辺境の提督   作:ナタク

5 / 7
辺境提督とルトゥーリーバ

近くで大きな爆発が起きた。

 

筑摩、利根の二人は直ぐに外にいる信夜の所へと戻り、何があったの?と聞くと、信夜は時計を当たりながら、車まで走るぞ!と言って、走り始めた。

 

爆発が起きた場所に目を向けると、立ち上がる煙の中から、自分達と同じ姿をした艦娘が現れた。

 

信夜「あのくそ野郎!ルトゥーリーバを使うとはな!」

 

ルトゥーリーバ、適者軍が造り上げたステルスシステムを導入した駆逐艦。

優勢だった共生軍の勢いをかけ消した兵器であり、これもまた呪いの設計図から造られた兵器だ。

 

艦娘の様に二足歩行や尚且つ海上でのホバー移動が可能。艦娘より恐ろしい破壊力、探知されないステルスが備わっているが、欠点が二つ存在する。

 

一つ目は、ルトゥーリーバは機関部を破壊されると動かなくなる。

 

その機関があるのが俺達人間と同じ、心臓の位置に存在するが、中々狙えたものではない為、大抵は接近戦で態様してしまう。

 

二つ目は、指揮する者の有無だ。

 

ルトゥーリーバは、艦娘の様に独自で行動や思考が不可能であり、それでこそ指揮官がいなければ動く事のない人形兵器だ。

 

しかも近くにいて指揮を執らなければ、ルトゥーリーバの動きが鈍くなってしまうので、あまり離れる事もできない。

 

それならAIでも付ければいいのだが、昔適者軍がルトゥーリーバにAIを付けた実験を行ったのだが暴走してしまい、結局は破壊する羽目に。

 

AIにて完全に制御するのは難しく、可能にも出来ない。

 

先程からルトゥーリーバの動きは鈍くはない。と言うことは近くに指揮官がいるはずだ。

 

利根「提督!あの兵器はなんじゃ?!まるで艦娘ではないか!」

 

信夜「いいから急いで走って!」

 

すると信夜達に気付いた一機のルトゥーリーバが、砲塔をこちらへと向ける。

 

先程述べたが、ルトゥーリーバは艦娘より強力である。

まともに食らえばひとたまりもない。

 

砲門を開こうとした時、信夜達の方角から二つのミサイルが信夜達を通り抜け、ルトゥーリーバの砲塔に直撃。

 

ルトゥーリーバの砲塔は大きな爆発を起こし、そこから出た煙が他のルトゥーリーバの視界を遮ったのか、こちらには気づいていない。

 

今のうちにと感じる信夜が、また時計を弄り始めると、曲がり角から、乗ってきた黒のセダンが信夜達の近くに止まる。

 

急いで車に!と信夜からの言葉に、利根達は急いで車に乗り込む。

 

だが中には誰もいなかった。先程こちらに走って来たのにも関わらず、運転席にも誰もいない。

 

信夜「筑摩!これに乗って鎮守府に戻れ!」

 

筑摩「えっ?!私、運転なんて出来ませんよ!」

 

信夜「いや、この車には鎮守府までの道を記録させている。後は自動運転で送ってくれる!」

 

利根「待て!提督は何故乗らぬ!」

 

信夜「あの兵器を食い止める!」

 

急いでいる信夜はトランクから、アサルトライフルと軍刀を持ち出し車に近づく。

 

筑摩「提督!」

 

信夜「大丈夫だ筑摩。必ず帰って来るよ」

 

そう言うと信夜はアサルトライフルに付いていたアンカーを発射させ、近くの建物をよじ上って行った。

 

筑摩は信夜に言われた通りに、利根と一緒に車に乗り込み、鎮守府へと戻る。

 

屋上にて街を見渡す信夜。

 

ルトゥーリーバの姿が目視出来れば、一つずつ指を折って、数を確認する。

 

信夜「··········、全部で四機。その一機は足元か」

 

建物の下にいたルトゥーリーバは、先程信夜の車が使ったミサイルが砲塔に直撃した奴だ。

 

この建物の屋上はステンレスガラスが使われている。

 

近くの給水タンクにアンカーを貫通させ、しっかりと固定させる。

 

すると、他のルトゥーリーバが気付き、こちらに砲撃を始めたが、

 

信夜「今頃気付いても遅い!一機はもらった!」

 

ステンレスガラスを突き破り、アンカーにて急降下。

 

急降下最中に、アサルトライフルを乱射。

 

ルトゥーリーバもこちらに気付くがもう遅く、砲撃することなく、機関を破壊される。

 

砲撃のせいで建物が崩れかかっているのを確認が出来る信夜に、外にいたルトゥーリーバの一機は弾着計算を行っていた。

 

ルトゥーリーバには仲間がやられた際に、仲間のカメラ映像を確認が可能であり、指揮官も可能である。

 

先程やられたルトゥーリーバの映像から、信夜がいる位置を捉えると、信夜の位置に砲撃を集中させる。

 

崩れかかっていた建物にルトゥーリーバの砲撃により、大きな穴が開いたことで、別の建物にアンカーを突き刺し、アンカーを早く巻き取った反動にて高く飛び上がる。

 

信夜「狙いは良いぜ!だがな!」

 

アンカーを二機目のルトゥーリーバの機関部に貫通させ、それを軸にして三機目の頭部に刃を突き刺す。

 

だが機関部には届いていない、ルトゥーリーバが弱々しいがまだ動いていた為、刃を深く刺す。力強く、ゆっくりと刺す、刺した所から大量の液体が飛び散り、信夜の顔にも少しだけ付いて、まるで血しぶきを浴びた様だ

 

最後の一機のルトゥーリーバは、瓦礫から先が鋭利な鉄パイプを手に持ち接近戦で仕掛けて来る。

 

素早い連擊に軍刀で防ぐのが精一杯である。

 

咄嗟に首を狙いを変えて来るが、アサルトライフルを盾にして回避する。

 

だが、アサルトライフルは見事に真っ二つ。

 

アサルトライフルはその場に捨て、軍刀を力強く握りしめる。

 

ルトゥーリーバはじっと待っている。

 

様子を見ているのかと思った時、こちらに猛進してくる。

 

猛進してくるルトゥーリーバに合わせて信夜も猛進する。

 

二人の距離が近くなりかけた時、ルトゥーリーバの鉄パイプが横から来るが、信夜は鉄パイプを踏み台にしてルトゥーリーバの後ろを取った直ぐに、ルトゥーリーバの機関部を貫き、ルトゥーリーバは地面に倒れた。

 

一通りルトゥーリーバの殲滅出来たが、やり残しがまだある。

 

先程倒したルトゥーリーバに付いているカメラ映像の確認を始めた信夜。

 

カメラ映像は正確に自分を映していた。その映像から、まだこの近くのに指揮官がいることを確認し赴こうとした時、後ろに誰かが殺意むき出しでいることがわかった。

 

多分指揮官であろうと感じた信夜は、軍刀で首を落としてやろうと後ろを向くと、衝撃が走り抜けた。

 

そこにいたのは、艦娘だった。

 

見た感じ、何の変哲もない補給艦であることではあるが、そこにいた艦娘には覚えがあった。

 

その艦娘の艤装にある名前が信夜に衝撃を与えた。

 

かつて信夜が共生軍で改装した改装空母ブラオメーアの妹艦で、信夜自身が建造した補給艦。

 

「ひなせ丸」だった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。