カードファイト!!ヴァンガード ~僕等の日常はここから変わる~ 作:cross104
主人公たちの紹介もせずにいきなり名前を出してしまいますが、お許しください。
人物紹介についてはもう少し先になるかと思います。
それでは、どうぞ~
そんな世界の中の日本のある一軒家。
青年達四人が集まって何やら作業をしている。
「なぁなぁ。ここ、どう解くんだよ?」
「あぁ、ここは・・・」
四人のうちの一人が隣の青年に問う。
質問を投げかけた青年はシャーペンで頭をポリポリとかき、しかめっつらで説明を聞いている。
この青年の名は、嵺山 直斗(たかやま なおと)。
そして、直斗の質問に答えているのが、水川 利樹(みずかわ りき)。
利樹の方は眼鏡をかけている。
「で、ここがこうなるわけなんだが…。」
「…うっが~~~!!わからん!」
「わからんのかい・・・!」
利樹が説明を終えてチラッと直斗をみると、案の定直斗は頭を抱えて天を仰いでいる
そんな様子を呆れた目で見つめ、右手を額に沿えて頭を横に振っているのは、上田 裕哉(うえだ ゆうや)。
そしてまた彼も眼鏡を装備している。
そんな様子を見て、最後の一人が
「ハハハハハハハ!!迷える子羊達よ!筋肉のことなら私に任せろ!さぁさぁさぁ!どこの筋肉の鍛え方がわからんのかね?お兄さんに言ってみなさい!」
と、そんなことを言っているのは、神田 将弘(かんだ まさひろ)。
筋肉筋肉言っているが、服の上からでは言うほど筋肉がついているのかはわからない。
そんな彼もまた眼鏡を・・・というわけではないようだ。
「「「筋肉は今、関係無ぇから。」」」
と、三人に一気に言われねじ伏せられる将弘。
「はぁ、お前ら受験まで後二週間ねぇぜ?こんな調子で大丈夫かよ・・・。」
溜息交じりに利樹が話す。
そう、彼ら四人は中学三年生。四人で同じ高校に行くために奮闘しているのだ。
「そうは言ってもさ、俺達結構頑張ったぜ?正直これなら皆絶対合格だろ?」
と、直斗が気だるそうに話す。
「確かに。でもな・・・。」
そう利樹が区切り、直斗の目の前に座り、
「四人の中でいっちばんバカで一日あけると覚えた大半のものがすっとんでくどっかのバカが一緒の高校行こうって言うから今やってんだろうがあぁん!?」
と、利樹が直斗の頬を右手でギュゥと潰す。
直斗は口を3にしてまるでアニメのようにだらだらと涙を流しながら
「ふぁい、しゅびまぜん・・・」
と謝罪をする。
「まぁまぁ、その辺にしとけよw」
と、笑いながら裕哉が止める。
将弘はなぜか腕立てをしていた。
「はぁ・・・。まぁ、とりあえずいい時間だし、解散するか。」
「「「うえ~い!!」」」
利樹の解散を合図に三人はよくわからない声を上げ解散していく・・・。
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「なんだかんだで、みんな合格できましたなぁ~。」
将弘が頭の後ろで手を組み、しみじみと呟く。
「あんだけやったんだ。当然だよ。」
利樹が突っ込むように言う。
「とりあえずこれで後顧の憂いは無くなったわけだ!」
直斗が両腕を上げ天に向かってガッツポーズ。
「それ、使い方あってんのか?・・・まぁとにかくよかったよかった。」
裕哉が少し疑問をぶつけたが、すぐにどうでもよくなったようだ。
実は今日はとある高校の入学式だったのだ。
そしてその高校は四人が志望し、受かった高校であった。
そんな入学式を終え、ほっとしていた四人のもとに、一枚の何かが降ってきた。
「・・・あ?」
その微妙な影に三人は気づかなかったが、利樹だけが気づいた。
ピタリと上を見て止まった利樹に気づいた先行していた三人は首を傾げながら利樹に近づく。
利樹は降ってくる何かをジャンプして手に入れた。
「どうしたよ?利樹?」
裕哉が尋ねる。
「なぁ・・・これ、何だっけ。見たことある気はするんだけど。」
そう言って、利樹は手にしたカードを見せる。
その面には、「Vanguad」の文字。
それを見て一人・・・将弘だけが答えることが出来た。
「それってさ、ヴァンガードじゃね?」
「「「ヴァンガード・・・。」」」
将弘の答えに、他の三人は聞き覚えのあるような無いような名前に戸惑っていた。
「あ~・・・中学の時の部活の連中がやってたから知ってるんだけどさ。
最近、一気に世界規模でカードゲームが流行してるだろ?そのカードゲームの中で、今最も人気が高いやつ。
それがヴァンガード、だよ。」
「あぁ、そいや確かに俺の部活のやつらもやってた気がする。」
将弘の説明にうなずく利樹。直斗や裕哉も同様にうなずいていた。
そして、利樹は表面を見る。
「・・・ん?この三角は何て読むんだ?バミューダ・・・候補生リヴィエール、か。」
「あぁ、それは、△(トライアングル)、と読むんです。」
利樹が呟いた瞬間に後ろから声がかかる。
それと同時に四人のゆるっとした空気が一気に張り詰める。
真顔になり、全員で一斉に振り返る。
四人は睨んでいるわけではなかったが、その眼光は鋭かった。
「おやおや、少し驚かせちゃいましたかねぇ・・・。」
振り返った四人の目の前にいたのは、動揺し、冷や汗をかいている男性だった。
その男性は、おじさんと呼ぶにはまだ若く、しかし青年と呼ぶにはもう遅いくらいの歳の、言わば「お兄さん」であった。
男性の姿を確認し、店のエプロンをしているため、どこかの店員だと理解した四人は安堵のため息をついた。
「あ~。えっと、すみません。それは僕の店のものなんです。・・・君たちは、このカードを知らないのですか?」
「あ、はい。俺・・・僕たちは、あまりそういうのには手をつけたことがなくて・・・。」
店員の質問に、先ほどのカードを返しながら、利樹が答える。
「ふむ、そうですか・・・。よし!なら僕が君達にヴァンガードを教えてあげましょうか!」
と、唐突に店員が提案をする。
四人は少し驚いたが、直斗が
「どうするよ?俺は別にかまわないんだが。」
そう聞くと
「そうだな。悪くないんじゃないか?」
「今まで勉強ばっかでつまんなかったしなぁ。」
「俺、実は皆がやってるの見てちょっと興味あったんだよね~。」
利樹、裕哉、将弘の順で肯定に似た返事をする。
店員は少し待ち、彼らに異論がないと判断すると、
「よし!決まりですね!それでは・・・っとそうそう!自己紹介がまだでしたね!
僕はこの後ろのカードショップ、カード・セントラルの店長、天道 進(てんどう すすむ)です!
よろしくお願いしますね!さぁ、ではご案内しますよ!」
なんとこのお兄さん、店員でなく店長だったのだ。
そして四人に自己紹介を返させる暇も与えずずんずん進んでいく店長・天道。
まず四人はここにカードショップがあったことに気づいていなかったため、ポカンとしていた。
その後…
「「「カード・セントラル・・・。」」」
直斗、裕哉、将弘が呟く。
(カード・セントラル・・・。「カードの中心」、か。短絡的で直球な名前だな。)
と口には出さないが利樹は心の中で呟き苦笑する。
「皆さんどうしたんですか?早くこちらへいらしてください!」
何だかみなぎっている店長に急かされ、四人は顔を見合わせてから、歩きだした。
* * *
「お。おいおいおい・・・。」
店に入った瞬間、直斗はそう呟いた。
店内は外見以上に広く、ショーケースがずらりと並び、中にはカードがぎっしり入っている。
他にも大量のトライアルデッキ、ブースターパックは勿論、カードケースやスリーブ、ストレージボックスなどのアイテムも充実していた。
さらにその奥には広いスペースがあり、自分の腹くらいの高さの机の前に立ったり、低い机の前に座ったりして、各自何かをしていた。
その「何か」とは、カードファイトは言うまでもなく、デッキの構築だったり、ブースターパックの開封だったり様々だ。
「ふふふ。びっくりして声も出ない、といった感じですかね?」
絶句する四人を目の前に、店長はどこか誇らしげに言った。
「とりあえず、君達は初めてなので、言わずともわかると思うであろうところも含めて一から説明させていただきますね?」
店長の問いに頷く四人。
店長はそれを見て説明を始める。
彼はその場ですぐ左を指し、
「それじゃ、まず入ってすぐ左。ここが、レジになります。欲しい商品を手にとって、ここに持ってくれば会計が出来ますよ。」
利樹は店長の説明に合わせて目を動かす。
左のレジカウンターを見た時、レジ打ち機の前にもブースターパックがおいてあることに少々驚いた。
次に店長の手につられるように先ほどのショーケースや商品棚のスペースをみる。やはり何回見ても膨大な量だ。慣れるには時間がかかりそうだ、と息をつく。
そして再度左を見たとき、レジに座っている女性を発見した。正直、先ほどの時には全く気付かなかったのだが…。
「「・・・あ。」」
その女性は可愛いというより綺麗であり、相当な美人であったが、顔立ちに少し幼さを残していた。
その顔に見とれていたわけではなかったが、利樹はその女性を凝視する形になってしまっていた。
その視線に気づいたのか、女性がふっと顔をあげたとき、利樹の目の焦点もしっかりとし、目がばっちり合う形になった。
「あ・・・えっと、初めまして。水川、利樹って言います・・・。」
「ご、ご丁寧にどうも・・・。私は、大谷 千春(おおたに ちはる)です。よろしく・・・。」
利樹は何か言わなければまずいと判断し、とっさに自己紹介をする。
それに合わせ千春と名乗った女性も自己紹介。
そのやりとりに気付いた店長は
「あぁ、彼女はいつもこの店を手伝ってくれてるんですよ。バイトなのにもうたっぷりシフト入れてくれて大助かり!」
そういって千春を称えた後、
「そう言えば皆さんのお名前を聞いていませんでしたねぇ。」
「あ、はい。先ほども言いましたが、俺・・・僕は水川利樹と言います。」
「僕は嵺山直斗です。よろしくお願いします。」
「あ~・・・、僕は上田裕哉です。」
「神田将弘っす!よろしくです!」
店長のわざとらしい問いに律義に答える四人。
「利樹君、直斗君、裕哉君、将弘君、ですね。よろしくお願いします。
あぁ、それと、もっと楽にしていただいて結構ですよ。一人称は俺でも僕は気にしません。」
店長はにこやかに笑い、そして
「それでは、商品スペースの向こうのファイトスペースでヴァンガードについて教えます。
皆さん、準備はよろしいですか?」
たかだかカードゲームを教わるだけだとわかっているのに、そういう言い方をされ、無駄に四人は緊張する。
そして
「・・・ja(ヤー)。」
「OKです。」
「はい、大丈夫です。」
「イェス、マム!」
四人は各々返事をする
「ふふふ、良いお返事です。それでは行きましょうか。ついてきてくださいね!」
店長は千春に何か言い、デッキを二つ受け取り歩き出す。
四人も息をのみ後に続いた。
そして、四人の日常は、ここから変わる。
この話はカードに触れたことのない主人公四人の日常から、カードへ触れたことによって未知の領域に進む非日常へ変わる瞬間…の、つもりです。
次はファイトルールになります。
わかる方には退屈なお話になるかと思いますが…。
そういう方は飛ばしちゃってもいいのかな、とおもったりもしてます。