空想大戦-FancyWars-   作:小鳥遊光妃

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二戦目 変身-Change-

そろそろ目覚めの時、この時を5年も待ちわびた__________

 

ずいぶんときつく縛られていたがそれももうじき解ける__________

 

その暁に、まずはこの世に復讐と終焉を、そしてあの人……いや、あやつには__________

 

 

 

その言葉と共に殺生石が粉砕、その中から狐の仮面を被った女が出現。その背後には霊魔と呼ばれる怪物が__________

 

 

 

 

 

******

 

 

 

ブライトミツル(以下ブライトと記載)になった俺の正拳が炸裂し、一体の霊魔が吹っ飛ぶ。すかさず背後に迫ってきた霊魔に回し蹴り。続けてストレートパンチとコンボを繋げ、霊魔の大群を蹴散らしていく。

ここで解説させていただこう。空想戦士の共通点としてステータスは体力、攻撃力、防御力、敏速力、空想力(RPGに例えると魔力みたいなもの)と五つで成り立っており、人によってどこが優れて劣っているかで分かれ、一つ目は特に尖っている部分もなければかけている部分もない『バランス型』。良い点を挙げるとすれば扱いやすいところ、悪く言えば器用貧乏になりがちなのでここは自身の持つ特殊能力(後述で説明)に頼るしかない。二つ目は特に攻撃力が高い『パワー型』。欠点を挙げるなら一つに集中しすぎている分他が欠如気味なため鈍足だったり低耐久だったりするのでうまく使いこなすのに相当苦労するだろう。これは防御力に優れた『ガード型』や敏速力が一番高い『スピード型』にも同じことが言える。他にもいずれか二つが最高な所謂ツートップ持ちもおり……キリがないのでここまでにしておこう。ただ一つだけ言わせてもらうと今の俺、ブライトは光属性のバランス型だ。属性の相性でいえば闇とは相互関係で攻防ともに魔に強い。

 

「一向に減る気がしないな」

 

嘆きながらも先頭を続けているとある一体の姿が変化………いや、これは進化というべきか。稀に進化する個体もいるってことをこの光景を見て思い出した。以上のことからさっきまでの姿を下級だとすればその姿は上級というべきか。

 

「悪魔から蜘蛛みたいなのに変わった。属性は土、ならば………!」

 

蜘蛛のような霊魔に目をつけると頭の中に「灼熱の炎」をイメージ。するとオーブの色が赤に変わり、

 

「超変身!」

 

と即座に叫ぶと俺の周りに炎が舞い、見習い天使からとあるカードバトルアニメで赤いカードデッキを使う主人公が着そうな衣装に変化。ついでに髪色も赤に変色し、目つきも鋭くなった。

 

「真紅(まっか)に燃える灼熱の炎!フレイムミツル!」

 

フレイムミツル(以後フレイムと記載)と名乗る今の俺は火属性。攻撃力が高い分防御力が低い。次いで敏速力が高くあとは並程度といったところか。それとこの属性についてだが相性でいうと攻防ともに土、獣、氷、鋼に強く、反対に水、風に弱い。魔とは相互関係にある。余談が多いようで悪いが属性が光から火に変わったことにお分かりだろう。それは俺の持つ特殊能力『変身』によるものである。空想戦士として戦うものには特殊能力は必須にして重要な存在でこれが戦闘の鍵を握るとされている。この能力の場合戦況に応じて自由に属性を変えることができ、その際二つ目の能力『適応力』も発動し、変身した属性の能力が使えるようになり、例えばフレイムだとこれが『発火』とそれに見合ったものに変わる。

属性を自由に変えられる点から一見チートだと思われがちだが実はそれには欠点がある。まあそれも空想戦士の共通点なのだがこの能力の場合ステータスが著しく変動してしまい、変身した分空想力の消費も馬鹿にならないので気軽に使うのは禁物である。

 

「シャアッ!」

「けっ!蜘蛛の巣吐いたところでビビる俺じゃねえぜ!」

 

熱く情熱的な喋り方で瞬時に専用武器『チェンジウェポン ソードモード』を召喚して装備し、刀身に発火させると飛んできた蜘蛛の巣を焼き切った後、すぐに『マグナムモード』に変形させて火の玉のような弾丸を発射。

 

「ぐわぁぁぁ!」

「ぬわぁぁぁ!」

 

蜘蛛霊魔が近くにいた下級霊魔二体を盾にし、そのまま儚く消滅。

 

「仲間を身代わりとは、まさに悪党じみて吐き気がするな!」

 

よく悪役がやるような卑怯な手段に呆れながらも連射を続け、そのたびに敵は同じ手を使う。しかしそれを繰り返したことが仇となったのか残るは蜘蛛霊魔ただ一人。あたりを見回しながら取り乱してはいるがもはや自業自得。

 

「どうやらツケが回ったようだな。だが安心しな、今からお前もお仲間のとこへ行かせてやるぜっ!」

 

「…………まったく、進化したからといって調子に乗る個体もいるものだ」

 

いつの間にかその場には狐の仮面が居合わせており、今の状況を少し重く見たのか、懐から札を三枚出し、そこから狐のような霊魔を札の枚数分召喚。トドメを刺そうとした俺の妨害に入った。

 

「おいおいまだいたのかよ、気づかなかったぜ」

 

蜘蛛霊魔との戦闘に夢中になって全然気づかなかいのも無理もないがそいつらは最初からいたやつらじゃないことをその時の俺はまだ知らない。

 

「いいぜ、まとめて相手してやる!」

 

まとわりついてきた狐共が邪魔だったのでさきにそいつらを始末するという考えに至ったのはいいがその隙に蜘蛛が逃げ出してしまった。そのことにも俺は気づく余裕もないまま戦闘に集中せざるを得ない、そんな心境である。赤、青、緑の三色に分かれており、赤い狐は攻撃力が高く力比べじゃこっちが不利だし青い狐は堅くて決定打を与えられず緑の狐はすばしっこく毎度毎度先手を取られてしまい、一体でも厄介なのに三体同時は無理ゲーにも程がある。

 

「クソ!こいつらどうやって倒せば……」

 

《どうやら一人の力だとここで詰みのようね》

 

「っ!?」

 

行き詰っているこの状況であの少女の声が。

 

「お前さっきの!どこから声出してやがる!」

《ここよ》

「ここって……まさか」

《そう、あなたの心の中からよ》

 

心の中ってことはこの子、いつの間に俺と融合でもしていたというのか。

 

《説明はあとでするわ。とにかく今は戦いに集中して》

「お、おう。けどこいつらとどう戦えば……」

《今から私の言うことに従ってもらえる?》

「ああ、現状的に従うっきゃねえだろ!」

《ありがとう、嬉しいわ。そうね、敵はみんな魔属性でしかもそれぞれ優れた能力を持っているわ。だからまずは大地の恵みをイメージして》

「大地の恵みか、分かった」

 

言われた通り頭の中で「大地の恵み」をイメージし始めるとオーブが赤から黄土色に変色。

 

「超変身!」

 

その流れで掛け声を発すると今度は金剛力士を思わせる姿に変化。

 

「地球(ほし)の自然は大地の恵み!ランドミツル!」

 

ランドミツル(以後ランドと記載)に変わろうとお構いなしに迫りくる霊魔、地面を殴りつけることでそこに衝撃が生まれ、その余波でまとめて吹っ飛ばした。

おっと、解説を忘れそうになったが今の俺は土属性。攻撃と防御、体力が高いがその反面、鈍間なのが玉に瑕。攻防ともに水、雷に強いが逆に火、風、氷、毒、武には弱い。相互関係にあたるのは獣、鋼、魔だ。

 

「何だ、大したことねぇべさな。初っ端からこいつで行きゃよがったなぁ!」

 

喋り方も訛りの東北弁に変わった。どうやら性格まで変わるようだ。

 

「オラオラどうしたぁ!さっきみてぇな連携見せんかいっ!」

 

俺の発言にムッと来たのか赤い狐が態勢を立て直しすぐさま襲撃に掛かる。それに動じることなく岩のような弾丸を撃って迎撃。パワーが高い分ガードが紙に等しいのが災いし、赤い狐が先立った。

仲間意識が高いのか仲間を殺され逆上した緑が不意打ちを仕掛ける。だが防御が堅いこちらにとっては奴の攻撃など痛くもかゆくもない。

 

「うらぁ!」

 

チェンジウェポンをその辺に投げ捨てると緑の狐の腕を掴み背負い投げ、地面に叩きつけられ力尽きたので生き残っている青い狐は気が動転したのか防御を捨て攻撃に移る。それに対応すべくチェンジウェポンを拾い上げ、マグナムモードから『アックスモード』に変形させると物凄い勢いで重い一撃を喰らわせ、立て続けに二撃、三撃とコンボを繋げることで致命傷を負わせた。

 

「超変身!………さて、こいつでトドメだっ!」

 

ブライトに変身、右足を後ろに構えるとそこへ空想力、もといエネルギーを込めることでオーラを纏い、敵に向かって全力疾走。相手との距離が縮まったところで飛び上がり空中で一回転。

 

「フォーリングストライク!」

 

必殺技の名前を叫びながら急降下キックで相手を蹴り飛ばして撃破。

 

「記憶が戻り掛けとはいえ相変わらず強いなぁ………」

 

自身が召喚した狐たちの消滅、そして俺の実力を確認したのか狐の仮面はその場から退去。

 

 

 

「最初に一つ説明してほしい。君は誰なのか、君が何もなのか」

 

戦闘終了後、俺が変身を解いてあの子に話しかけてみるといつの間にその子は俺の目の前に立っている。分離でもしたのか?

「私は亜奏。あなたの半身よ」

「半身って、俺とお前はいつからそういう関係になったんだ?」

「そうね……ずっと前。具体的にいうと5年くらい前からよ」

 

さっきのように俺が変身して戦う時はこの子が融合している。それが5年も前から、ということは俺はこの時から亜奏と契約して空想戦士でしかも今までの記憶を忘れていたっということか。

 

「それにしても嬉しいわ。また空想戦士として戦ってくれるなんて」

「ああ、それにしてもさっきは何でそれになって戦えてたのか不思議に思う。一応君の助けもあってだけど」

「うーん、多分それはあなたが記憶を取り戻したから。あるいは直感が冴えてたからじゃないかしら」

「よくわからない答えだな……」

「でもあれだけじゃまだまだね。もっと奴らと戦って記憶を取り戻さないと」

「奴らって霊魔のこと?」

「ええ、奴らこそ世の理を乱し人々を脅かす存在。奴らは人間に化けてその魂を喰らう。だから見つけ次第早急に殲滅すること。これからはそうして欲しい」

 

だから姿を変えて襲ってきたのか。あいつらのために街の人たちが犠牲になったなんて考えたくもない。

 

「分かった。君の言うことが正しいっていうんなら俺はそれを信じる。だからもう一度俺と、」

 

決意を固めそれを言いかけたところでポケットに入れたスマホに着信が。慌てて確認すると相手は美久だ。

 

「もしも……」

「光流!今どこにいるの!」

「えっと、商店街だけど……」

「いつそっちに行ったの!急にいなくなったからびっくりしてあっちこっち探し回ったんだから!」

「あ、ごめん。今そっち行くから場所教えてもらっても良いか?」

「いつもの通学路にある公園。早く来てよね」

 

あそこは小さい頃から美久と遊んでいた公園で、はぐれたりしたらいつもそこを目印に待ち合わせる。それが彼女と決めた約束。それにしてもまたこうしてあの場所で合流するのは小学生の時以来か。

 

「分かった。すぐ……」

「きゃあっ!!」

「っ!どうした美久!」

 

反応がない。それに美久の方から何か落ちた音が。誰かに捕まってその流れで落としたのか。とにかく彼女が危ない。

 

「おそらくあなたが取り逃がしたあの蜘蛛の霊魔の仕業ね」

「あの蜘蛛って………あれ、いない」

「あなたがさっきの狐と戦っていた。その隙を見て逃げたのよ」

「そうか。あの時俺が気を取られてたからか………クソっ!」

《案じないで!今から行けばまだ可能性があるわ》

 

俺が嘆いている様を見る間もなく亜奏は再び融合し、テレパシーで指示を出した。

 

「今からって言っても走って間に合うような距離じゃないぞ!」

《まだ変身出来るほどの力は残ってる。だから吹き荒れる風をイメージして!》

「吹き荒れる風か、分かった!」

 

言われた通りに頭の中で「吹き荒れる風」をイメージすると再びベルトが出現。今度はオーブの色が緑の状態で埋め込まれている。

 

「変身!」

 

掛け声とともに風神を思わせる姿に変わると脚に風を纏い浮遊。そこからさらにスピードを上げ目的地に向かうことに。

 

「疾風(はやて)のごとく吹き荒れる風!ウィンドミツル!」

 

ウィンドミツル(以後ウィンドと記載)のステータスは一番に敏速力、次に攻撃力が高いが防御は脆いという所謂高速アタッカー。属性相性は攻防ともに火、土、獣、武に有利で氷、鋼、雷に不利。毒、魔とは両成敗………なんて今は説明してる暇はないんだった!

 

 

 

~美久サイド~

 

 

 

「何、誰なのあなた!」

 

はぐれた友達と電話している途中蜘蛛みたいな怪物が糸を吐いて私の身体を縛ってきた。思ったより硬くて一人の力じゃ逃げ出せない。

 

「お願いだからやめて!私は蝶じゃないし食べても美味しくないよぉ!」

 

その蜘蛛は私の声を聞き入れることなく自分の方まで寄せ続ける。本気で私を食い殺そうとしている。あーあ、幼馴染で大好きな人に会う前になんて死んでも死にきれない。なんて死を考えていたその矢先、

 

「やぁっ!」

 

ヴァルキリーを思わせるような姿の女の子が剣で糸を切り、私を助けた。見た目からして私と歳が近そうで身長は私の方が上だけど胸は私より大きめなのがちょっと気がかり。

 

「Are you unhurt?」

 

こちらに顔を向けて英語で話しかけてきた。この子は外国人なのかな。

 

「い……いえす」

 

自分でいうのもなんだけど英語の成績は良い方ではあるがそれを日常で用いるのが苦手なのか返事がぎこちない。

 

「I run, that was relieved.」

 

私の状態を見てほっとしたのか、顔を前に戻して剣を構える。

 

「Determine, spider man.」

 

決め台詞だと思われる言葉を口にし、戦闘続行。彼女の持つ木の枝に見える取っ手の剣『ブランチサーベル』は刀身が伸びるので鞭のように扱うことも可能で多少距離があっても融通が利くようだ。可憐にして華麗に満ちた彼女の動きについていけず思わず蜘蛛は翻弄されている。

 

「I'll stop it.」

 

刀身に無数の棘を生やし、それで相手を巻き付けた。剣の形状を見るからに薔薇の棘ということか。

 

「ローズニードルレストレイン!」

 

技名を叫びながら勢いよく切り裂き、蜘蛛を撃破。かに見えたが……

 

「What!?」

 

つかの間で安心し背中を向けた彼女の油断を突くように糸を吐いて拘束。どうやらやられる直前脱皮し、それを身代わりに回避していたようだ。

 

「This is bad.」

 

自力で脱しようにも剣を落としてしまい、縛られている状態じゃ拾えない。そんなピンチに陥った彼女に救いの手が舞い降りた。

 

「やっと見つけたよ、蜘蛛男くん♪」

 

空から陽気な性格をした緑のヒーローが風を纏った弾丸を当てながら飛来してきた。それにしてもこの男、顔が私の幼馴染に似ているのは気のせいかな?

 

「お嬢さんたち、怪我はないかい?」

「はい。私は大丈夫ですけどあの子が……」

「あ、ホントだ。待ってて、今解くからね~」

 

そよ風のような優しいチョップで糸を切り裂くことで身動きが取れるようになり、「Thank you!」と嬉しげに感謝し、「You're wellcome♪」と誇らしげで何気に流暢な発音で返す。そのやり取りをしている間に蜘蛛は逃げようと試みる。しかし、

 

「おっと、もう逃がさないぞ!」

 

風の弾丸を命中させて撃墜。さっきこの男と戦ってその途中で逃げ出した個体なんだと察した。

 

「はぁっ!!」

 

女の子がさっきみたく再び拘束。蜘蛛は身動き取れなくなり隙だらけ。

 

「Let's do together.」

「OK!」

 

手持ちの銃を投げ捨てると風を纏った足で高くジャンプ。そして、

 

「メテオハリケーン!」

「ローズニードル・アゲイン・レストレイン!」

 

急降下キックと斬撃の同時攻撃で今度こそ蜘蛛を倒すとようやく戦闘終了。そう思うと私はほっと一息つく。

 

「I'm thankful for the thing a short while ago.」

 

少女が感謝の言葉を述べたので成り行きで共闘相手になった男もそれに対する言葉を放とうとした時、少女は相手の頬にキス、したのだ!え、えっ、えぇぇぇぇぇぇ!!奇想天外な出来事に動揺と羞恥心が思わず走る。そりゃあ喋り方からして外国人だし、どこかの国じゃキスは挨拶だっていうけどここ日本だよ!?しかも相手は光流そっくりだし例えこれが人違いだったとしてもだよ!あぁ、見てはいけないものを見てしまった気がする………さっきの戦いもだけど。

 

「See you again♪」

「……あ、うん!バイバイ♪」

 

はい、これは緑のヒーローさんも固まるよね。顔を真っ赤にしながらも微妙に保てているか怪しいけど爽やかな笑顔で別れを告げた。それにしても私、どこかでこの人の戦い方を見た気がする。初見なのに何だかその気がしないので不思議に思う。そう考えていると突然彼の身体が光りだし、何事かと思ったら姿が変わった。

 

「え、光流!?」

「美久……ってあれ、やべっ!変身解けた!」

 

そう、紛れもなければ人違いでもない私の幼馴染である光流本人の姿に!

 

「さて光流くん。どういうことか説明して貰おうか」

 

 

 

~光流サイド~

 

 

 

空想力が枯渇したのか変身が解けてしまい、その所為で早くも正体がバレてしまった。幼馴染である彼女による説教と尋問が始まったので俺はありのまま起こったことを嘘偽りなく説明し、何とか納得させて怒りも鎮めることに成功。

 

「そっか、そんなことが。でもあの蜘蛛みたいな怪物と戦ってた女の子を見たんだもの。光流がそんな目にあっても嘘だと思えない。あなたといきなり離れ離れになった理由もやっとわかったよ」

「ごめんな、心配かけて」

「いいよ、生きてる内にまた光流に会えたんだから」

「お、おう。縁起でもないこと言うもんじゃないよ」

「そうだね。誰かさんが蜘蛛を取り逃がさなかったらこういうこと言わずに済んだのに」

「うぅ……ごもっともですな」

「……でも、ありがとね。昔からの約束守ってくれて」

「うん?なんか言ったか?」

「何でもない!ほら、早く帰ろう!」

 

そう促されスマホで時間を確認すると時刻は20時。しかもその下には母さんからRAINのメッセージが。

 

『光流。今どこにいるの?私も久しぶりの帰りだし成美もお腹すかせてるし寄り道してないで早く帰ってきなさい。それと光流に紹介したい相手がいるからその子も一緒に今夜は豪華な夕食よ。あ、そうだ!よかったら美久ちゃんも連れてきて!親御さんの了承は得ているから♪』

 

といった内容だ。普段は単身赴任の母さんが帰宅するということは決まって何かある日だ。それにしても俺に紹介したい相手って誰だろう。母さんの知り合いなのは分かるけど友達かな。

 

「美久、今夜大丈夫?」

「うん!両親がOK出してるんだもの。せっかくだから私もいただくね♪」

「よし、それじゃあ俺ん家まで」

「よろこんで!」

 

 

 

今日の出来事や紹介相手のことなど、色々話題に出しあいながら帰路を歩いているとあっという間に自宅に到着。

 

「ただいま~」

「お邪魔します」

 

「オカエリナサーイ!」

 

一言とともにドアを開けるといきなり金髪の女の子が抱き着いてきた。俺はもちろん美久も狼狽えを隠せない。っていうかこの子どこかで見たような。

 

「あ、おかえり光流。それといらっしゃい美久ちゃん」

 

そんな状況もお構いなしに母さんが玄関まで迎えに来た。なんでそんな平然としていられるの!?

 

「あらあらこの子ったらもう抱き着いちゃって」

「ちょっと母さん!この子は誰!もしかして母さんが紹介したい人?」

「そうよ。ほら、少し離れて挨拶しなさい」

「オーウ、ソーリーデス!」

 

言われた通りその子が少し距離を置くと名乗り出ることに。

 

「はじめまして。リンカ・リバスターと申シマス!不束者デスがよろしくお願いシマス。未来のマイハズバンド♥」

「ハズバンドってことは……」

「ええ、あなたの許嫁よ♥」

「「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」

 

まさにまさかのここで衝撃の事実発覚の瞬間である。




《空想戦士ファイル》
川内光流
 属性:?
 ステータス:体力C 攻撃力? 防御力? 敏速力? 空想力C
 特殊能力:変身(空想力を消費することで属性を自由に変えられる。能力に変動あり)
      適応力(変身した属性の能力を『固有能力』として使えるようになる)
      転身(効果不明)
 専用武器:チェンジウェポン(戦況に応じてソード、アックス、マグナムに変形可能)
ブライトミツル
 属性:光
 ステータス:体力C 攻撃力C 防御力C 敏速力C 空想力C
 固有能力:連撃(連続攻撃を与える度にで攻撃と敏速力が上昇)
 モチーフ:見習い天使
フレイムミツル
 属性:火
 ステータス:体力C 攻撃力B 防御力D 敏速力C 空想力C
 固有能力:発火(身体や武器に炎を纏うことで攻撃力も上昇)
 モチーフ:太陽神
ウィンドミツル
 属性:風
 ステータス:体力C 攻撃力D 防御力E 敏速力B 空想力C
 固有能力:浮遊(足に風を纏うことで文字通り浮遊可能)
 モチーフ:風神
ランドミツル
 属性:土
 ステータス:体力C 攻撃力B 防御力B 敏速力E 空想力C
 固有能力:地殻操作(地面から生やした植物や変動させた岩を操る)
 モチーフ:金剛力士
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