相剋のスラスト   作:雨風雷光

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~Light Raid~part1ーユメノコエー

時刻はヒトマルマルマル。

僕たちはある作戦のためにブイン基地に招集され、ヒトマルサンマルよりその概要と作戦の説明を受ける。

「失礼します。そろそろ会議室に行かないと準備に間に合わなくなりますよ」

「ごめん。今行くよ」

呼びにきたブインの提督に呼ばれ僕は会議室に向かった。

ーヒトマルサンマルー

これから会議が始まる。

「お集まりいただいてありがとうございます。今回の説明は僭越ながら俺が勤めさせて頂きます」

作戦テーブル。といってもシンプルにU字の全長約20mの机。そこに僕たちは秘書艦、ここではパートナー艦と言った方がいいだろう。そのパートナーと隣り合わせになるように座っていた。今回招かれた提督と艦娘は僕とブイン基地の二組の提督を合わせて九組。

「では初めましての方もいらっしゃるでしょうし自己紹介でも。いえ、ここは俺からですね」

会議机の前に立つ提督から自己紹介を始めた。

確かに長いこと提督をしている僕も初めて見る提督が多い。

「俺は雨風雷光。ここブイン基地の北東支部の司令官です。大本営からの連絡、特殊部隊育成の学校の教官もしています」

ー雨風雷光

男性

身長162cm体重82kg

パートナー艦 扶桑

身長175cm体重56kg

山城

身長172cm体重57kg

元特殊部隊隊長

槍術を中心に様々な技を使う。

扶桑姉妹の間の姉弟でもある

雨風くんは僕と仲が良く、戦う時はサポートし合う時もある。

「次は私か。改めて、私は式凪霧衛。ブイン基地離島支部の担当で剣術指南の講師もしている。初めて会う者もよろしく頼む」

ー式凪霧衛

男性

身長198cm体重97kg

パートナー艦 雪風(式凪雪恵)

身長142cm体重40kg

元々何をしていたかは不明。

刀に炎を纏わせる斬撃<爆連斬>が得意。

式凪雪恵は妹

霧衛さんは僕が初めてここに来たとき色々良くしてくれた。それを含めて尊敬できる人間(?)でもある。

「あ、じゃあ僕だね。僕は光藤悠雅。呉鎮守府所属です。今回、僕もここに招かれました。みなさんよろしくお願いいたします」

ー光藤悠雅

男性

身長 178cm体重68kg

パートナー艦 大鳳

身長149cm体重48kg

今回ここに呼ばれた提督の一人。

自身の戦闘能力はそこまで高くはないが作戦指揮に長けた提督。今作の主人公

僕は他に比べると平凡な提督だと思っている。ごく普通の人間。

……このあと大事件に巻き込まれることになるとも知らずに。

「次は私が。私は雪見葉月といいます。所属は柱島泊地。主に刀を使いみなさんのサポートをさせていただきます。以後お見知りおきを」

ー雪見葉月

女性

身長160cm体重43kg

パートナー艦 江風

身長156cm体重45kg

体重が軽いので素早い動きで敵を翻弄する。

軍刀が主な武器。

過去に沈んでしまった艦娘の力を取り込んだために人間離れした行動、敵と認識すると無慈悲に殲滅を開始する。自身の事を<実験の不良品>と言っている。

葉月は僕とは長い付き合いだが、僕は葉月が力を取り込むことを止められなかった。それでも変わらず接してくれるのでいい親友である。

「えっと……私いいかな?」

「おう」

「私は夜桜、夜桜月読です。選抜隊の無念を晴らすためにも一生懸命頑張ります!」

ー夜桜月読

男性

身長178cm体重70kg

パートナー艦 加賀

身長170cm体重52kg

式凪霧衛と師弟関係にあたる。

雨風と仲が良く、通信などを使って長話したりするほど。今回は少しでも戦力を増やすために招かれた提督である。

夜桜くん……僕は初めて会うことになる。どんな戦い方、どんな人間性なのかは大体霧衛さんから聞いた通りだと思う。

「次は僕が。我名は番柄達哉、柱島泊地所属です。戦闘能力は低いですが精一杯頑張ります」

ー番柄達哉

男性

身長182cm体重75kg

パートナー艦 翔鶴

身長167cm体重50kg

前日からブイン基地に停泊しており作戦の事は事前に雨風から聞いている。こちらも夜桜同様雨風と仲が良い。夜桜とも仲が良いので三人集まるとすごくはしゃぐ。

一応顔合わせはしてるけど。性格が掴めないなぁって思ったりしてしまう。しかしいい人であるのは良くわかる。

「あ、俺良いですか?」

「あぁ」

「俺は春日英人。雨風と同期の提督です。所属はショートランド泊地で主な戦闘支援は銃を使います」

ー春日英人

身長174cm体重66kg

パートナー艦 叢雲

身長157cm体重44kg

朝潮(春日紫織)

身長140cm体重36kg

雨風雷光と同時期に提督として活動を始めた。

ほぼすべての銃火器(艦娘の装備は除く)が扱える。

マイクロ単位での超精密射撃ができる通称<クロノス・アイ>を持つ。

朝潮は春日紫織という春日英人の妹である。

この提督も初めて会うかな……。

クロノス・アイって聞いたことないけどかなりすごいんだろうな。

「では僕ですね。僕はレン・カラード。一応呼ばれた提督の一人です。よろしくお願いします」

「レン、一応は余計だと思うが?」

「いやぁ霧衛さん僕は戦えないですよあんまり。だから一応なんです」

ーレン・カラード

男性

身長168cm体重67kg

パートナー艦 瑞鳳

身長145cm体重41kg

特に目立った能力は持たないごく普通の平凡な提督。

特技は絵を描くこと。艦娘たちの似顔絵が上手と評判。

この提督も接点はないか……なんか緊張してきたなぁ。改めてそう思った。

「次は?」

「あ、最後は僕ですね。僕は蒼井優。これと言って秀でた力は無いですが足を引っ張らないよう精進します!……にしても僕みたいな提督が混じって良かったんですか……?周りのみなさん強そうだから不安ですよ……」

「雨風……」

「気にすんな。大丈夫」

ー蒼井優

身長165cm体重57kg

パートナー艦 天津風

身長140cm体重40kg

光藤たちの中ではそこまで強いわけでないがいざというときの機転がきく提督。今回何故か雨風に招かれ何故か参加してしまった。

蒼井くんか……たしか雨風くんより着任は早い……んだね。まあ雨風くんが呼んだんだから大丈夫か……。

「それでは作戦会議に入ります。作戦名は……」

ー第1章ーユメノハジマリー

「作戦名はカレー洋リランカ島沖不明島制圧作戦。長いので略してカリラ島制圧。その辺はよろしくお願いします」

ヒトヒトマルマル。作戦会議が始まった。

作戦名は<カリラ島制圧>。突如として現れたその島を僕たちは調べるように大本営から通達を受けていた。先程も話したように通達の受取人は雨風。通達の内容は複数人の提督と艦娘を連れていくように書かれていたそうだ。

「まずはここから二式大挺とカタリナを飛ばし上空から偵察をします。ただこの2機だけでは辿り着くのが困難なので烈風や紫電を護衛にします」

「ちなみに既に部隊は出発しているぞ。そろそろ連絡が……」

ザザ、ザッ、ザザー

霧衛が言いかけたとたんに通信が入る。

「来たか。こちら霧衛、状況は?」

通信「……!…!……?」

通信機の向こうから小さな声が聞こえる。なにかを叫んでいるように感じた。

「なに?島が見えないだと?」

「なっ!そんなバカな!?」

雨風が慌てて通信機を取る。

「こちら雨風。……あぁ。……分かった今すぐ帰還しろ」

ここで帰還命令が出された。二式大挺が何も見えない。と、そう連絡を送ってきた。今度は雨風が電磁波を放ち調べるとのこと。ということで全員で会議室を後にした。

ーーー

ザザ、ザッ、ザザザー

「こちら秋津洲。大挺ちゃんから島を見つけたって連絡があったかも!」

誰も居ない会議室に工廠に居た秋津洲から連絡が入った。それは先程とは別の[島を見つけた]という報告だった。僕達はこれが引き金になっているなんて知らなかった。

ー工廠ー

「あー!提督っ!なんで連絡に出ないのー!あたしも怒るかも!!」

工廠に行くと少し怒り気味で秋津洲が雨風に食らいつく。雨風はきょとんとした表情。そのあと僕達を見つめこう質問した。

「誰か秋津洲から連絡を受けたか?」

その場に居た全員が首を横に降る。もちろん雨風本人もそんな連絡を受けてはいない。秋津洲はそれを見て愕然としていた。

そして工廠を後にして雨風の電磁波を使い島の有無を確かめた。しかしここで驚くべき事が発覚する。連絡を送ってきたはずの二式大挺とカタリナを上空に見つけた。まだ帰ってきている途中だった。

先程の連絡を受けた時間を考えると既に到着するはずだった。

「なぜだ…。まだリランカ島周辺だぞ。よし」

今度は雨風から連絡をすることにして二式大挺に連絡を取ってみた。すると先程秋津洲から聞いたように[発見した]と連絡を受けた。そしてカタリナからは会議室に直接連絡はしていないということも分かった。

何かの手違いかとは思ったのだが発信源は二式大挺たちの電波と同じ波長だった。

ー会議室ー

「雨風、俺は何者かが電波を乗っ取ったと考えている。そうでもなければあんなマネはできまい」

春日はそのような考えをしていた。そのあと付け加えるように紫織と叢雲が語る。

「私たち艦娘の通信を乗っとるというと最低でも姫級以上の力は欲しいはずです」

「私からもそう思うわ。なんせ知能が人間に近くないと電波の書き換えなんてできるわけないもの」

深海棲艦は人の形に近づくほどに知能も高くなりまともな会話を出来るのが空母ヲ級をはじめとした上位型の深海棲艦。それらのなかでも姫級や鬼級は話し合いを受ける事ができる者も少なくない。提督になる前に捕虜として捕らえられていた深海棲艦と話をしたことがある。確かその名前は……。

「すぅすぅ」

「ん?あ、光藤さん……」

僕はあまり眠らなかったために眠りについてしまった。

ーーー

走る。助けを連れて仲間たちの元へと。僕は救助にきた海軍の部隊を仲間が隠れている洞窟へ急いだ。洞窟は無事でこれで助かった。皆で帰れる。そう思っていた。

「おーい。誰か居ないかー」

隊の一人が洞窟に呼び掛ける。入り口付近にいたはずで洞窟。と言っても長さは五メートルほどの短い穴。なので普通に奥まで見えているはずだった。と、隊の副隊長がこちらに向かってくる。

「失礼ですが……貴方は本当にここに居たんですか?」

確かに僕はそこにいた。どうしてそんな質問をする必要があるのか。

「この穴。見てくれただのなんの変哲もない空洞ですが、この場所は海に繋がっていて人が入るには不可能です。足場もありませんでしたから」

なんだって?海に繋がっていて足場もない?だったら僕は一体どこに隠れていたんだ。あれ?僕は何から隠れていたんだっけ?思い出せない……確かあれは……

ーーー

「……さん……みつ……じ」

聞きなれた男の声が聞こえる。

「光藤さん!」

「うわっ!ごめん!」

どうやら寝ていたようだ。夢を見ていたような……思い出せない。なんの夢だったかな……

「ひどく魘されていました。提督、お疲れなら少し休みましょう。ここのところ忙しかったですし……」

自分の隣に座るパートナーの大鳳。心配そうにこちらを見ている……。

「大鳳。隣の俺の部屋に連れていってくれ。布団は敷いてある。そこに寝させて構わない」

「ありがとうございます雨風さん。さ、提督こちらへ、作戦の話は私が聞いておきます」

「分かった。じゃあ……ごめん」

そう言って僕は移動して布団に入り再び眠りについた。

ーーー

「提督は今のところ問題なく寝ています……でもやっぱり心配だわ……」

「心配しなくても光藤のアニキなら大丈夫だって!」

江風ながらの励ましで大鳳の緊張をほどいてくれた。

「それより作戦だ。まずはこの基地を出発、そのあとカリラ島に向け俺と霧衛が交代で皆を乗せた船を引っ張ります。こんなでも馬力で言えば20万以上はありますし。上陸までは約一日。カリラ島に上陸したら三組ずつ。三つの班に分かれます。組み合わせは俺と達哉さんと光藤さん、霧衛と蒼井と葉月さん、夜桜と春日とレンさん。この3班です。そして確認した地形から山と荒野のエリア、平地と川のエリア、海沿いの岩場、洞窟のエリア。ここはみなさんに決めて頂きます。ここまでで何か質問は?」

長々と語られた作戦は特に問題はなく皆が同意した。しかしここで番柄から質問される。

「どのエリアが一番危険かって言うのはある?」

「そうだな。これらの中では深海棲艦から襲われる可能性がある海沿いの岩場エリアだろう。ここは私たちが請け負う」

「え゛っ!?」

蒼井が固まる。

「ちょっと、貴方大丈夫……?」

天津風が声を掛けるとすぐに立ち直り大丈夫、と言った。

「では平地が俺たちで行きます。夜桜、あと頼むぞ」

「うん。荒野のエリアだね、任せて」

「あ、待って。すべてのエリアに辿り着くまでに大きな洞窟を通る必要があるわ。ここも要注意よ」

扶桑が付け加え会議は終わった。

「こんな時間か……では皆さん会議はここまでです。あとはゆっくり休んでください。作戦決行は5日後、それまでに準備をします。それでは皆さんお疲れ様でした」

ーーー

どうやら会議は終わったみたいだ。というのも僕が寝ているうちに霧衛さんが僕をここまで運んできてくれたようだった。ここはブイン基地の倉庫を一つ改築した二階の宿泊施設。廊下を見たりすると鎮守府というよりは旅館に近い。天然温泉や霧衛さんの好みでサウナ等もつけたためにもはや完全にそれ。僕は汗をかいたので温泉に浸かることにした。

温泉に行くと既に雨風くんたちが居た。

「お、光藤さん。具合はどうですか?」

「うん、少し落ち着いたよ」

「なら良かったです。ま、ここで疲れを落としましょうせっかくの温泉なんですから」

「そうするよ」

<雨風ーシャンプー無いー?

隣から扶桑の声が聞こえる。どうやらシャンプーが切れているよう。

「ありますよー。では投げますよー。ていっ」

シャンプーを投げる雨風。

<ありが…わっちょっ!きゃあ!

<ひゃぁぁぁ!!!目がぁ!!

<大鳳さん大丈夫!?

<大鳳ちゃんごめんなさい!

ものすごく騒がしくなった。雨風は笑っている。女湯の方からは悲鳴混じりの笑い声。こんな日常がとても楽なんだけどなぁ……。

「あ!みんな聞いてくれ!明日の朝から適性検査を行うから遅れないように!できる限り早く終わらせたい!」

<はーい

「了解」

適性検査が何をするかわからないがこれと言って心配することは無さそうだった。

僕はさっさと体を洗い逆上せないうちに温泉をあがった。そして明日に備え大鳳と部屋に向かい寝ることにした。

ー第二章ーユメノカケラー

ーーー

ここはどこだろう。たしか救助されて……。

そうかここは本土か。戻ってこれたのか……しかし僕だけが戻ってくるなんてとても悲しくて悔しいな。

僕は本部に帰ると出来事を報告。みんなは僕だけでも生き残っていたことを大変喜んでくれていた。そのあとしばらくは平凡な日々が続いていた。

しかしある日、僕は連絡を受けていた。

「大将、お電話です」

「漁船が襲われた!?なに、サメに!?」

サメに襲われたと言う。小さな漁船だったのだろうな。そう思っていたその時港の方で陸に上がってくる影が見えた。そう艦娘だ。沈んだ船の怨念と憎悪の塊、深海棲艦と戦う少女たち。僕はあの子達の提督だ。僕は本土に戻ってすぐに彼女たちと出会い、提督として指揮を取ることになった。

「ご主人様!ただいまですよ!」

「あ、おかえり漣。どうだった?」

「まあまあですね。というか一度しか戦ってませんし……」

「被害が無いのはいいことだよ。あとはゆっくり休んでね」

「はーい、では失礼しまーす」

ーーー

<艦隊総員起こし!マルゴーサンマル!全員起床!起きろーー!

スピーカーから響く雨風君の声で目が覚めた。

懐かしい夢を見た。僕が着任してしばらく経った頃の夢。あのときはこんなに強くなれるなんて想像もしなかった。僕はみんなに支えられて来たんだ。

で、隣に寝ている大鳳を起こそうと振り替える

「う……ん……」

「うっ!?」

大鳳の来ていた寝巻の胸元がはだけている。僕は固まってしまった。というか早く目を反らさないと……起きてからではまず「あ……おはようございます……」と、ゆっくり目を覚ましてしまった。これはまずい。

「ん?……ああ、あ、あ……き、きゃぁぁぁ!!!」

バシーン!と、大きな音を出して平手打ちを受けた。右頬にしっかりと小さめの紅葉が付いた。

ーーー

「えっと……光藤さんそれは……?」

「うん。出来れば聞かないで察して……」

「すみません、提督……寝ぼけてたから……」

雨風くんはかなり微妙な顔をしていた。

「よし、それでは適性検査をします。まずは1500m走!用意、始め!」

合図と共に一斉にスタート。そして僕達はすぐにゴールした。適性検査はスポーツテストのように握力、投擲、俊敏、等を調べた。しかし種目がかなり多かったために夕方まで掛かった。雨風くんがすぐに結果が出ると言ったので結果を待つ。

少しして雨風くんがペンダントのようなものを持ってきた。

「これに<ランク>と<タイプ>が書かれています。<ランク>は上からSS、S、A、B、C、D、E。結果は俺と霧衛と姉さんと加賀がSS、夜桜と山城と春日と葉月さんがS、雪恵と翔鶴と大鳳がA、江風と叢雲と天津風がB、紫織と瑞鳳とレンさんがC、光藤さんと番柄さんがD、蒼井がEです」

「やっぱり僕足手まといじゃ……」

「その辺はフォローしてもらえ」

このランク、というのは強さを示すものらしい。簡潔に説明するとSSは一人で大艦隊の力を持つ。Sが連合艦隊。Aが遊撃部隊。Bが通常艦隊。Cが通常艦隊より少し劣る。Dが並の艦娘と同等。Eが指令部向きの非戦闘型。

「ではタイプについて。これはかなり重要ですよ」

<タイプ>というのは自分の戦い方に合わせたもの。

今回に限り特殊装備を使うことになっている。

「大きく分けて三つ。俺と夜桜と天津風と春日とレンさんと番柄さんが俊敏型のスピードタイプ。霧衛と加賀と葉月さんと江風と叢雲と姉さんと翔鶴が攻撃型のパワータイプ。残りは平均の取れたバランスタイプ。中でも俺と夜桜は加速型のアクセルタイプ、霧衛と葉月さんは攻撃範囲と威力を会わせ持ったアタッカータイプ、バランスの基準が高い光藤さんと大鳳はマルチタイプです」

「そんなにあるんですね……」

「というか俺が好きで付け足したんだけどな!」

全員がずっこける。そしてまた一日が終わる……

 

[作戦決行まであと4日]

 

次の日は朝早くから深夜まで実戦訓練をすることになった。

「では今回はそれぞれ技を取得してもらいます。全員そのダガーを使って俺の真似をしてください。では」

配られたダガーを構え目の前の藁の束に集中する。

そして精一杯力を入れる。

「エアスラスト!」

雨風が藁の束を真っ二つにする。僕たちも合わせて同じことをするが雨風君のように出来たのは番柄さんとレンさん、蒼井くん以外の皆。そして出来た僕達は次の段階に進んだ。

「あれ……なんで切れないのかな」

「番柄さんもあまり切れてないですね」

「そういう蒼井くんも……あ、レンさんはもう少しでしたね」

「ええ。あー、惜しい惜しい」

「次は二連弾斬撃のスラストエッジです。ではいきますよ」

雨風は後ろに1メートル程軽く跳び、着地と同時に地面を蹴り藁の前で腕を交差させそのまま切り裂かれた藁は4つになった。見た感じX字に斬ったようだった。

そして僕たちはまた真似をしてみる。だがクロスチョップのように突っ込んだりするので腕を交差する際ダガー同士をぶつけて落としたりなどで残るは霧衛さん、夜桜くん、葉月、艦娘は加賀と大鳳、瑞鳳の空母以外が残った。

「三つ目、シャアッ!」

雨風は正面の的に向かい走る。前方宙返り、的であるマネキンの肩にダガーを突き立てそれを抜きながら的を踏み台に高く跳びはね真上から垂直に的を斬り、水平に横に斬りながら後ろに下がる、先程同様着地と同時に地面を蹴り体を捻る。そして最後に斜め真後ろに跳びはね逆さまの状態で的を砕いた。これが第三段階の<アトミックスラスト>。これが出来たのは小柄な葉月と身軽な夜桜くん。霧衛さんは体が大きく強力なので一撃目で的が壊れるため成功はしない模様……。艦娘は江風と紫織が出来ていた。

「山城と私は格闘専門だから武器はあまり使わないわね?」

「そうですね姉様。気合いを入れれば装甲も簡単に砕けますし」

「二人は形(かた)も似てるからいいんじゃないか?」

扶桑姉妹が武器を使わない武術の使い手で、それだけだと雨風や霧衛を上回る強さを見せる扶桑。僕はこの事を初めて知った。

「ま、遅くまでかかりましたが、最後にこのあとあと三種類見てもらいます。出来たら……というか出来るかな?とりあえず真似をしてください。使うのは俺と夜桜と江風。まずは江風から」

江風を呼んでマネキンを的に見立てる。

「江風、できるな?」

「もちろン!さぁ、やるぜー!」

トントンと軽くジャンプしながらリズムを取る。そして跳ぶこと10回目。マネキンだけに集中し、気を締める。

「……てりゃ!」

江風の姿が闇に紛れる。その直後マネキンの首が落ち、江風がマネキンの後ろから現れた。

もちろん皆はぽかーんとして見ていた。江風のそれを見て「ほほぉ」とか頷いたのは葉月と春日、雨風と霧衛。そして番柄と翔鶴を含めた艦娘全員。僕とレン、蒼井くんはなにが起きたか分からなかった……

「どうだったー!アタシの影鮫!カッコいいだろ!」

よく見えてなかったのでとりあえずすごくカッコいいって言っておいた。機嫌を損ねると葉月にも怒られるから仕方ない。もちろん誰も真似は無理でした。

次は夜桜。

かなり的から離れているが……

「今日は月の光が明るいね~♪……よし」

ダガーをしまい両腕を広げる。漢字の十のようになって直後格闘の構えをとりつつ右腕を突き出しながら「フルムーンシュート!」と言った。

…「シュート」前に雨風くんから聞いて……たしか…「光線」?

夜桜の右腕から放たれた光は一直線にマネキンに向かう。そして光があたったマネキンは木端微塵に弾けとんだ……見てくれ「破壊光線」と思われる。

「やっぱり威力上がったよなぁ?気のせいではなくて」

「もちろんだとも!練習したからね!」

「資源を使い込んでまでやりましたからね」

吹き出す雨風。

「加賀さん!余計なことは言わなくていいから!」

「……少し使いすぎです。やるなら雨風さんからでも教わってください」

「ははっ!たしかに俺は資源を使わねぇしな!」

ーー

そして最後に雨風の技。口にダガーを咥え低い体勢をとる。その姿まるで獲物を見つけた肉食獣のような感じであった。

「サンダースラスト!」

突撃しながら的を切り裂く。その後空中で進行方向を変えてまた斬る。斬る。斬る。斬る。マネキンはバラバラになった。

「単純な瞬発強化です。これくらいなら夜桜もできますよ。な?」

「も、もちろん!そこまで早くないけどね……ふぁわ……」

苦笑いしながらそう語った夜桜。どこか眠そうであった。もうすでにてっぺんを越えている。そろそろ眠りについた方がいいだろうと思い僕から「戻ろう」と言って各自部屋に着き床についた。

そして僕はまた夢を見る。知らず知らずに聞こえてくる<ユメノコエ>。僕はそれを聞きながら意識を消していく……

 

to be continue?

 

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