比企谷八幡と神の舌を持つ少女   作:Oceans

14 / 22
感想・評価・お気に入り登録
ありがとうございます。

それでは、今回もよろしくお願いします。


第14皿 食戟対決

そして、俺はえりなの待つVIPルーム

へと入った

 

「うーす」

 

「ちゃんと来たわね。八幡くん」

 

「あんなメールが来たらくるだろ。

それと、新戸はどこだ?いないみたいだが…」

 

「緋紗子には席を外してもらってるわ

八幡くんと2人きりで話がしたかったからよ」

 

「そうか。それで、俺に話ってなんだよ」

 

「幸平くんについてよ」

 

「ん?あいつかどうかしたのか?」

 

「なんで八幡くんは、幸平くんを

気にかけるの?」

 

「前にも言ったが、俺は幸平の料理に

興味があるだけだ」

 

「本当にそれだけ?」

 

「ああ、それだけだ」

 

「よかった…」ホッ

 

えりなはよかったと胸を撫で下ろしていた。

 

何がよかったのか俺には分からなかったが…

 

「それより、幸平くんはそんなに凄いの?」

 

「まぁ、今日の食戟を見ればわかるさ。

ところで、えりなはどっちが勝つと思ってるんだ?」

 

「もちろん、彼女よ。八幡くんは?」

 

「もちろん、幸平だな」

 

「その理由を聞いてもいいかしら?」

 

「ああ。その前に入場が始まるから、

その後にでも説明する」

 

「わかったわ」

 

そう言って、俺とえりなは会場の方へと目を向けた

 

「お待たせしましたぁ!食戟管理局より

この勝負が正式な「食戟」であると認定

されました。まもなく、開戦しますっ!

司会は私、川島麗が担当します!」

 

司会者がそう言うと

 

「オオオオオオー」

 

観客が大音量で叫んでいた。

 

「今回の審査員は3名!

1人目は料亭「くら季」の会長、蔵木さん

2人目は黒毛和牛評論家の尾藤良樹さん

3人目はテレビプロデューサーの岡本克典さんです」

 

そして、司会者が審査員の説明をした。

 

「そして、テーマは丼!メイン食材は肉!

それでは各コーナーより両者入場!」

 

その後、司会者がお題などの説明がひと通り

終わると選手の入場のアナウンスをした。

 

すると、会場内は歓声に満ちていた

 

「先に現れたのはミートマスターこと…

水戸郁魅ぃぃ‼︎」

 

最初は水戸の入場からだった。

 

「おおっ!キター!」

 

観客が水戸に向ける歓声はすごいな…

 

「」チッ

 

司会者はそれが気に食わなかったのか

舌打ちをしていた。

 

司会者なんだから、あからさまに嫌な

顔すんなよと俺は思ってしまった。

 

「さぁ、続いて幸平創真くんの登場っ!」

 

そして水戸の入場の後、幸平達が登場すると

 

「Boooo!引っ込め編入生」

 

もの凄いブーイングが会場中から湧き起こっていた

 

「なんと!水戸郁魅さんより大歓声の声が!

しかし、これはブーイングです!幸平くんは

怒号を浴びての入場です!」

 

「すごいブーイングだな。幸平」

 

俺が会場の様子を見ながら、そう呟くと

 

「当たり前よ!始業式にあんなスピーチ

をしたんだもの」

 

えりなは、イライラしながらそう言っていた。

 

「俺も似たようなスピーチをしたんだがな…」

 

そして、また会場に目をやる

 

「それでは改めて、勝負の条件を確認

しましょう!」

 

「水戸さんが勝てば、丼物研究会は廃部かつ

幸平くんの退学。そして、幸平くんが勝てば

丼物研究会の部費増額、拡張と調理設備の増強

さらに、水戸さんが丼物研究会に入部となります!」

 

「それと、今回はVIPルームに特別ゲスト

がきています!」

 

「そのゲストとは、遠月学園の十傑、

第十席の薙切えりなさんと、そして今日から正式に

遠月学園の十傑第零席に特別枠で加入することになった

「料理界のプリンス」こと、比企谷八幡さんです!」

 

なんで俺の説明なんかするんだよ。司会者!

 

紹介はえりなだけでいいだろ。

 

俺は目立ちたくないんだよ。

 

案の定、会場内はざわついていた

 

「えりな様がなんでこんな小規模の食戟に?」

 

「そんなの水戸がえりな派閥だからだろ」

 

「それと料理界のプリンスまでいるなんて!」

 

「しかも特別枠で十傑に入るなんてすごい!」

 

観客から、そのような声が飛び交う。

 

ああ…これで俺の平穏な生活は終わったな。

 

なぜか隣にいるえりなは嬉しそうにしている

 

まさか…

 

「まさか…この俺の紹介って、えりなが

仕組んだのか?」

 

俺は、えりなにそう聞いた

 

「ええ、そうよ。八幡くんは凄いのに

周りからはあまり注目されていないのが私には

それが耐えられなくて、こうしたの」

 

やっぱり、えりなの仕業だった。

 

「いや、俺は目立ちたくないんだから

そっとしておいてくれよ。はぁ…」

 

「ふふっ、諦めなさい。八幡くん」

 

これで、俺は目立つ存在となってしまった

のだった…誰に言ってんだ、これ…

 

 

「それでは…食戟開戦!」

 

そして司会者のこの一声で食戟は開始された。

 

幸平と水戸はそれぞれ調理に入った。先に行動を

起こしのは水戸だった。水戸はやはり最高ランクの

A5牛をだした。そして、クレバーナイフで

豪快に的確かつ繊細に切っていった。

 

「水戸の肉捌きは凄いな…さすがは

ミートマスターか」

 

俺が水戸を見ながらそう呟くと、

えりなが反応し

 

「そうよ。彼女は肉を自在に操れるだけの

パワーを持っているけれど、それが彼女の真骨頂

ではないのよ。むしろ逆で繊細さにあるの」

 

と、そう俺に説明していた。

 

「へぇ…」

 

「八幡くんにも聞こえるんじゃないかしら?

肉のソナタを…」

 

「そうだな…」

 

そして、幸平はというと700円の肉を使っていた。

 

それをみた、観客は舐めてんのかと怒号を

浴びせていた

 

「ふん。安物の肉を使うなんて…愚かね」

 

えりなも観客同様の意見を持っていたようだ。

 

「これでもまだ、幸平くんが彼女に

勝てると言い切れるのかしら?」

 

えりなは勝ちを悟ったような顔つきで

俺にそう問いかけた。

 

「ああ、言い切れる」

 

だが、俺は幸平の勝利を確信していた。

 

「なっ‼︎」

 

「なんで、そう言い切れるか教えるまえに

ちょっとした質問だ。今回のお題はなんだったか

覚えているか?えりな」

 

「肉を使った丼物でしょ…ってまさか…」

 

「えりなもやっと気づいたか。そう今回の

お題は丼物だ。だから肉さえ良ければいいって

もんでもないんだ。ご飯と肉の相性で決まる。

だから幸平が使ってる安い肉でも十分に勝てる。

それを、幸平がこの勝負で教えてくれるだろうな」

 

「ふん!そんなのまだわからないわ」

 

「どうかな…」

 

そう会話した後、幸平達の調理台に目を向けた

 

「それまで!これより審査に入ります。

両者、品を前へ!」

 

そして、司会者から調理終了の合図があり

両者共に、給仕の用意に入った。

 

「それではまず、水戸さんから料理を

披露してください!」

 

司会者がそう言うと

 

「あたしが作ったのは「A5和牛のロティ丼」

だ!」

 

水戸がそう言って、品を審査員に披露した

 

「「「おー」」」

 

「カットされた肉が一輪の花の様…こんな

美しい丼にお目にかかれるやなんて嬉しいわぁ」

 

そして、3人の審査員は水戸が作った品を

食べ始めた

 

「これだよ。このずしりとした旨味が

A5牛の美味しさ。そして、この肉は火の角度まで

計算されている!なんと素晴らしい!」

 

「本当ですね。そして花弁の下にある、牛脂と

バターで炒めたガーリックライスも絶品だ!

このガーリックライスだけで3杯は食えそうっす」

 

そう審査員は評価していた。

 

水戸はその言葉に満足そうにし、ドヤ顔をして

勝利を確信していた。

 

「これは、水戸の勝ちだな。編入生は

これで退学だな」

 

観客も水戸の勝利を確信していた。

 

しかし…それは間違いだ。

 

さっきの審査員の最後の言葉を思い出してほしい。

 

ガーリックライスだけで食えると。

 

それは、丼としては完成していないと同じだ。

 

これで、水戸の勝利はないな…。

 

そして、次は幸平の番になった。

 

「では、幸平創真の審査に参りましょう!

題して何丼でしょうか?」

 

司会者は幸平にそう聞いていた。

 

「そうだな…名付けてシャリアピンステーキ丼

幸平流スペシャルバージョンかな」

 

そう幸平が言っても、審査員はあんまり

興味を示していなかった。

 

「シャリアピンステーキね…。

幸平くん。それでは彼女には勝てない。

残念だったわね。八幡くん」

 

えりなも幸平の料理を見て、俺にそう言った

 

「それはわからんぞ。えりな」

 

「なぜかしら?」

 

「それは、あの光景を見ればわかるさ」

 

俺はそう言って、会場の方を指差した。

 

えりな 「あの光景……っ!」

 

えりなもその光景を見て驚いていた。

 

その光景とは幸平が作ったシャリアピン

ステーキ丼を審査員がもの凄い速さで

食べているところだった

 

「手が止まらない!肉の柔らかさも

さることながら、たっぷり載った

みじん玉ねぎ…これが食欲を凄くそそる!」

 

「このコクは、赤ワインか⁉︎ステーキを

焼いた後のフライパンに赤ワインを投入して

残った肉汁を、煮詰めてその汁で

玉ねぎを炒めてあるのか…」

 

「その上、水溶き片栗粉によってとろみが!

このとろみが、肉とご飯に絡んで絡んで

たまんないっす!」

 

「しかも、味を整えているのは焦がし醤油や!

「焦げ」をも調味料として深い味に…」

 

「シャリアピンステーキに必須の玉ねぎに

手を加えて特製ダレを作り上げたのか⁉︎」

 

「しかも、肉もタレもしっかりした味なのに

食えば食うほど腹が減るような、無限に

食えそうな気さえするのは何故なんだ⁉︎

まだ何か秘密が隠れているのか⁉︎」

 

審査員の1人がそう言うと

 

「その仕掛けは米にある。その丼のご飯は手製

の「ねり梅」を切り混ぜた、さっぱり梅風味飯だ!」

 

幸平はこう答えた。なるほど、梅を使ったか…

 

「なるほど…この後を引くさっぱり感は梅か!」

その後も審査員は、幸平の品を食べていた

 

「あぁ…もう食べ終わっちゃったっす!」

 

「おかわりは⁉︎おかわりは出来ますのん⁉︎

ロティ丼も見事やったけど、より箸が進むんは

こっちの丼やね!」

 

「なにっ!」

水戸は審査員のその一言に驚いていた。

 

水戸の品はガーリックライスだけ残っていた。

 

これで幸平の勝ちは決定と見ていいだろう。

 

そして、幸平は水戸に自分の品を差し出していた。

 

水戸はその品を食べてはだけていた。

 

そして、審査の時間となり結果は

 

「なんと、勝者は幸平創真!」

 

当然のことながら、幸平創真が勝利した

 

「お粗末!」

 

「私が負けた…」

 

「幸平が勝ったな」

 

「やっぱり彼女ではダメだったようね」

 

「誰でも結果は同じだろ。それに、いい加減

認めたらどうだ?幸平のこと」

 

「…」

 

俺は、えりなにそう言ったが無言だった。

 

「ほどほどにしておけよ。幸平は別に

嫌なやつじゃないし、いい奴だ」

 

「そう…わかったわ」

 

「そうか。じゃあ、俺は幸平達の

ところへ行くわ」

 

「ええ…」

 

そして俺は、幸平達のところへ向かった

 

「幸平くんが羨ましいわね…」ボソッ

 

えりなは1人の空間でそう呟いていた。

 

☆☆☆

 

「おつかれさん」

 

俺は食戟会場から出てきた幸平に

そう声をかけた

 

「おう、比企谷か」

 

「勝ててよかったな」

 

「これで、丼研が潰されずに済んでよかったわ」

 

「幸平、比企谷、本当にありがとな」

 

「いえ、俺は何もしてないですよ。全部

幸平のおかげですよ」

 

「そんなことはない。比企谷が作った

シャリアピンステーキの試作があったからこそ

勝てたんだ」

 

「そうか?」

 

「そうだぜ!なぁ?田所」

 

「そうだね。食戟に勝てたのも八幡くんの

おかげでもあるよね」

 

「それじゃあ、今から食戟勝利の祝勝会を

しようぜ!小西先輩もいいっすよね?」

 

「ああ…めでたいからな。しよう!」

 

「でも、そんなお金あります?」

 

俺が小西先輩に聞くと

 

小西 「……」

 

小西先輩は黙ってしまった。

 

ないんかーい。わかってたけどさ…

 

以前の部費がない時点でな

 

「まぁ、俺がまたお金出しますよ」

 

「太っ腹だな。比企谷!それじゃあ

4人で行こうぜ」

 

そうして俺達4人は食戟の勝利を盛大に祝ったのだった…

 

そして、食戟に負けた水戸は丼研に入ることとなった。

 

もちろん、俺と幸平は入部はしていない。

 

そしてこの食戟の後は、毎年恒例のあの地獄の合宿

が待ちうけるのだった…

 

ーto be continuedー

 

 

 

ー 次回予告 ー

 

田所 「またやってきました。次回予告のお時間です」

 

幸平 「いぇい!」

 

田所 「それにしても、食戟勝ててよかったね」

 

幸平 「そうだな。食戟楽しかったな。今度は

十傑とやりたいぜ!」

 

田所 「そんなの無茶だよ、創真くん」

 

えりな 「そうね。あなたではまだ十傑には

勝てないわ。出直しなさい」

 

幸平 「そんなの、やってみないとわかんないだろ」

 

えりな 「いえ、あなたでは勝てないわ」

 

幸平 「なにを⁉︎」

 

田所 「創真くん。落ち着いて」

 

八幡 「えりなも落ち着け。ほどほどにしておけって

さっきも言っただろ」

 

えりな 「そうだけど…」

 

八幡 「それより、今は次回予告をするんだろ。

あとは頼んだ、田所」

 

田所 「うん!次回は「宿泊研修に向けて」だよ!」

 

幸平 「おー。楽しみだな!」

 

田所 「それではまた次回、お会いしましょう!」

 

えりな 「やっと、出番があったわ…」

 

ー 次回 予告 終わり ー

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

次話から不定期更新となります。

それでは、次回もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。