ラブライダー   作:ACHA

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幼なじみってね、大変なんだよ。

いっつも比べられるから、大変なんだよ。

呪い、なんて言ったら怒られるかな。
だって、大抵親が仲いいとか、小さい頃の関係ってそこでしょ?

でもね
いごごちがいいから
いつもいるんだよ。




「さあ、ここからがショータイムだよ!」

 

 その発言に静観していたものは凍り付く。これ以上は見過ごせない。ライダーたちは変身の準備をする。

「待て!」

 それをアンクはどこからともなく現れ、止める。

「どいて、アンク!」

「千歌にはヤミーがついている」

「何ですって?」

「寄生型のやつだ。そしてあれは、もう飲み込まれている」

「方法は?」

「あいつの攻撃しかない。だから待て」

「でも!」

「今は、アンクさんのことを信じるしかありませんよ」

 ダイヤの言葉に果南は苦い顔をする。それしかない。友人が消えてしまうかもしれないのに、それしかないのだ。

 ギルスは改めて咆哮する。それをウィザードは聞いていた。ギルスは姿を消す。ウィザードは高速攻撃を食らう。完全に入っている。ギルスは勝利を確信した。

「曜ちゃん!どうしたの?無抵抗で!やっぱり怖いの?」

その言葉にウィザードは無反応だ。ウィザードは動じていない。その姿に本能的な恐怖を感じ、攻撃していたギルスは距離を離す。ギルスは決めようとする。踵に刃を出すと飛び上がり、そして踵を落とす。それは肩に刺さった。完全な勝利のパターン。ギルスは咆哮する。そして蹴って飛び上がろうとした。しかし、飛び上がれない。距離が取れない。右足をがっしりと掴んでいるウィザード。そのまま片手で海へ投げ捨てる。

「ふーん。これがインフィニティの力ね」

「な、制御しているの?」

 白銀の魔法使いはゆっくりとギルスを見る。

「だって、千歌ちゃんは傷つけられないもの」

「何を言って!」

「あまく見ないでよ、この善子ちゃんが愛した、ウィザード最強の姿を」

 ギルスがとびかかって来るが、まるで当たらない。魔法を使っていない。体術だけで攻撃を裁いている。まるで、これでは素人と達人。インフィニティになってここまでの差があることにギルスは驚愕している。

「この!動け!」

「これじゃ、さっきの方がよほどましだよ。でも、もう返してもらうよ」

ウィザードは姿を消すと、ギルスの背後に回り込み攻撃を加える。ギルスの再生能力は発動しない。

「な、なんで……この体で……」

「千歌ちゃんから出て行け!」

 腕に魔力をためて、それをギルスにぶつけた。すると、ギルスから外に化け物が実体化した。

「がは、がは」

 ギルスの目は赤い。

「千歌ちゃん!大丈夫?」

「……曜ちゃん。その姿……」

「うん」

 

 ギルスは立ち上がる。そして敵を見た。ギルスの目は赤い。

「……確かに嫉妬していた。確かにいいなって。強くなきゃって思っていた。その反動がこの姿かもしれない。でもね、私はだからと言って……倒したいとかそう思ったことはないんだよ!」

「ふん、貴様の破壊欲求は潜在的に眠っている!俺はそれを呼び起こしただけだ!」

 怪物はそう言う。欲望を体現するグリード。その姿は黒い影。嫉妬を体現した姿。

「それを仲間に向けようとは思ってない。強ければいい。でも強いだけの私なんて、私じゃない」

「黙れ!お前はまたその闇を自分の中に閉じ込めようとしている!」

「・・・・・・あなたが取り憑いてくれてよかった。暴走して、本気でぶつかって思ったの。これは私であり私じゃない。強さに取り憑かれてはダメだって」

「お前の望みだ!」

「強いだけの、そんなもろいものなんて」

 千歌はギルスから変身を解く。いや、正確には解けた、と言った方がいい。

「私はいらない」

 千歌の目が赤くなる。そして周囲に衝撃が走る。それはウィザードを吹き飛ばす。

「千歌ちゃん」

「大丈夫・・・・・・」

 千歌は集中した。

「強引でも、能力を引き出せた。みんなの予想を超えた進化を、私はやる!」

「理性を得たお前に!ギルスの力を制御できるわけがない!」

「・・・・・・制御するのは間違っているんだよ。怒りも、悲しみも、嫉妬も。受け入れてくれる仲間がいる。受け入れてくれる人がいる」

 彼女はウィザードを見る。仮面越しに明るく笑う、彼女の希望が見える。それに安心してその欲望を放つ。

「・・・・・・だから!もう私は!」

 腕をクロスさせる。これはギルスの変身ポーズ。

「変身!」

 千歌は再び変身した。ギルス。ただ、最初のギルスとは違い、中央と背中に赤いラインが入っている。そしてその後ろには自由自在の触手が蠢く。ギルスは進化したのだ。想像を超える、不死の魂を持つ者。アギトとは違うその生命体は、生物の無限の進化を体現していた。ギルスは腕を確認すると、相手を切り裂く刃物が出ることを確認した。

「・・・・・・やっぱり近距離か」

 背中から生物のように生えた赤いものも確認する。

「なるほどね。じゃあ、試すよ」

 全ての武器をしまうと、その化け物に向けて走る。

「なんだ!その姿は!」

「千歌の新しい姿だよ!」

 跳んで一気に距離をつめる。化け物はそれを避ける。千歌は体を反転させ、背中の触手を相手に放ち捉える。伸びきったところで再度相手に詰め寄り、攻撃をしかける。相手は避けようとしたが魔方陣が表れた。そしてそこから鎖が化け物を捉える。

「何!」

「忘れてもらったらこまるな。ショータイムだっていったよね?」

「ふん」

 体を切る。その鋭利な刃物は切れぬものは何もない。触手を放すとウィザードと並ぶ。無限の進化を体現する者と、無限の希望を体現する者。2人は目を見てうなづく。2人は別れ別方向からそれぞれ攻撃をする。怪物はそれを避けた。コインが散らばる。アンクと果南がそれに反応する。そして次の瞬間、オーズは攻撃を加えていた。トラクローでひっかき、大量のメダルを吐かせる。

「果南ちゃん!」

「お仕置きしなきゃ、だね」

 その声は低い。

「オーズか……だが一人増えた所で、状況は変わらん!」

「何を言っているのかな?」

 オーズは一歩ずつ歩んでいく。そしてその迫力は敵も圧倒した。

「あなたを許すわけないよね?」

「果南。遠慮はいらねえ。お前の怒り全部、あいつにぶつけてこい」

「アンク、止めないんだね?」

「言って止まるなら、な」

 ありがと、そう小さく言うと体内から紫色のメダルを取りだした。そして変身すると、欲望の王は、破壊者となる。紫色の恐竜、その名はプトティラ。翼が生え、尻尾も生えたこの形態は、かつて地球にいた最強の生物群を物語る。オーズはコンボが最強である。例えば、ウィザードで言えばインフィニティスタイル、フォーゼで言えばコズミックステイツが到達しうる最強の形態であるが、オーズはコンボ形態自体がそれぞれ最強なのである。それを使い分けるライダーがオーズであるが、この形態は違う。全てを破壊するこのオーズは、そのオーズの常識が一切通じない。

「全く・・・・・・」

アンクは言った。彼女がこの状態になる時を、幼なじみ二人は知っていた。彼女が本気で敵を排除しようとする時だ。オーズは叫び声をあげ、海を揺らす。そして地面に手をつっこみ、武器を取り出す。

「二人とも、遅れないでよ」

「果南ちゃんこそね」

 ウィザードが右に立つ。

「私も本気なんだからね!」

 ギルスが左に立つ。

 幼なじみが揃う。小さい頃からの絆は、一つの喧嘩程度じゃ壊れない鎖である。




※実は結構前にUA2000、お気に入り20突破してました。ありがとうございます。
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