コダ村からの逃避行は長期戦だった。途中、盗賊が襲ってきたが自衛隊が難なく討伐し、逃避行は続いていった。原作通りロゥリィ・マーキュリーに出会い、共に逃避行をする事となった。
そんな中、私は何故かロゥリィに迫られていた。
「あなた、とっても良い魂を持っているわね」
「な、なんのことでしょう?」
「どんな戦いをしても穢れない強靱な魂、そして、力。あなた、エムロイの使徒にならなぁい?」
「全力で遠慮します!」
「あらぁ、残念」
その後も何かとロゥリィに突っかかられて、私のライフはゼロだ。だんだん、元気がなくなっていく私に飽きたのかロゥリィは伊丹の上に座る暴挙に出た。私はやっと原作通りになってほっとしたが。倉田が何事か喚いて五月蠅かったが、私はやっとやってきた平和を噛み締めた。
そんな平和を噛み締めていた時だった。
上空千メートルからこちらに向かってくる敵反応を私は感知した。何気ない風を装って窓から上空を眺めた。
「隊長、空から何かがこちらに迫ってきます」
まだ黒い点ほどしかないその敵を私は指差した。伊丹二尉は双眼鏡を手にし、じっと眺めた。
「ありゃ、炎龍か?」
「みたいですね」
「皆、後方の住民の後ろに付いて守れ! ありゃあ、普通の攻撃は通じないな、勝本! パンツァーファウスト!」
え、もう出すの? と私は思った。確か、原作はもう少し後だった筈だった。
勝本三曹が上部ハッチから身を乗り出した。
炎龍は地上に降り立ち、こちらを睥睨していた。弾を撃ち込むには絶好の機会だった。
「後方の安全確認」
馬鹿とっとと撃てと誰もが呟いた。
その間に炎龍は身をよじらせて中空に逃れようとする。そして、飛び去ろうと翼をはためかせた。私はロゥリィが何も手を出そうとしないので、時空間魔法を使って炎龍を一瞬だけ止めた。
そして、弾頭が炎龍の左腕をごっそり持っていった。
「なんか、後ろ光らなかったか?」
「いやだな、気のせいですよ隊長!」
私は乾いた笑いを溢した。属性魔法と呼ばれる魔法は一瞬だろうと魔法を発動させるときは魔法陣が浮かんでしまうのだ。その光が零れるのは防ぎようがない。
ハリポタの魔法は呪文だけなのでバレにくい。その分、ドラゴンのような化け物に通用するような魔法はあまりないが。
ロゥリィがこちらを意味深な笑みを浮かべて見てきたのが気になるが、気にしないことにする。
そして、コダ村の人々と別れる時を迎えた。
コダ村の人々の中には行く場所がない人々もいた。そういう人たちは自衛隊と共にアルヌスを目指すことになった。
アルヌスはもうすぐそこだった。