アンク
メダルの怪人グリード。
約10年前に幼少期の果南が発見。以来、世話をしてもらっている。果南をオーズにしたのも彼である。かつての相棒と同じように果南をサポートしているが、過去のことを一切言おうとしない。
ベルトさん
本名クリムスタイン・ベルト。ドライブドライバーの意思であり、幼少期の鞠利の話相手でもある。よくよく暴走する彼女を制するために、自分からドライバーに入りサポートすることを決意した。
ライダー
千歌は7人を招集した。場所はいつもの部室。そこには、昨日疲労で倒れた果南、そして鞠莉もいた。鞠莉は光太郎のことを見ない。一通りはダイヤから聞いたが、それでも怪しいと思っている。果南も疑問はあるが、ダイヤが決めたことなら、とそこは納得していた。
「光太郎さんに事情を説明するのもかねて整理したいんだ。私自身も結構複雑になってきたからわからないんだよね」
「つまり、光太郎さんに『この世界のライダー』と『現状』を説明すればいいんだね」
果南が言う。
「というより俺が聞きたい」
「ん?」
部室をこつこつと叩く生物。正確には無機質の生き物であるが、彼女達にはそれが何を意味していた。千歌はパソコンを開き、他の者も光をさえぎる。そして千歌はプロジェクターにつないで画面を映した。そこには少女たちと、一人の青年。そして光太郎はその青年に見覚えがあった。あちらも気がついたのか画面をじっと見ていた。
「あ、あー。こちらは音ノ木坂。浦の星のみんなは聞こえるかしら」
「はい。問題ありません」
「ハラショー!ちょうどそっちも話そうとしているのね。いいタイミングだわ」
絵里はそう言うと士をちらっと見た。
「この議会の発案者は俺だ。俺とそちらで祖語があったらいけないと思ってな。そっちには若い光太郎がいるのか」
「やはり、君か」
「で、議題は何ずら?」
「こちらの世界の『現状』を説明して欲しい。そしてその説明に適任な奴がそちらにいると聞いている」
「ダイヤ、頼みます」
黒髪の少女、ダイヤはすっと立ち上がった。
「では皆さん、私の認識で間違っていることがあれば正して下さいね」
そう言うと彼女は話した。
「まずは、光太郎さんと、ピンク色のライダーさん?」
「あれはマゼンダという色だ。俺は門矢士だ」
「では士さん、お二人にお聞きしますが、ライダーについて何か聞きましたか?」
「俺は千歌ちゃんから『恐怖と畏怖の使者』と聞いた」
「ほう、光太郎。それは初耳だ」
「ライダーが『顕現』するたびに敵も増える。だからライダーは終わらない自然災害のようなものだ、そう聞いた。千歌ちゃん、これで大丈夫?」
「うん。こっちの地方だとそうだよ。だけどたぶんあっちだと若干違うはず」
「俺は説明を受けていないが、絵里と希の話を聞く限りではそれを『自浄作用』と呼んでいたがな」
「ええ。その通りです。この世界でライダーとは自然災害の一種と捉えられていますわ」
「それは敵を呼ぶため、なのか?大人たちはこの力を利用しようとしないのか?」
この発言を聞いたダイヤは少しむっとし、
「私達は自然災害ですのよ?実際に詳しい解析なんてしたら罰が当たる、なんて言われていますわ」
その直後に画面の向こうの赤髪の女子高生、真姫が言う。
「……自然災害って軽減はできるけど完璧に失くすことはできないじゃない。だから、無理に関わると今度は自分達に災害が来るって思っているのよ」
「……光太郎さん、士さん。私達っていうか、私以外のみんなってこの能力が小さい頃から顕現していたんだ」
曜は言う。
「周りからはさ、化け物とか言われちゃうんだよ。だから、さ。いろいろ辛い経験をみんなしているんだ……そんなみんながさ、協力すると思う?」
沈黙した。
「続ける前に質問は?」
「ここにいるのは、全員ライダーなのか?」
その問いかけに
「はい。ですが正確には私と妹のルビィは二人で一人なのでこの世界には現在17名のライダーがいることになります」
「他にはいないのか?」
「おそらく、ですが」
「結構ツイッターとかにはライダーの目撃情報は上がるんですが、ネットだと信憑性が……」
曜は言う。
「凛たち以外で信憑性高いライダーって緑のかよちん亜種ぐらいにゃ」
「ああ、そうでしたわね。アギトの亜種の」
「アギトの亜種?」
士には青い髪の海未が、光太郎には隣に座っていた梨子が画像を見せた。画像を見た士は
「ああ、これはギルスだな」
そう確信をもって話をした。
「ギルス、というのですか?」
「ああ。アギトの世界で見た。何でも、アギトの別の姿というか変異体のようだ」
「では、花陽さんが?」
「い、いえ、違いますよ」
視線が集まったのは少しおどおどした少女。
「……こいつがアギトか。聞くが、アギトに変身できるか?」
「は、はい」
「じゃあ違うな」
これも彼は確信している。かなりの自信家であることがうかがえる。
「士さん、花陽ではないのですか?アギトの変異体と言ったのはあなたでしょう?」
「俺が知る限り、ギルスはアギトと同一の変身者か別人だ。だが同一の人物の場合、どちらかはなれない。ギルスとアギト、同時にはなれない、はずだ」
「……今は、説明が先でしょう。それからあのギルスについては相談すればいいですわ」
「うん、つまりギルスというライダーには協力を打診できるかもしれないんだね。他のライダーは存在自体が怪しいと」
「そう思っていただければ。あとは、『黄金のライダー』なるものがいますが、それは黄金の仮面をつけた沼津のご当地ヒーローみたいなものですわ。力は悪漢を倒す程度とのことですわ」
「ねえ、そのライダーって画像ないの?」
「それがどこ探してもないんです。だから存在が怪しいって」
「一応、仲間からの情報はあるんだけど……変過ぎて……」
「仲間?」
「曜ちゃんはコスプレが趣味なんです!」
「千歌ちゃん!コスプレじゃなくて制服が好きなの!」
「え?でも、自分で服着て……」
「千歌ちゃん、みかんあげる」
「わーい」
それで千歌は大人しくなった。何をしてるのよ、と絵里は言う。
光太郎はかつての敵にそのような者がいたことを思い出していた。邪悪な皇帝に仕えていたこそ不憫だったものの、部下の4人をいたわる心は味方にいると心強いと感じてはいた。
ダイヤは息をつく。
「さて、現状の戦局ですが、はっきり言って我々は厳しいですわ」
「ダイヤ、それに関しては私が説明するわ。あなたは休んでなさい」
画面の向こうのツインテールの小さい子が言う。
「私は矢澤にこ。仮面ライダー電王よ」
「なら、あのやかましい奴らは?」
「あいつら面倒見はいいから、ちび達の世話をしてもらっているわ」
「やかましい奴らって?」
「……あれって、士さん、憑依でいいの?」
「俺は全てのライダーに精通しているわけではない。電王はあいつらがいなければ変身できない、ということしか知らん」
士はそう言った。
「まあ、簡単に言うと、私は怪物の力を借りて変身するのよ」
そう伝えた。気を取り直すために襟を正した。
「さて、士さんと光太郎さん。組織を潰す上で重要なことって何だと思いますか?」
「リーダーを潰すに限るな」
「……まず、俺は目的を知りたい。共存の道があるかもしれないからな」
「そのリーダーも、目的もこちらは把握していないわ」
「待て。それってこちらの消耗戦じゃないか」
「ええ。私達は出てきた場所の怪人しか潰せないの。中心地がどこかもわからないわ」
光太郎は考える。
「……士君、君はロボライダーになれるか?」
「ああ。だが、俺はもっと確実にできる。中心地に関して、こっちは俺がみつけてやる」
「ではこちら側は俺が見つけるとしよう」
「え?にこ達で見つけられなかった中心拠点を見つけられるの?」
「むしろ、これだけライダーがいて、それすらわからないのが異常だ」
士はそう言い放つ。
「異常、とまでは言わないが、これだけのライダーの脅威に対しても下っ端しか出されないのは疑問を感じる」
「……まあ、いいわ。そこはお手並み拝見といこうじゃない」
「……あの、思ったんですけど」
ほのかが口を開く。
「私達ってもしかして、私達の能力を完全に把握していないんじゃないかな……もし、全部の力を使えたなら!あの子みたく理解していなくて……」
「やめるずら。ほのかさんでもこれ以上は許さないずら」
発言者はお茶をすする。静かな怒りがひしひしと伝わってくる。
「花丸、聞いて。もしかしたらね、士さんと光太郎さんが来た理由ってそれかもしれないの」
「……どういうことずら?」
「どのみち二人に話すことになるのよ。私たちの認識でいいかしら?」
「いいえ、絵理さん。こちら側の見解で話をさせてください」
鞠莉が睨む。
「落ち着くんだ」
光太郎は言う。
「お前らは事実を述べればいい」
士も言った。
ライダーピックアップ
黄金の仮面ライダー
沼津のご当地ライダーのようなもの。
一切の写真も、動画もない、謎の存在。
ギルス
敵の拠点を破壊し続けているライダー。目的が一切わからない。
電王
時間の管理者。変身者は矢澤にこ。
「やかましい奴ら」ことモモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスが憑依してフォームを変える。