ラブライダー   作:ACHA

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※最初に言っておく。花丸ちゃんのファンの皆さん、ごめんなさい……

Aqoursピックアップ

高海千歌
奇跡を信じ、奇跡を体現した少女。
自分のことを普通怪獣と称するが、幼馴染み二人が凄すぎるため、決して普通ではない。
曜が襲われている事件に遭遇し、守りたいという思いからライダーとしての力が開花した。

渡辺曜
才能の塊であり努力家。
元々は千歌をサポートするために始めた戦術の研究の過程で「相手の動きをトレースして自分の戦術に組み込む」というスタイルを身に付けた。才能の塊であるが、それに見合う努力を行っているため、悪く思う者は少ない。

桜内梨子
強靭な精神力を持つ少女
敵との打ちあいでも一歩も引かずに打ち勝つ精神力を持つ。曜の努力する姿を見てサポートしたいという想いを持ち、ライダーとしての能力が開花した。


異世界

 アジトに少女たちが集まっていた。アジトと言っても、学校の一室だ。ここ浦の星女学院は既に廃校になっており、彼女らしか出入りはしない、という説明を彼は受けた。計6人。その顔をダイヤは見てほっとする。その中にはブラックRXになった青年もいた。

「さて、まずは状況です。果南さんはコンボの使用によって体力がなくなっています。休めば回復します。こちらは問題ありません。鞠莉さんは精神的に暴走していましたわ」

「鞠莉さん、よほど善子ちゃんのことが」

「おそらく次の戦闘でもああなるでしょう。何か対策をしなければなりません……そしてこの方はその二人を助けて下さいました」

「え?二人を助けたの?」

 銀色の髪の少女はじっとりと見る。

「正確には助太刀、のようですが……」

「ああ、そこは俺も見ていたが……お前らが束になっても勝てないくらいは強かったぞ」

「え!?」

 みかん色の髪の少女は赤い腕、アンクの言葉に立ちあがる。

「うむ。それはこの私も保証しよう。アンクの束になって戦っても、はわからないが、異次元の強さだ。少なくとも、正常な状態のマリーでも勝つのは非常に困難だろうね」

 ベルトも言う。

「異次元なんて、そんな大げさな……」

 ダイヤはその青年を見て自覚がないのか、と思う。

「私も途中から見ていましたが、敵ならば手を焼いていたことでしょうね」

 ダイヤもそう付け加えた。

「ところで、助手席君は私やアンクを見ても何も思わないのかね」

「俺の名前は南光太郎です。えっと、まあバトルホッパーも似たようなものですし、以前生首を飛ばす怪人とも戦ったんで」

「そうか。理解があることは嬉しいことだ」

「……お待ち下さい。生首を飛ばす怪人?花丸さん、ルビィ」

「えっと……星の本棚の中にはブラックRXっていうライダー自体存在してなかったよ」

 赤いツインテールの小柄な少女はそう言った。

「怪人に関してはマルも同じずら」

 ダイヤは携帯を取り出し、相談をしている。その上で光太郎は切りだした。

「ここは違う世界だと思う」

「違う世界?」

「ああ。パラレルワールド、っていうのかな。にわかに信じがたいとは思うけど」

「……わかりました」

 ダイヤは電話を切った。簡潔にその内容を伝える。

「まず、RXというライダーは花陽さんも知らない。そしてあちらにも正体不明のライダーが出たらしいですわ」

「正体不明?」

「ピンク色のライダーのようです。そして彼は破壊者と言っていましたわ」

「……ああ。そいつは心配ないよ」

 光太郎が言う。

「知り合いですの?」

「ああ。パラレルワールドなら、多分彼の方が詳しいよ」

「……いや、あなたの説が正しいとは思えない」

「花丸ちゃん?」

「第一、変ずら。ルビィちゃんも花陽さんも知らないライダーが二人もいるなんて。しかもブラックRXに関しては本棚で情報すら出ない」

「待って、花丸ちゃん。もしもパラレルワールドだったら、この人の情報は私たちの世界にないんじゃない?そもそも、ここに存在しているのに、本棚に情報がないことはおかしいよ」

 ピンクの長い髪の子は、諭すように言う。

「えっと、どういうことかな?」

「ああ。私の名前は桜内梨子と言います。で、このルビィちゃんは『星の本棚』っていう場所に出入りできるんです。そこにはこの地球の全ての情報が入っています。そこで情報を引き出せる、はずなんです」

「でも、俺の情報が無かったのか」

「はい……」

 ルビィは申し訳なさそうに言う。

「でも、もし、星の本棚が、パラレルワールド別にあるとしたら?この世界ではヒットできないんじゃないかって」

「……なるほど、ルビィ、その可能性はどうです?」

「・・・・・・否定はできないかな」

「何らかの形で、本棚を抜ける術を敵が使った可能性があるずら」

 ダイヤがその発言に怒る。

「いい加減にしなさい!花丸さん、あなたはその術を証明できるのですか?」

「そこの人に拷問でも何でもするずら。白状するずら」

 その女の子、花丸はパンを食べながら言う。

「花丸ちゃん!いくらなんでも!」

「……敵は許さない。私はこのメンバー以外、信じないずら」

「……いいかい。花丸ちゃん」

 光太郎が言う。

「君は、今、矛盾していることを言っているのに気が付かないのかい?」

「矛盾?」

「全く、そんなこともわかんねえのか。お前らしくねえな」

 アンクも呆れたように言う。本人はわからないようだ。

「星の本棚はルビィちゃんにしか入れない。そのルビィちゃんが無いと言っているんだ。それは、真意はどうであれ、ルビィちゃんを信じていないのではないか?」

「……マルは星の本棚について言っているずら」

「なら、それは説明してくれたメンバーを信じていないのだろ?」

「……何が言いたいずら」

「悪意だけでは真実は見えてこない」

 花丸は殴りにいこうとする。それを銀髪の少女は誰よりも早く動き止める。

「落ち着いて!」

「あなたが!真実を言えば!」

「全く、曜さんどきなさい」

「ダイヤさん?」

 ダイヤはドライバーを取りだした。

「ダイヤさん!」

「お姉ちゃん!何のつもり?」

「お仕置きですわよ」

 ベルトを彼女は装着した。

「今のあなたなんて、Wになる必要すらありませんわ」

「……やるの?」

「ストップ!」

 ドンと千歌が机をたたく。机は真っ二つになってしまった。その様子に他の物はあっけにとられる。

「今は違うよ!この人をどうするか、でしょ!」

「そんなもの、拷問に決まっているずら!」

「花丸ちゃん!」

「……花丸、ちょっといいだろうか」

 ベルトがしゃべる。

「拳を交えさせたものの見解では、彼の力は未知数だ。彼が敵か味方かわからない。だが、私は敵が果南とマリーを救うとは思えない。私ならあの状態のドライブなら確実に仕留める、何より私を持ち去るだろう」

「完全体の俺ならまだしも、今の俺はこんな状態だ。やろうと思えば、できたはずだ」

「……私も同じ意見ですわ。2名を救ったことには感謝しています」

 ダイヤが言う。気を取り直して息を吐く。

「ですが、花丸さんが疑うように、あなたを完全に信じるわけではありません。ですのであなたの行動を監視させていただきます」

「……わかった」

「監視って、誰がどうやるの?」

「千歌さん頼めますか?」

「私?」

「鞠莉さんの所の方がいいのでは?」

「いいえ。有事の際には働いてもらいます。あそこでは緊急時に出られません」

「四六時中見ていろって言うの?」

「いいえ。私は少なくとも現時点で『敵』だとは思っていません。あなたが監視したいのならばそれでいいのですよ。方法はあなたに一任します」

「……でも、ベルトさんやアンクの見立てだと……」

「ええ、強いのでしょうね。ですが、それは誰が監視の任についても同じです」

 重い空気が流れる。それを一蹴するようにベルトさんが切り出す。

「千歌!ダイヤの真意はこうさ!『光太郎は使えるから、引き込みたい!』」

「え?」

「だけど、実際に接してみないとわからないだろ?だから千歌にお願いしているんだ!だってこのメンバーを集めたのは君だろ?だから、一番見る目のある、君にお願いしているんだ!」

「……ダイヤさん?」

「私は監視をしろって言っただけですわ。それ以外には望んでいません」

 口元のほくろをかく。

「花丸ちゃんは?」

「……危なくなったら、マルが叩くずら」

「……わかった」

 

 みかん色の髪の女の子、千歌は旅館の娘だ。普段は姉たちでこの旅館を切り盛りしている。ここに泊まるのは、今やもの好きな者たちだけとなってしまった。姉たちに事情を説明し光太郎用に部屋を一室用意する。

「あの、あなたも、もしかして?」

「妹さんとは多分事情は違うと思いますが……」

「そう、ですか」

 繁忙期というのに客室はガラガラだ。光太郎は部屋に案内された。

「いい部屋ですね」

「我が家だと思ってもらっていいですからね」

「あの黒髪の子からは監禁なんて言われましたけどね」

「ダイヤちゃんは不器用なのよ。あと花丸ちゃんもすごかったでしょ?」

「人間不信ですね」

「うん、その……根は悪くないのよ」

 姉はそう言うと戸を閉めた。光太郎は周囲を見渡す。旅館とあって、やはり監禁されているという感覚はない。拘束する道具も何もないのだ。窓を開け、外の海を観る。そこには自然の雄大な景色があった。窓のすぐ横に大きなカブトムシも止まっている。しばらくすると、戸が開く。

「失礼しまーす」

 そう言うと千歌が入ってきた。

「千歌ちゃんだよね。どうしたんだい?」

「えっと、ライダーのことを知りたくて」

「ん?」

「だって!知らないライダーさん!しかも花陽さんも、ダイヤさんも、ルビィちゃんも、星の本棚も知らないライダーさん!千歌、部室ではああだったけど、気になってしょうがなかったの!」

 光太郎は困惑する。

「えっと、千歌ちゃん?」

「はい!」

「君は俺を監禁しているんだよね?」

「うん、そうなりますね……」

「だったら、まず俺を何らかの形で自由を制限するべきなんじゃないかな……?」

「……は!?」

 いかにも今、気がついたような反応をする。だが、その直後に

「でも、大丈夫ですよね」

 そう言った。

「根拠は?」

「だって自分から自分の自由を奪え、なんて敵側の台詞じゃないですし!」

 光太郎はダイヤの真意がわかった気がして、窓の網戸をしめた。

「さて、ライダーの話だったね。でも、君たちとは全く違う気がするよ」

「それでもいいんです!」

 目を輝かせて彼女は言う。

「うーん。俺が知っている範囲で話すね。ライダーっていうのは自由と正義のために戦うヒーローさ!」

「自由と、正義?」

「そう。そしてそれが人類の平和に繋がるってのはみんな変わってないはず」

「人のため?」

「ああ。少なくとも俺の世界ではそうさ」

「ふーん」

 冷たく彼女は言った。

「あと俺を含めた先輩ライダーは改造人間なんだ」

「か、改造!?ロボットなの?」

 千歌はその改造という言葉に反応する。

「アンドロイド、といえばいいかな。とにかく人の体ではない。ライダーは元々敵側の兵器だったんだよ」

「人の敵なの?」

「でもね、いくら体が敵に支配されようが……人間ではなかろうが、人の精神までは支配できないんだよ。俺や先輩、そして」

 光太郎はすっと戸を開けると少女二人がなだれ込んできた。

「うわあ!」

「曜ちゃん!梨子ちゃん!」

「盗み聞きするのも、支配できない証拠」

「いてて……」

 二人は座る。

「今度はこちらだね。3人さん」

「うん。こっちのライダーはね、正義の味方とかそんなものじゃないの」

「畏怖と恐怖の使い。それが私たちよ」

「畏怖と恐怖?」

「光太郎さん考えてみて。そもそも何で怪物たちが出るのか。怪物が先なのか、それともライダーが先なのかは置いておいて」

「……まさか、ライダーを原因としているのかい?」

「そうなんです。怪物がいる。その自然としてライダーの力が顕現する。つまり、ライダーがいなければ怪物もいない」

「……」

「だからみんなにとってライダーは終わらない自然災害。畏怖であり恐怖の使いなんです」

「そして悪は連鎖する。終わらないんです。だからライダーを2箇所に集約させて被害を集中させているんです」

「私たちが戦わないと、地球が悪の手に沈む。だから」

「つまり君たちは悪を潰しても新しい悪が産まれるのもわかっていて、終わらない戦いを続けているのか」

「はい」

 光太郎は少女たちを哀れに思った。光太郎の戦いは明確な目的があった。明確に潰す敵がいた。しかし彼女たちはそれがいない。それを潰しても、また違う悪が栄える。出口の見えない恐怖と戦っている。そして何よりもそれを周囲の人間が理解していないのだ。光太郎は絶句する。

「……わかった。俺はできるだけ協力をしよう」

「本当ですか?」

「元からそのつもりだったしな」

「……元から?」

「俺は声を頼りにここまできたんだ。助けて、っていう声。私の仲間を助けてって声を」

「!ねえ、それってどんな声?どんな姿!?」

 曜が光太郎に迫る。それを二人は止める。

「曜ちゃん、落ち着いて!」

「声は少女で、おそらく君らと変わらないはずだよ。姿は見てないんだ」

 曜は落ち着く。小さく謝罪をすると座り直した。それから3人は彼から質問責めにされたが、彼は詳細を飲み込めなかった、というより説明者があまりわかっていないようだった。千歌は仲間に連絡し、話し合いの機会を設けた。

 




※今さらですが、この物語はAqoursが中心となって展開していきます。
※しばらく花丸ちゃんはこんなキャラです。
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