ヤミーは戦闘員を呼び出した。
「前哨戦だって」
「そんなので本気で止められると思っているの?」
「では、『そんなの』ぐらい」
戦闘員はまとめて横に吹き飛んだ。攻撃したポイントには鎧武がいた。
「私に任せて」
「梨子ちゃん!」
その武士は並々ならぬ殺気を漂わせていた。
「あいつら、全員倒したら、加勢していいよね?」
「その時には残ってないかもよ?」
「うん、じゃあ、速攻で片づけるね!」
鎧武はロックシードをドライバーに入れる。『いざ出陣!エイエイオー!』との掛け声とともに姿が変化する。
「梨子ちゃん、その姿・・・・・・」
「私もね、一発入れたいのよ」
それは戦場に構え、カチドキをあげる将軍。戦場におもむき、勝負を決めるための将軍。仲間に笑みを浮かべて戦地に赴く。その橙色の甲冑はあらゆる攻撃を防ぎ、旗は戦火にいる武士たちの士気を高める。敵に怒りの眼差しを相手に向ける。
「これは曜ちゃんと千歌ちゃんとあの怪物の問題よ。貴方たちみたいな操り人形にかまっている暇なんて、あの3人にはないの。だから、相手してあげるわ」
将軍は背中の旗を取り
「私は狂わせたあなたたちを絶対に許さない!ここからは私のステージよ!」
そう叫ぶと二本の旗を持ちぶんぶん降り回す。その振り回している周囲の敵がいなくなる。普段は冷静な彼女がここまで敵に固執するのは、めずらしい。彼女が本気になれば、こんな敵は一瞬。この姿であれば、暴走していたギルスさえも一瞬で捉えることができたはずだ。ゴーストは、手加減もできるということを知っている。ゴーストは将軍の近くに行き
「なんでいつも本気を出さないずら?」
そう問う。
「私の力は怒りなのよ?」
ゴーストはふんと言いながら、敵を倒していく。
「今回はね、マルも英霊さんも怒っているずら。闇につけこんでいく、あなたたちのやり方。仏様でも許さないずら!」
剣を振り、相手を倒す。その一撃は閃光を放つ。そしてどんどんと歩きその通り過ぎた道には敵の山ができる。
「命燃やすずら!」
3人には新たに召喚された、戦闘員に苦戦していた。
「どけ!雑魚ども!」
「はあああああああ!!!!」
叫び声とともにダブルが敵に攻撃を仕掛ける。
「ダイヤ!」
「早く本丸を倒す!」
「わかった!」
3人の道を作り、それを見送る。そしてダブルの目は怒りに燃えている。
「あなたたちは超えてはいけない一線を越えましたわ」
ダブルのその一歩は力強く決意を表す。
「その1、千歌さんの弱さにつけ込んでたぶらかしたこと」
ルビィが続く。
「その2、それを使って私たちに疑念を抱かせたこと」
二人がその後に続く。
「その3!私たちの場所を壊そうとしたこと!」
「お姉ちゃん!今回はルビィも怒っているよ!絶対に許さない!場所を壊そうとして!」
「私たちも、反省すべきところはありますわ。でも、それ以上に!絆を壊そうとしたあなた達に!慈悲などないわ!」
「さあ、お前の罪を数えろ!!」
二人の怒りは戦闘に現われる。
その様子をドライブは見ていた。
「黒澤シスターズったら、鼻息がベリーハードね!とってもキュート!」
「では、手はず通りに行くぞ、マリー」
「OK!」
敵陣に切り込んでいく。騒々しく暴れ回ることで敵の注意を引きつける。このメンバーの仲で最速を自負する彼女は、派手な武器と動き、スピードで相手の注意を引きつける。ベルトさんが先ほど考えた作戦だった。この状態のメンバーであるならば、ドライブが出なくても倒せる。むしろ問題は、彼女たちが本丸にたどりつけないことだ。そのために、派手な攻撃を使用して敵の注意を引きつける、これが今回のドライブの使命だ。
「ベルトさん、私ね、これでもアングリーなのよ?」
「私に、かい?」
「確かに一発ぐらいあのヤミ―をぶっ飛ばす作戦を考案してほしかったわ」
「ならば、時間と彼女たちを従わせる必要があるな」
「でも、それ以上に敵にアングリーよ!」
「知っているさ、マリー」
剣を振り回し、周囲の敵を一掃する。砂埃と共に、相手が吹き飛んだ。そして肩肘をつき、前傾姿勢を取る。
「私たちのリーダーをたぶらかしたこと、後悔させてあげるわ!一走りつきあいなさいよ!地獄まで!」
「付き合うと我々も地獄に行くぞ?」
「地獄の果てまで倒しにいく、って意味よ!」
「OK!今日は暴走するぞ!マリー!」
「元から」
ドライブの目は黒くなる。意図的に暴走状態に彼女は入った。ただでさえ速かった敵の処理が、さらに迅速になる。
「そのつもりよ!」
「私が理性を保てば暴走など取るにたらない!暴走しろ!マリー!私が許可する!」
「お願いね!ベルトさん!」
彼女たちが編み出した暴走状態をコントロールする術。鞠莉に暴走させて、それをベルトさんがコントロールするというものである。理論的には可能であるが、ぶっつけ本番である。普段の彼女ならこんなことをしない。実験や実証を重ねて実践に投入するが、暴れ回るだけであるなら、ある程度のコントロールさえ聞けば、あとは何とかなるだろうという判断である。それは効果があり、暴走に近い状態で暴れ回っていた。鞠莉はギリギリで理性と怒りの狭間をコントロールする。そのスピードは非常に速い。
「鞠莉さん!」
「ダイヤ!止められなくなったらお願いね!」
「わかりましたわ!」
二人のライダーは怒濤の攻撃を加えた。
最強の武将の前にただの戦闘員は手も足も出ない。鎧武は旗から機関銃に持ち替え、近距離で連射する。
「もうこれで終演よ!」
その銃に剣の柄を差し込み。大型の刀を用意する。そしてエネルギーをチャージした。
「これで終わり!火縄大橙無双斬!」
剣撃が相手に飛ぶ。それに触れたものから次々と吹き飛んだ。それでもまだ残っている敵がいる。将軍は剣の柄だけしまい、武器のダイヤルを回して大砲にする。そしてエネルギーを再びチャージする。
「持っていきなさい!!」
砲撃を前方に発射。目の前の敵は散った。しかし。それは目の前だけ。背後から敵が襲撃してきた。しかし、それはゴーストによって阻止させる。
「どこまでも卑怯な奴らずら。消え去れ、悪霊!」
赤い眼魂を出しドライバーに刺す。
『一発闘魂!』
『闘魂カイガン!ブースト!俺がブースト!奮い立つゴースト!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!』
ゴーストの姿が変わる。黄色い状態から紅蓮の炎を身に纏った姿となる。パーカーのフードをゆっくり取る。それは変身者の怒りの状態を表しているようだった。ベルトから炎に包まれた剣をゆっくりと取る。
「命、燃やしてもらうずら!」
圧倒的な攻撃力に、敵はひるむ。敵は撤退しようとする。それをブーストしたゴーストは見逃さない。飛び上がると、背後に紋章が出る。『オメガドライブ!』そのかけ声と共に自身が赤い弾丸となり敵に向かう。ただその間を通り過ぎただけ。たったそれだけで敵は爆発した。砂浜に片膝をつく。足の炎は徐々に弱くなる。ふう、と息をつき周囲を見渡した。
その先でドライブが怒濤の攻撃で敵をなぎ払っていた。発生した竜巻の中心にドライブはいた。
「だああああ!」
その戦闘はまさに喧嘩。スピードを生かして相手を封殺しているが、とにかく乱暴である。
「マリー!そろそろ!」
「・・・・・・」
ベルトのかけ声と共に、シフトカーを入れ替える。ギリギリで意識を保つ彼女には、しゃべる気力も体力もない。無数のタイヤで敵を囲み、その中にいたものをキックで蹴り飛ばした。巻き込まれた敵は爆発。相当な数の敵が吹き飛んだ。ドライブから煙が出る。そしてそのまま変身が解除され倒れ込む。その目の前にダブルが立つ。
「ダイヤー、動けないー」
いつもの鞠莉の声。
「無茶するから、ですよ。でも、あとは任せてください」
風の超人は敵に向かっていき殴る。途中でヒートジョーカーになり、強烈なパンチを繰り出す。炎を纏ったパンチは敵を複数巻き込み、砂浜に倒す。背後から襲ってきた敵には瞬時にメタルへ変えて、ヒートメタルのシャフトを当てる。
「全く、次から次へと!」
「お姉ちゃん!無限にわく敵を倒す方法って何か知ってる?」
「何ですの?」
「それ以上のスピードで倒すか、圧倒的な力の差を見せつけることだって!」
「・・・・・・スピードは無理ですわ。だから、飛んで来なさい!ルビィ!」
「うゆ!」
ダブルの頭上に飛行物体が飛んでくる。ダブルはサイクロンジョーカーにメモリチェンジした後に飛行物体はベルトに着地する。そして開くと『X』の文字。『エクストリーム!』との叫びと共に、ダブルの中央が割れる。そして銀の中央ラインが出てくると、ダブルの究極の姿が現われた。右と左、究極のバランスで創る、その姿はエクストリーム。盾に4つのメモリ、ヒート、メタル、ルナ、トリガーを挿入して、そして剣を盾から取る。
「ルビィ、敵に有効な攻撃は?」
「防御力があるわけじゃないから、何でも大丈夫だよ?」
「じゃあ・・・・・・」
剣で斬る。ダブルの姿が消えると、相手がばたばたと倒れた。何をされたか、わからない。その恐怖が周囲の敵に恐怖を植え付ける。そして逃亡しようとした。その先にはゴーストと鎧武がいた。
「恐怖って伝染するのよね?」
「希望からの転落が一番の恐怖ずら」
逃亡した敵兵を次々と討つ。ダブルはその様子を見て鞠莉を担いだ。