果南が出て行った後、彼女を皆が追跡した。一人を除いて。梨子はもう一つの影にずっと気がついていたのだ。
「やっぱり夜じゃないとダメだねー」
その少女は笑いながら出てくる。彼女たちと身の丈はほぼ変わらない。ツインテールを邪魔にならないように小さくし、オレンジの洋服を着た少女。梨子は
「何者?」
そう問いただす
。
「・・・・・・普通の女の子だけど?」
「残念ね。普通の女の子はこんな所に来ないわ」
「そうは言ってもねえ」
少女はいたずらな笑みを浮かべる。梨子は頭に血が昇り、眉をしかめる。
「名乗りなさい」
梨子はロックシードを構える。少女はそれを見る。梨子は怯まない彼女を見て
「敵ね」
そう言いライダーに変身した。
「ふーん。それが提督の言っていたライダーね」
「提督?」
「うーん、任務には交戦は含まれてないけどデータの回収はあるんだよなあ」
少女はぶつぶつと言う。
「でも夜じゃないしー。決めた。やっぱりパス」
鎧武の剣が背後を向いた少女の肩に乗る。
「これでも何者かは吐かないのかしら」
「まあ、情報聞く限りみんなと仲良くなれる気はするんだけどねー。まあ、まずは」
少女はその剣を二本の指で抑える。動きはするが、相当な力で抵抗しなければならないことを梨子は悟る。そして隣の体育館の中央までその状態で動き
「そろそろいい?」
「・・・・・・パスするんじゃ?」
「売られた喧嘩は買う主義なんだよね」
少女はそう言うと振り向き、腹にパンチを入れようとする。鎧武はそれを剣でふせぐ。ガキンという鉄が合わさる音がする。それどころか、その勢いは鎧武を吹き飛ばそうという力があった。鎧武はそれを見切り勢いを逃す。そして体を流し相手に一太刀を浴びせようとした。刀身で放ったその太刀だが、クナイで防御される。
「クナイ?」
「いよっと!」
その少女は距離を取ると腕の砲台を向ける。本能としてそれを察し、鎧武は避けた。機銃は誰もいない所に吸い込まれる。鎧武は全てを避けきると、体を低くして突進する。しかしその剣先を避けると、少女はその剣の上に立つ。そして頭を蹴ろうとする。それを寸前で避けると峰で打つ。少女は飛ばされた。すぐに体勢を立て直す。そして姿を消した。いつの間か後ろに回り込み攻撃を加えようとするが、背中に剣を回し、その攻撃を防ぐ。足払いをしようとすると、少女はその足をかわす。鎧武は足の上に刀を置く。ガキン、ガキンとクナイが落ちる音がした。
少女は距離を取り、そして不敵に笑う。そして鎧武は彼女に向かいこう言った。
「まだ本気じゃないよね?」
残念だが、彼女の底が知れない。梨子はそう思った。ライダーの力を持ってしても、同等の力を持つ。この少女はまさに化け物だと。どこかで訓練を受けているような、そんな感覚。刀を一度鞘へ収める。
「そっちこそ」
少女はそう言った。梨子はふうと息を吐く。それは仮面越しに伝わってくる。少女の目線から見れば、このような強者に会ったのは久々であった。仲間が会ったこと自体は知っていたが、彼女があったわけではない。
「私の本気はね、仲間のためって決めているのよ」
「ここで出せないのは互いに同じだね」
少女はトン、トンとジャンプした。そして眼が変わる。それまでの速さが嘘かのような、それまでの比ではないスピードで接近する。床の音がキュ、キュと鳴るとクナイを刺そうとする。しかし、ガキンという音と共にクナイは宙にはじかれた。
「うわ!」
力を出したのは少女だけではない。鎧武も力を出したのだ。居合いで武器をはじき、完全にバランスを崩した。足を払い、床に落とす。少女はぶつぶつと何かを言った。鎧武は攻撃をする。完全に刀は入った。しかしいつの間にか、少女が木の切り株になっていた。木がトンと落ちると煙が出る。その煙が晴れると、少女はこの体育館に何人もいた。その何人もが、一斉に鎧武に向かってくる。
「これは無理ね」
鎧武は新たなロックシードを出す。そしてその果実をドライバーにセットする。
『イチゴアームズ!シュシュッとスパーク!』
上空からイチゴの鎧が出たため、少女たちは一瞬止まる。鎧の武者はオレンジから紅の鎧へと変わる。刀を両手のクナイにかえて、少女たちの中へとびこんだ。今までの者より素早く攻撃をし、分身を消していく。少女はまた一人になり、にやりと笑う。
「いやあ、陸地でこんだけの相手とかっていつぶりだろうね!」
「あんた一体何者よ」
鎧武はオレンジに戻り、一気に距離をつめる。しかし、その中腹でそれを遮る者がいる。それは彼女の動きを止めた。長い髪に少女と同じオレンジの洋服。そして日本刀を武器として帯刀している。大和撫子という言葉が彼女にはよく似合う。ダイヤも純粋な大和撫子であるが、彼女とはまた雰囲気が違う。
「剣術なら私に心得がありますので。姉さん」
「神通、私が言うのもあれだが、任務に含まれてないぞー」
「データの収拾ですよ。何のデータかは指定されていませんでした」
「じゃあ、本気を出させるよう頑張ってくれ。ああ、ライダーさん、この子本気で強いから」
体育館のステージへ一飛びすると、その彼女は横になった。
「・・・・・・いえ。この人はわかりそうね。お互いに無駄な力を使わないうちに、停戦協定と行きたいのだけど」
「・・・・・・戦わないの?」
「あなたたちみたいのが仲間にまだいると思うと、敵でないなら真意の方が聞きたいわね」
鎧武は一度刀を構えることを辞める。
「・・・・・・」
少女は言葉を発さない。止めに入った少女は背中に手を回す。その様子を見て
「言っておくけど、私たちを煙に巻いても無駄よ。あなたの名前がわかった以上、私たちは追跡する術を持っているの。それに貴方たちの後ろには提督って方もいるみたいだし」
そう牽制した。少女は動きを止める。そして最初に見つかった方に目線を走らせ
「・・・・・・姉さん?」と鋭い眼光で彼女をにらみつける。
「だから、夜じゃないと頭無理なんだよー」
「全く。ですが、私たちは軍事機密です。知ったら戻れなくなりますよ?」
「こちらは化け物よ?」
そう返すと彼女は笑う。
「姉さん、個人的な興味がわいてきましたわ」
「じゃあ、聞かせてくれるってことかしら?手合わせの後」
鎧武は刀を低くかまえる。その女性は丸い玉を投げる。そして鞘に手をかける。
「ええ」
居合いの形。隙という隙がまるでない。その玉は一番高い場所から落ちてくる。
「名前を教えてくれない?」
「第十鎮守府、第二艦隊及び地上偵察班旗艦隊、神通。あなたの名前はいいですよ。桜内梨子さん」
床に玉が落ちる。煙が蔓延する。梨子は彼女の居合いの姿を思い浮かべながら、一つの結論に達する。
飛び込んだら負ける。
彼女の本能が結論を出す。だが、鎧武はその本能を理論で一つ一つ論破する。煙が晴れる。
ドン
地面を蹴って向かっていく。その最中に一度剣を振ると、振動で相手の服が少し破れる。それを感じた彼女は剣を一度抜いた。それは空を斬る。それを見逃さず、さらにスピードをあげる。鎧武は近づき刀を振る。勝利を確信した彼女。しかし、本能的な危機感が走る。それに気がつき、彼女の横腹に当たる寸前で刀を止める。
「・・・・・・お見事ですね」
神通の脇腹に、刀は寸前で止まっている。
「・・・・・・何がよ」
梨子の腹の前には短剣が当たる寸前で止まっていた。
それは、これ以上の相手の進入を許さない。しかも、それは鎧と鎧の間。ライダーになって守られているからと言って、気は抜けない。
「あなた、一撃目のブラフにあえて乗ったんじゃない?」
梨子はそう聞くと
「そちらこそ、勝負に非情になれば、違う攻め方ができたのでは?」
神通はそう返す。
「・・・・・・ゆっくり後退するわ」
「そんなことしなくてもいいですよ」
彼女は短剣をしまう。梨子も剣をしまい、そして変身を解除した。
「ふう。今度は包み隠さず本気になりましょうね、軍事機密さん」
「受けて立ちますわ、化け物さん」
「では、お話聞かせてもらうわよ」
「はい。では我々が何者であるか、情報交換を兼ねて皆様をご招待致しますわ」
その発言を聞いた、転んだ子はほっとする。
※タグというより、新勢力は艦これ勢です。
※ここから武器だけでで来る作品とかもあるので、おそらくカオスになると思われます。
※まあ、某メロン艦と工作船に社長と鞠莉のお金が加わればしょうがないよね!