ゲート:転生者、彼の地にて斯く戦えり   作:きのみ

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12.第三偵察隊

 私は薬草を採取しまくり、空に灰色の雲が掛かり始めた頃、姿くらましで基地内の自室に戻った。三等陸尉ということで、個室が与えられていた事をこれ程感謝した事はない。

 誰も来ない部屋がいかに安全かと思うとほっとする。

 そして、私は逆転時計を使い、今日の朝へと遡った。第三偵察隊に配属されたからにはその任務を熟さなくてはならない。

 私は服を着替えて、イベントリに魔法使いの服を突っ込んだ。自衛隊らしい迷彩柄の服は落ち着く。何年も自衛隊をしていると、この服がなじむのだ。

 そして、私の第三偵察隊としての一日が始まった。

 

 

 

 原作の炎龍を撃退してしまったので、原作通りには進まなくなってしまったことを思うと私は苦々しい思いになったが、罪も無い命を助けられたことは良かったと思っている。

 だから、私は前を向く。

 

「あ」

「桐ヶ谷、どうした?」

 

 伊丹二尉に尋ねられた私は前方から来る集団を指差した。

 

「人がいっぱい来ますね」

「本当だな、荷馬車もいくつかあるし、どっかに行くのか?」

「確か、あっちにコダ村の村長が言ってた集落があるんですよね」

 

 倉田三等陸曹が双眼鏡を取って、覗いた。

 

「!? な、な、な!」

「倉田、どうした?」

「え、エルフっす! エルフっすよ! 隊長!」

「なにぃ!?」

 

 伊丹二尉が倉田から双眼鏡を奪い取り、覗いた。

 

「まじか……! と、とにかく、話を聞きに行こう」

「そうっすね!」

 

 二人は鼻息荒く、車両から出ようとしたので、私は二人の首根っこを掴んだ。

 

「いきなり二人怪しい人が出てきたら警戒されますよ。黒川さん呼んで来ますから……おやっさん、お願いします」

「あ、ああ、分かった」

 

 私は桑原曹長に二人を任せると、前の車両に向かい、黒川さんに接触をお願いした。

 接触は成功。私たち自衛隊は現地住民であるエルフと対話することとなった。

 

「つまり、炎龍に襲われて村を捨てて逃げているところって訳か」

 

 黒川の話を纏めて伊丹二尉は呟いた。

 

「はい、それと、炎龍を退けた魔法使いがいたというのは気になりますね」

「伊丹隊長、いいですか?」

「なんだ、桐ヶ谷」

「これを」

 

 それは、赤い鱗だった。

 

「炎龍の鱗だそうです。エルフの方から頂きました」

 

 全くの嘘だった。これは彼女自身が炎龍を撃退した時に炎龍が落としたものの一部だった。

 

「そうか、ありがとう、桐ヶ谷」

「いいえ。それより、隊長。彼らはアルヌスに向かっているそうです」

「なんでまた、アルヌスに?」

「炎龍を撃退した魔法使いに勧められたそうです」

「また、厄介な事言ってくれる魔法使いだな」

 

 伊丹二尉は頭を掻いて考える。

 

「あと、隊長。彼らにはアルヌス以外に行く当てもないそうです。アルヌスが駄目なら、何処かの森に集落を作り直すしかないようです」

「まあ、アルヌスに行きたいなら、もう、仕方が無いよね……よし、彼らの護衛をしながら、帰還するぞ」

 

 原作に近い展開に私は胸を撫で下ろした。

 この後のコダ村の住人も避難することになり、自衛隊はその護衛もすることとなった。

 

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