今から9年前の話だ。当時、小学一年生だった俺は母と一緒に近所のスーパーへ向かっていた。親子で手を繋ぎながら買い物に出かける。
どこの家庭でも見られる幸せな光景だ。しかし、そんな平和な日常は一瞬にして奪われることとなる。
急に現れた男に母は一方的に暴行を加えられ殺されたのだ。7才で非力だった俺は母が殺される様を呆然と見ていることしかできなかった。
母を殺した後、犯人は逃走。しばらくして警察が捜査を開始するも何の手がかりも掴めず事件は迷宮入りとなり捜査は打ち切られてしまった。
犯人を見つけれないまま捜査が打ち切られるのが納得できなかった。
怒りの余り壁を思い切り殴る。そして俺は、あ
る一つの決断をする。
「そうだよ......警察が捜査を辞めるんなら俺が自力で犯人を見つけりゃいいんだよ......。絶対に母を殺した犯人を見つけ出して、この手でブチ殺してやる......ッッ!」
復讐という誓いを立てて殺意の衝動に駆られた俺は指の爪が皮膚に食い込むほど強く拳を握りしめていた。
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下校のチャイムが校舎に響き渡る。生徒達が楽しそうに談話しながら下校しているなか俺は体育館裏に向かっていた。三年の不良達に呼び出しをくらったからだ。
まぁ、どこの学校にもある生意気な一年をシメるってやつだ。空手の大会で優勝して学校中からチヤホヤされてたから目をつけられたのだろう。体育館裏にたどり着くと不良グループが俺を待ち構えていた。
「よぉ神鳥~。オレ達に呼び出された意味わかってるよなぁ~」
不良の一人がガンを飛ばしながら顔を覗きこんでくる。
「くだらねぇ空手の大会で優勝したくらいで調子に乗ってんじゃねぇぞ。空手と喧嘩は違うって事を教えてやんよ」
そう言うと男はベルトに挟んでいた鉄パイプを取り出した。
「体育会に舐められてちゃオレ達みたいな不良はやってられねーからよぉ。悪く思うなよ神鳥ィ!」
男は鉄パイプを振り上げ俺に殴りかかってきた。しかし俺は鉄パイプを軽々と避けて男の脇腹に中段回し蹴りを放った。蹴りはキレイにクリーンヒットし男を数メートル吹き飛ばした。余りの激痛に男は地面をのたうち回る。
「テメエ......やりやがったな神鳥ィ!!生きて帰れると思うなよ!!」
仲間を倒された不良達は臨戦態勢に入る。敵の数は三人。多人数を相手にする時の鉄則は弱い奴から確実に数を減らすことだ。俺は左側にいる細い奴をターゲットに決めた。
「セイッッ!!」
俺はターゲットに向かっていきなり上段回し蹴りを放った。靴の爪先が顔面を捕らえてターゲットの意識を一瞬にして刈り取った。
「うおおおおおおッッ!!」
再び仲間を倒され激昂し、前方にいた男が蹴りを放ってきた。俺は蹴りを下段受けで弾きとばし男に目突きをおみまいしてやった。
「ぐおおおおおおッッ!!」
男は目を突かれて痛そうに涙を流していた。だが躊躇してはいけない。敵に反撃の機会を与えてはならない。攻撃あるのみだ。
俺は苦しんでいる男を頭突きから回し蹴りのコンビネーションで一方的に叩きのめした。
「残りはアンタだけだな」
俺は鋭い目つきで残りの一人をにらみつけた。
「ヒッ......ヒィィィ!!」
最後の一人は俺に勝てないと思ったのか仲間を置いて逃げていってしまった。
「ったく。逃げるくらいなら最初から絡んでくるんじゃねぇよ.... 」
怒号が飛び交っていた体育館裏は静けさを取り戻していた。
地面を見渡すと俺に叩きのめされた不良達が苦しそうに、のたうち回っていた。まったく罪悪感は無い。自業自得という言葉しか思い浮かんでこなかった。
「う~ん。見回りの先生がきたらマズイし.....とっとと帰りますかねぇ」
今の状況を見られたら間違いなく職員室送りになるだろう。
俺は面倒事にならないように退散することにした。
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薄暗い空間の中、一人の男がイスに座っている。イスの回りには男を囲むように数台のモニターが設置されており様々な光景を写し出していた。
「クク.....【覚醒】の時は近いようだな......」
男はある一つのモニターをジーっと眺めていた。
「あの女の息子か.....。もう少しやると思っていたが所詮この程度の実力か..... 。」
男はモニターの画面をどんどん切り替えていく。
「希望か絶望か。果たしてどんな結末を見せてくれるのか楽しみだ.....。血塗られた運命に抗うがいい神鳥千裕よ......。そして私の所までたどり着いてみせろ。クク......。」
魔法少女まどか☆マギカ~拳撃の物語~
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