近くで大きな爆発が起きた。
筑摩、利根の二人は直ぐに外にいる信夜の所へと戻り、何があったの?と聞くと、信夜は時計を当たりながら、車まで走るぞ!と言って、走り始めた。
爆発が起きた場所に目を向けると、立ち上がる煙の中から、自分達と同じ姿をした艦娘が現れた。
信夜「あのくそ野郎!ルトゥーリーバを使うとはな!」
ルトゥーリーバ、適者軍が造り上げたステルスシステムを導入した駆逐艦。
優勢だった共生軍の勢いをかけ消した兵器であり、これもまた呪いの設計図から造られた兵器だ。
艦娘の様に二足歩行や尚且つ海上でのホバー移動が可能。艦娘より恐ろしい破壊力、探知されないステルスが備わっているが、欠点が二つ存在する。
一つ目は、ルトゥーリーバは機関部を破壊されると動かなくなる。
その機関があるのが俺達人間と同じ、心臓の位置に存在するが、中々狙えたものではない為、大抵は接近戦で態様してしまう。
二つ目は、指揮する者の有無だ。
ルトゥーリーバは、艦娘の様に独自で行動や思考が不可能であり、それでこそ指揮官がいなければ動く事のない人形兵器だ。
しかも近くにいて指揮を執らなければ、ルトゥーリーバの動きが鈍くなってしまうので、あまり離れる事もできない。
それならAIでも付ければいいのだが、昔適者軍がルトゥーリーバにAIを付けた実験を行ったのだが暴走してしまい、結局は破壊する羽目に。
AIにて完全に制御するのは難しく、可能にも出来ない。
先程からルトゥーリーバの動きは鈍くはない。と言うことは近くに指揮官がいるはずだ。
利根「提督!あの兵器はなんじゃ?!まるで艦娘ではないか!」
信夜「いいから急いで走って!」
すると信夜達に気付いた一機のルトゥーリーバが、砲塔をこちらへと向ける。
先程述べたが、ルトゥーリーバは艦娘より強力である。
まともに食らえばひとたまりもない。
砲門を開こうとした時、信夜達の方角から二つのミサイルが信夜達を通り抜け、ルトゥーリーバの砲塔に直撃。
ルトゥーリーバの砲塔は大きな爆発を起こし、そこから出た煙が他のルトゥーリーバの視界を遮ったのか、こちらには気づいていない。
今のうちにと感じる信夜が、また時計を弄り始めると、曲がり角から、乗ってきた黒のセダンが信夜達の近くに止まる。
急いで車に!と信夜からの言葉に、利根達は急いで車に乗り込む。
だが中には誰もいなかった。先程こちらに走って来たのにも関わらず、運転席にも誰もいない。
信夜「筑摩!これに乗って鎮守府に戻れ!」
筑摩「えっ?!私、運転なんて出来ませんよ!」
信夜「いや、この車には鎮守府までの道を記録させている。後は自動運転で送ってくれる!」
利根「待て!提督は何故乗らぬ!」
信夜「あの兵器を食い止める!」
急いでいる信夜はトランクから、アサルトライフルと軍刀を持ち出し車に近づく。
筑摩「提督!」
信夜「大丈夫だ筑摩。必ず帰って来るよ」
そう言うと信夜はアサルトライフルに付いていたアンカーを発射させ、近くの建物をよじ上って行った。
筑摩は信夜に言われた通りに、利根と一緒に車に乗り込み、鎮守府へと戻る。
屋上にて街を見渡す信夜。
ルトゥーリーバの姿が目視出来れば、一つずつ指を折って、数を確認する。
信夜「··········、全部で四機。その一機は足元か」
建物の下にいたルトゥーリーバは、先程信夜の車が使ったミサイルが砲塔に直撃した奴だ。
この建物の屋上はステンレスガラスが使われている。
近くの給水タンクにアンカーを貫通させ、しっかりと固定させる。
すると、他のルトゥーリーバが気付き、こちらに砲撃を始めたが、
信夜「今頃気付いても遅い!一機はもらった!」
ステンレスガラスを突き破り、アンカーにて急降下。
急降下最中に、アサルトライフルを乱射。
ルトゥーリーバもこちらに気付くがもう遅く、砲撃することなく、機関を破壊される。
砲撃のせいで建物が崩れかかっているのを確認が出来る信夜に、外にいたルトゥーリーバの一機は弾着計算を行っていた。
ルトゥーリーバには仲間がやられた際に、仲間のカメラ映像を確認が可能であり、指揮官も可能である。
先程やられたルトゥーリーバの映像から、信夜がいる位置を捉えると、信夜の位置に砲撃を集中させる。
崩れかかっていた建物にルトゥーリーバの砲撃により、大きな穴が開いたことで、別の建物にアンカーを突き刺し、アンカーを早く巻き取った反動にて高く飛び上がる。
信夜「狙いは良いぜ!だがな!」
アンカーを二機目のルトゥーリーバの機関部に貫通させ、それを軸にして三機目の頭部に刃を突き刺す。
だが機関部には届いていない、ルトゥーリーバが弱々しいがまだ動いていた為、刃を深く刺す。力強く、ゆっくりと刺す、刺した所から大量の液体が飛び散り、信夜の顔にも少しだけ付いて、まるで血しぶきを浴びた様だ
最後の一機のルトゥーリーバは、瓦礫から先が鋭利な鉄パイプを手に持ち接近戦で仕掛けて来る。
素早い連擊に軍刀で防ぐのが精一杯である。
咄嗟に首を狙いを変えて来るが、アサルトライフルを盾にして回避する。
だが、アサルトライフルは見事に真っ二つ。
アサルトライフルはその場に捨て、軍刀を力強く握りしめる。
ルトゥーリーバはじっと待っている。
様子を見ているのかと思った時、こちらに猛進してくる。
猛進してくるルトゥーリーバに合わせて信夜も猛進する。
二人の距離が近くなりかけた時、ルトゥーリーバの鉄パイプが横から来るが、信夜は鉄パイプを踏み台にしてルトゥーリーバの後ろを取った直ぐに、ルトゥーリーバの機関部を貫き、ルトゥーリーバは地面に倒れた。
一通りルトゥーリーバの殲滅出来たが、やり残しがまだある。
先程倒したルトゥーリーバに付いているカメラ映像の確認を始めた信夜。
カメラ映像は正確に自分を映していた。その映像から、まだこの近くのに指揮官がいることを確認し赴こうとした時、後ろに誰かが殺意むき出しでいることがわかった。
多分指揮官であろうと感じた信夜は、軍刀で首を落としてやろうと後ろを向くと、衝撃が走り抜けた。
そこにいたのは、艦娘だった。
見た感じ、何の変哲もない補給艦であることではあるが、そこにいた艦娘には覚えがあった。
その艦娘の艤装にある名前が信夜に衝撃を与えた。
かつて信夜が共生軍で改装した改装空母ブラオメーアの妹艦で、信夜自身が建造した補給艦。
「ひなせ丸」だった。