めんどくさがり少年と和菓子屋少女   作:樋井

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時期設定は中学校3年の冬から始めています。

初投稿なのでどうなることやら。


1話

授業終わりの放課後、机の上にある高校受験の進路希望の紙を俺、佐原春夜は見つめていた。何かをしたいわけでもなく、何処か決めたところに行きたいわけでなく、ただ高校に行けと言われたから、ただそれだけだった。

条件があるとしたら自分にとって可もなく不可もない高校生活を望んでいるくらい。友達などはそこそこできればいいだろうと考えているが、そういったことは実際になってからの過ごし方でどうにでもできるため後回しても問題ないだろう。そんなことを紙の記入欄を見ながら考えながらボーとしていると後ろから声をかけられた。

 

「こんな時間になってまで何しとん?」

 

声を掛けて来たのは同じクラスの塩見周子。実家が老舗の和菓子屋をやっておりそこの一人娘であり、ウチの家から近い事から小さい頃からよく遊んだりしている仲である。

 

「見たらわかるやろ、進路調査や。」

 

調査書の紙を振りながら答えると彼女は笑いながら返す

 

「知ってるよ、せやけどそんなに悩んでるところ見たのはシューコちゃん的にも珍しい光景やで?」

 

失礼な。俺とて悩んだりはする。ただ今までを思い出すと結果的になるようになって来ただけでその過程では少しぐらい悩んでいたりする。

 

「別に今までのような生活ができれば高校なんてどこでもいいんよ。ただ3つも書けっていうのがなぁ・・・。」

「さすがのめんどくさがりやね」

「うっさいわ」

「そういうそっちはどうなんや?書けたん?」

 

一応、念のため聞いておくと

 

「ん?そんなん書いてへんよ?」

 

ですよね、知ってた。

俺が言えた義理ではないが彼女も彼女で結構テキトーでめんどくさがり屋なのである。

 

「だって、そういうの大体の決まってるようなもんやん。ならあとは適当に書いて出せばいいってだけで、そない悩むもんでもないやろ?」

「そういうもんだろうけど。一応しっかり書いておきたいんよ」

「変なところで真面目だよねー」

「失礼な、こうしておいたら後々教師陣に色々言われなくて済むやろ」

「前言撤回、不真面目やわ」

「俺がこないなのはよく分かってる事やろ?」

「そりゃね、十年ぐらいの付き合いなわけやし、まぁ大体の事はわかるかな?」

 

ケラケラと笑いながら彼女はそう言った。

 

「はいはい。で?そっちはこんな時間まで何をしてたわけや?」

 

言い忘れていたが、外はもう夕日が沈もうとしておりグラウンドの運動部も部活の片ずけなどをしている。担任が明日の連絡事項をクラスの全員に伝え解散してから大体1時間前後は経っていることになる。俺もそうだが彼女も部活などには入っていないため授業が終わればすぐに帰れる身であるため、こんなに遅くまで残る必要は無いはず。

 

「あぁ、茶道部の友達に茶道部室でお茶とお菓子を食べながら会話に花を咲かせてたんよ」

「なるほど。ここにはどうして来たんや?」

 

そう。そこまではいいが、肝心なのは何故教室に戻って来たかである

 

「それは忘れ物を思い出したわけだよ」

 

そう言って自分の机まで行き机の中から何か紙を取り出してこちらに見せてきた。それを見て俺は「おい」っと内心突っ込み書けた。その紙は提出期限が明日までとされていてさっきまで俺が見つめていた進路調査書であった。

 

「まぁここに来たのはそれだけじゃなくてさ、こんなん朝はように来て書けば間に合うしええかなと思たんやけど、教室見るとあんたがおったから気になって来たわけ」

 

確かにこんな時間まで教室に1人だけポツんといたら気になるか。そう思っていたら下校の放送が流れる。

 

「もうこんな時間か、帰るとするか」

「そうやねぇ。ねぇ、おなかすいたーん!帰りになんか買ってかえろうよ!」

 

可愛く言ってくるがこういう時は決まって奢ってくれという意味である。当然こちらの反応は決まっている。

 

「却下」

「ケチ」

「親父さんにこの前怒られたばかりやろ?」

「いいやん別に、お腹空いたもんはしゃあないやん。これには逆らえへんよ」

「お前なぁ・・・」

 

そう言って溜息をつく。それもそのはずで、つい先日(俺のお金で)買い食いをしすぎて周子は親父さんに怒られているのである。そしてそれは俺にも向けられあまり甘やかさんでいいと注意も受けたほどである。

 

「それでも、さすがに今日はあかんやろ」

「“今日は“ってことは今日じゃなかったらええんやね」

「んなわけな「じゃ、明日よろしくねぇ」って おい!」

 

彼女は笑みを浮かべながらそう言い通学路を走る。

もうどうにでもなれ自分の中で諦めがついた。なんだかんだで俺は周子に甘いのだろう。

季節は寒く外はもう暗い、そんな1日がいつものように過ぎていく、なんてことはない1日だが、こういった周子といる1日はなかなか居心地の良い物だと深く感じながら周子の後を追いかける。

「あぁ、いいな」

そんな俺の心の声は誰に聞こえることなく口から漏れた




とりあえず1話終了です。
なかなか難しいですね。色々ミスなどすると思いますが、なんとか続けていけるよう頑張りたいと思います。
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