たちを蹂躙しました。
「気にすんな。
おまえらが弱いんじゃねえ。俺が強すぎるんだ。」
「だから誰だよお前!!」
すいませんでした。