ゲート:転生者、彼の地にて斯く戦えり   作:きのみ

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15.休日

 

 私、桐ヶ谷咲枝は自衛隊隊員であり、魔法使いでもある。魔法使いとしての自分のことも忘れていないし、忘れることはない。いくら忙しかろうと。

 そして、私は先日、狭間陸将に魔法使いだとバレ、それを上に報告されるという失態を犯した。その事を相談すべく、私は休日を利用し、ホグワーツ魔法魔術学校の校長室に姿現しをした。

 

「久しいの、サキ」

「お久しぶりです、校長先生」

 

 私は真剣な顔をしたまま、口を開いた。

 

「ダンブルドア、伝えなければいけないことがあります」

「なんじゃ?」

「実は……」

 

 私は正直に全てを話した。狭間陸将に魔法がバレた事、それを上に報告された事。その内、日本政府に伝わってしまうだろうことも。

 

「……ふむ、そうか、それは大変なことになったのぅ」

「どうすればいいのでしょう、ダンブルドア」

「良い機会じゃ、これを機に魔法界が外界と接するのも良いじゃろう」

「えぇ?」

「魔法省には儂から伝えておこう。それから、外界と接触するように促してみよう」

「そんなこと……」

「誰もしたがらない? 確かに、そうかもしれんな。けど、その内、マグルの方が我々の存在に気づくじゃろう。彼らの科学技術は目覚ましい発展を続けておる。いつか、我々の存在は彼らに見つかる。それが早いか遅いかの違いじゃよ」

「ダンブルドア……」

「心配するでない。サキ。大丈夫じゃよ」

「……そうですね、大丈夫。絶対、大丈夫」

 

 桜ちゃんの無敵の呪文を呟き、私は笑みを浮かべた。

 

「あ、そうだ、ダンブルドアにお土産です」

「む、これは?」

「炎龍という異界のドラゴンの鱗です」

「なんと! 有り難く頂こう」

 

 ダンブルドアは嬉しそうに鱗を懐にしまった。彼の無邪気さは変わらない。

 

「校長先生、私、戻りますね」

「おお、そうか、気を付けるんじゃぞ」

「はい」

 

 そして、私は姿くらましをした。向かう先は桐ヶ谷家だ。自室に姿を現した私は、いつもより騒がしいのに気がついた。

 一階に降りると、直葉と母が荷物を持って上がってくるところだった。

 そして、その後ろには……

 

「和人……?」

 

 痩せてはいたが、その顔を間違える筈も無い。

 

「ただいま、姉さん」

 

 そうして、笑った和人を私は抱きしめた。

 

「おかえり、和人」

 

 私の頬を涙が伝った。

 

 

 

 私は和人との再会を喜び、上司に事情を話して有給を申請した。

 久しぶりの家族団欒は皆笑顔で幸せそうだった。

 

「和人、どんな冒険してきたの? 姉さん気になるなぁ」

「それより、俺、姉さんの話が聞きたい、ゲートが出来たんだろ? 異世界の話、聞きたいな」

 

 私は言葉に詰まった。が、話し始めた。

 

「そうね、剣と魔法のファンタジーが現実になったような世界よ。ドラゴンもいるわ」

「凄い……行ってみたいな」

「私も!」

「だーめ、民間人は連れていけません」

 

 あはは、と食卓は家族の笑い声で満ちていた。

 

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