友枝小学校は徒歩三十分の所にある。
私は学区外な筈なのだが、学区の小学校の人数が一杯で、学区外の友枝小学校に通っている。中学校はどうなるか分からないが、桜ちゃん達と交流を続けたいと思っている。
友枝小学校に着くと、すでに桜ちゃんと知世ちゃんがいた。
「おはよう」
「おはよう、咲枝ちゃん」
「おはようございます、咲枝ちゃん」
私は窓際の席に座った。桜ちゃんの前の席だ。近くて話しやすいから気に入っている。
「ねえねえ、桜ちゃん」
「なあに?」
「不思議な手紙とか届いたりした?」
「不思議な手紙?」
「えーっと、何もなかったなら大丈夫!」
そう言って私は話題を変えた。
(どういうことだ? 違う物語だから干渉できないとか、か?)
考えを巡らせながら、私は学校での授業を終え、家に帰った。
家にはダンブルドアが来ていて、何やら母と話し込んでいた。
「ただいま、お母さん、ダンブルドアさんと何を話しているの?」
「お金の話よ」
学校に通うのはタダではない。そのことを思うと、両親には申し訳ないと思う。
「あんたは気にしなくていいのよ。私たちがちゃんと、やったげるから」
そう言って、母は私の頭を掻き混ぜた。いくら短髪でストレートでもそうされるとぐしゃぐしゃになるから、止めて欲しい。
「……うん」
でも、母のこういう豪快であっけらかんとした所が好きだ。
「では、これから入学用品の買い物に行こうと思うのじゃが……」
「え、もうですか? まだ、お金も下ろしてないので……」
「大丈夫じゃ、五十年前に日本人の魔法使いがホグワーツに多額の寄付をしての、その寄付は日本人に使って欲しいと言われてな……そのお金を持って来ておるのじゃよ」
日本人と聞くと、どうしても転生者かと思ってしまう。が、怪しい。
「その人の名前を聞いてもいいですか?」
「ああ、名前はヒカリ・アマノじゃよ」
原作にも登場しない。そりゃそうだ、五十年も前の人なのだから。
「その人は今も生きていますか?」
「おお、存命じゃよ。元気に過ごしておる。会うこともあるじゃろう」
「そうなんですね、会ってみたいです」
「会えるといいのう」
ダンブルドアはそう言って私の頭を撫でた。
「では、行こうかの」
ダンブルドアは片方の手を母に、もう片方の手を私の方に差し出した。
私たちはダンブルドアの手に自分の手を合わせた。
「しっかり掴まっておれ」
ダンブルドアは私たちを連れ、姿くらましをした。
次の瞬間、現れたのは中世ヨーロッパのような町だった。そう、あの映画と全く同じ様相のダイアゴン横丁だった。
「着いたぞ」
「ここは?」
感動を抑えながら、私はダンブルドアに尋ねた。母は酔ったらしく、頭を抱えている。
「ダイアゴン横丁じゃ。それにしても、サキエ、初めてなのに酔わないとは凄いのう。何かスポーツでもしているのかね?」
「……剣道ぐらいでしょうか」
「おお、ジャパニーズ武士道か」
「まあ、そんな感じです」
私は説明するのが面倒だったので、止めた。
ダンブルドアと私は母の酔いが醒めるまで待った。
「よし、そろそろ行くかの」
「はーい」
私たちはダイアゴン横丁に繰り出した。