ラブライダー   作:ACHA

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「提督、来たぞ」
「ああ」
「ところで、あいつらの研究はそのままでいいのか?」
「どちらにしてもデータが入るだろ?でも示しがつかないから。あいつらは派遣しておいたよ」
「・・・・・・鬼か、あんたは」


7章 異世界の鎮守府/きっかけはMと共に
工廠の実験者


 

 そこは淡島の港に突然現れた。淡島には鞠莉と果南が住んでいるが、お互いについ先日まで内浦の方にいたので、その様子を確認できなかった。しかし、それは淡島にとって付けたような、巨大な軍港であった。その別室に襲撃した3人の少女と梨子、ダイヤ、光太郎が呼ばれた。他のメンバーもこの3人ならば大丈夫と思い、その軍港を見て回っている。

「はい、ライダーさん!私は特型駆逐艦の吹雪です!」

 見た目は彼女たちとさほど変わらないはずなのに、堂々とした姿で敬礼をする少女。曜も思わず返す。今でこそ、その夢はあきらめているが、彼女が幼少の頃、船長になる夢があった。父から教わった敬礼をきれいにすると、吹雪はほほえむ。

「提督からご案内するように、との任務を仰せつかりました」

「はあ」

 その段取りの良さに、千歌は警戒心を強める。その警戒心を見透かすように

「警戒しないで下さい。大丈夫ですよ。とりあえず食事できるところに案内しますね」

 ドン、ドンという銃撃の音がする。吹雪は「演習ですね」と笑ってみせる。だがその音に紛れて、チャリン、チャリンというメダルの音がする。それにいち早くアンクは気がつき

「おい、その演習場はどこだ?」

「え?ああ・・・・・・これは多分、実験の音ですね。工廠だと思いますね」

「お前は何の実験をしているか、聞いているか?」

「確か『セルメダルを使用した有効な兵器』だった気が」

「おい、果南!行くぞ」

「ちょっと待ちなよ、アンク!」

 二人は工廠に行く。

「・・・・・・私も行っていいかしら?」

 鞠莉が言う。吹雪はかまいません、と言って二人についていく。花丸も悩んでいた。

「花丸ちゃん、何を悩んでいるの?」

 ルビィが問う。その様子をリーダーは察し

「・・・・・・吹雪さん、あなた達は何者なの?」

 花丸の疑問を千歌が言い放つ。こういう時に相手の思考を理解し求めているものを聞くことができるのは、このリーダーの一つのスキルである。

「と、言いますと?」

「セルメダルというのは、エネルギーの塊ずら。それを兵器転用できるのはいいのですが、あなた方は実験できるぐらいそれを集められた、ってことですよね?」

 花丸は質問をぶつけた。吹雪は少し考えながらタブレットを取り出して確認をする。そして一つ一つ確認しながら

「・・・・・・ああ、すいません。一応秘密でもあるんで。それで、セルメダルというのは人の欲望なんですよ。だから簡単に言えば一人にとりつけば生成は可能です」

「とりつけばって、大丈夫なの?」

「これ以上は話せないんですが、我々はコントロールできるみたいです」

 曜が今度は冷たい視線を入れる。吹雪は彼女らを間宮まで案内した。席には名前が、そしてその机の上には各々の好物が取りそろえられていた。千歌の表情がさらに引き締まる。とことこと、4人組が来て、真っ先にルビィを座らせ、4人で囲んだ。

「ルビィちゃん!」

 花丸は飛び出ようとしたが、曜がそれを止める。4人の幼い少女たちに囲まれて、ルビィも苦笑いしている。そんな曜の様子を見て

「ふふ、あなたは冷静なのね」

 そこにいたのは、かなり大人びた女性だった。栗色の髪に二本のアンテナ。そしてかなり大人びたスタイル。

「吹雪ちゃん、第六のみんな、手はず通りに、ね」

「はーい」

 各々を座らせていく。そして曜の相手はその栗色の髪の女性だった。

「初めまして、魔法使いさん。私は陸奥よ」

 陸奥はふふと笑う。曜は話を聞くことにした。皆がそうしているように。

 

 一方の工廠に向かったメンバーはその音に誘われていく。その様子を見ると、セルメダルを銃のようなもので発射していた。

「鞠莉、あれって?」

「少なくとも小原グループじゃないわね」

 アンクもそれを確認したが、絶句した。そして舌打ちをし、工廠のドアを開ける。その音に中にいたものは気がつく。

「おい!そのメダルは俺らんだ!返してもらうぞ!」

「へえ、じゃあ君がアンク君なんだね」

 レンチをくるくると回している緑色の髪をした少女。アンクの腕にも動揺はしない。アンクは舌打ちをする。

「ちょっと!あんた、何なのよ!」

 強気な少女はその銃をアンクに向ける。アンクはその少女につめよる。銃弾をかわし、その少女の頭を掴む。そのまま持ち上げると

「おい、その銃はどうした?」

 そう尋ねる。

「言うわけがないじゃない」

 少女はアンクを蹴った。アンクはザーっと地面を滑る。そこに果南と鞠莉も駆けつけた。

「夕張、こうなることは?」

「想定済みよ。だから、陽炎ちゃん」

 夕張という少女は陽炎という少女にベルトを渡す。陽炎はそれに驚く。そんな反応を尻目に、彼女は

「後で感想聞かせてね」

 と言った。

「いつの間にもらってきたのよ?」

 それを陽炎はもらうと、ベルトをつける。

「言っておくけど、先にちょっかい出したのはあんたらよ」

「お前、まさか!」

 アンクはそのベルトに見覚えがあった。陽炎はセルメダルを一つ出す。そしてそれをベルトの中に入れると、ポンという音と共にレバーを回す。

「変身」

 少女の姿はライダーに変身した。それは鋼鉄でできた胸当てに銀の鎧を纏い、黒い目はつりあがっている。

 そのライダーは見る。

「アンク、あいつは?」

「・・・・・・」

「知っているんでしょ?」

 アンクは舌打ちをしたあと

「あれはバース。俺の元の世界にいたオーズ以外のライダーだ」

 しぶしぶと言う。彼は彼女にメダルを渡す。

「どんな経緯であれを入手したかは知らんが、気をつけろ」

「うん、青髪の子のこととかあるし」

 果南はメダルを入れて、変身する。オーズが姿を現した。

「・・・・・・オーズ」

 バースの声は沈んでいた。夕張は彼女の肩に手をのせる。

「コアメダルで変身するライダーね。陽炎ちゃん」

「大丈夫。心配しないで」

「わかったわ。はいメダル」

 夕張はセルメダルを3つ渡す。

「はあ!?正気!?3つでライダーの相手するの!?」

 バースは思わず声を荒げる。

「まだ開発途中なんだから文句言わない!」

 バンと背中を押す。

「秋雲にもっと吐かせなさいよ!」

「今、別同調査中だから」

「もう!」

 バースは銃を構える。オーズは剣を構えた。

「・・・・・・さてと、私はあなたたちを抑えないとね」

 夕張の後ろにセルメダルの銃を至近距離で構えた鞠莉がいる。

「できれば、引き金を引きたくないんだけど」

「さすがにそれで撃たれると、私もねー。まあまあ、落ち着きなよ」

「このデータ、どこから?」

 鞠莉は答えを求める。

「大丈夫。私たちは別ルートで造ったのよ」

「・・・・・・嘘ね。これは私たちが今開発している銃に近いわ」

 鞠莉が走ったのは、兵器の開発である。この銃、そして眼前にいるバースというライダーは補填のためのBプランとして用意したものに似ているためだ。ただ、曜の戦闘スタイルには合わないと判断し、秘密裏に処分されたものではある。

「そうしたら、特許でも取っておくことね」

 夕張はふふっと笑った。鞠莉はこの状況を夕張が楽しんでいると思った。そして夕張の言葉は真実らしい。

「鞠莉、少なくても彼女には交戦の意思はないようだが?」

「ベルトさん、私の考え、わかっているでしょ?」

 ベルトを巻いて戦闘態勢を取る。鞠莉の変身のポーズの構えをした段階で夕張はふうっと息を吐く。少しだけ考えてベルトを持つ。そしてメモリを出した。

「え?あんた、それも持ってきたの?」

 陽炎のその言葉に

「陽炎ちゃん、造ったのよ」

 そう返す。鞠莉は変身を完了させた。夕張はバイクのようなベルトにそのメモリを刺した。『アクセル!』という言葉を聞いてから、イグニッションを回す。

「変・・・・・・身!」

 夕張の姿が変わる。赤いライダー。一つ目の重装備のライダーが姿を現す。その様子に変身者は、満足げな表情を浮かべ、そして剣を取った。

「うん、ばっちり。あとは実践ね」

「試作品なんかに負けないわよ」

 

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