もし彼女に1人の理解者が居れば

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もしもマキちゃんに理解者が居ればこうなったのかなという物です。


カミサマネジマキ

私は考えた。「願いを叶えてくれるモノを作れば皆が喜んでくれるのでは?」と。

 

それから毎日研究の日々だった。友達はみんな私を避ける。そりゃ当たり前だ。こんな研究なんて成功するわけが無い。

 

そんな私だが1人だけ、唯一の友達と呼べる存在がいた。

 

彼だけは私を分かってくれた。私の研究も手伝ってもらった。

 

「いいの?」

 

「なにが?」

 

「私がしているのはカミサマを創る事だよ?」

 

「それがマキちゃんのしたい事なら僕は最後まで手伝うよ。」

 

「そう。ありがとう。」

 

「いえいえ、それじゃ続けよっか。」

 

 

それから幾年か経った。

 

遂に試作品が完成した。

 

名前は「人生リセットボタン」

 

願いは叶えることは出来ないが、自分の『今』をリセットして『過去』にタイムリープが出来るというものだ。

 

「マキちゃん!完成したね!」

 

彼はここまで長かった私の夢に着いてきてくれた。本当に有難い。

 

「でもまだスタートラインに立っただけ…」

 

「うん!ここからまた頑張ろう!」

 

「そうだね。」

 

それから試作品を改良していった。気が遠くなるような研究の日々だった。

 

私と彼は何時からか本格的にお付き合いを始めた。

 

それでも研究は続いた。

 

何年経っただろうか。

 

2人はもう結構な歳だった。

 

「完成した…」

 

「や、やっと出来た…」

 

私と2人でやっと完成したんだ。

 

願いを叶えるカミサマ

 

『カミサマネジマキ』

 

ネジを巻くだけで夢が叶うなんてこれ程に素晴らしいものは無いであろう。

 

それから、量産をして、私たちの店を建てた。『カミサマネジマキ』を多くの人に使ってもらいたかった。

 

それからだった。

 

量産も出来た。私たちの店も建った。販売もした。それなのに店に来るのは自分の欲を満たすために使いたいって人達だった。

 

幸せなんてものは望んでなかった。だから私達は本当に必要な人たちの元にカミサマネジマキを送ることにした。

 

それが一番報われる。私たちの努力がちゃんと報われる。

 

でもダメだった。こんな事で幸せにならなかったんだ。カミサマなんて作っても…

 

それでも彼は言ってくれた。

 

「マキちゃんのした事は間違えなんかじゃないよ。皆を幸せにしようとしたんだ。それだけでも素晴らしい事だよ。」

 

そう、彼だけは私を認めてくれたんだ。

 

押し掛けてくる人たちが日に日に増えて私達は考えていた。

 

「どうしよっか。」

 

「なにが?」

 

「逃げる?」

 

彼の提案は逃げることだった。

 

「逃げてさ、僕達だけの世界を創ろうよ。」

 

「それもいいね。」

 

私は彼の提案に笑ってしまった。

 

 

 

 

 

周りの人たちは静かになった。煩かったのでカミサマネジマキで遠くに飛ばした。

 

私達が2人で外に出ると、1人の彼女が外に立っていた。

 

「世界を元に戻してよ!」

 

彼は彼女に言った。

 

「僕達は君たちの為に『カミサマネジマキ』を作ったんだ。それを使うのは僕達じゃない。君たちなんだよ?欲に塗れた願いなんてしなければこんな事にはならなかったはずだよ。」

 

彼が言うことは正しい。私たちは皆に幸せになって欲しくて創ったんだ。

 

それでも

 

それでもさ

 

「私が責任を取ろう。もうこんな世界には付き合えない。」

 

「今度の標的は誰になるかは知らんが、まあいい。私が死ねばこの場は収まるだろう。」

 

「マキちゃん…」

 

すると彼から衝撃的な言葉が聞こえた。

 

「僕も一緒に死ぬよ。僕にも責任はある。」

 

「ふっ。お前はいつまで経っても馬鹿は治らないな。」

 

「えへへっ。」

 

彼の右手が私の右手を掴む。

 

「そこの女の子。カミサマネジマキを上手く使えるかは知らないけど上手く使えばこの世界を戻せる。僕達の研究室に行けばまだ何個かあると思うから。」

 

「機械仕掛けのその手で僕達を殺して!」

 

彼の一言でカミサマネジマキが起動し始める。

 

「「それではさよならまたいつか。」」




ありがとうございました。

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