インフィニット・ストラトス《無限の空と電脳の空》   作:【ユーマ】

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最初のあらすじにも書いたとおり、最初はSAO中心で進めて行く為、ISサイドのキャラはヒロイン以外は暫く出番はありません。


序章『飛び立つ時は未だ遠く』

 白い道に白い枯れ木、周囲にそんなモノクロの風景が描かれている閉ざされた空間。不規則な造りをしたそれは何処かの洞窟を連想させるが、そんな壁の一枚に取り付けられたドアの存在がその空間は一つの部屋なのだと認識させる。

 

「これで……どうだっ!」

 

 鞘に収めた状態の刀、青白い輝きを纏ったそれを刀身部分の根元を握る状態で持ち、目の前の“異形”を鞘で殴り、蹴り、最後に居合い一閃。目の前の“異形”、皮製の軽鎧を纏ったトカゲ男はポリゴン片となり砕け散る。ふぅ、と息を吐いから視線を後ろの方に向ける。そこには骨組み以外金属で出来た鉄扇を手にトカゲ男と戦う一人の少女の姿。閉じた状態で殴り、トカゲ男の持った剣の突きを開いた扇を盾代わりにして防ぐ。そのまま剣を跳ね上げ、薙ぎ払い、バックステップと同時に投擲。ブーメランのように飛ぶそれは往きと返りの2回、トカゲ男の胴体を切り裂き、少女の手元に戻る。決着は着いたとばかりに少女が鉄扇を畳むと同時にもう一体のトカゲ男もポリゴン片となり消える。

 

「これで全部、だな」

 

「そうみたいね」

 

 周囲に自分達以外は誰も居ない事を確認すると彼女はドアの前に近づき、そっとそれに触れる。が、それ以上の変化は無く、ドアは変わらず閉じたままだ。

 

「けど、ドアは開く様子は無し。どうやら結晶を使うか、外から開けてもらわない限りは出られないみたい」

 

「他のトラップが併発してる様子は無いし、完全に嫌がらせ、もしくは転移結晶を消費させるのが目的か」

 

 そう言いながら、何もない空間を上から下にフリック。するといかにもゲームのメニュー画面の様なそれが目の前のに現れる。目的の画面を開き、表示されたホロキーボードで文章を打ち込み、送信。メニューを閉じる。

 

「あいつにメールも送ったし、後は助けに来てくれるのを待つだけ、と」

 

 そして、壁際に腰を下ろすと少女も隣に腰を下ろす。最初はお互い何も言わずにただ時が過ぎるのを待っていたが――

 

「あれから2年、かぁ……」

 

 沈黙に耐えられなかったのか、少女がポツリと呟き、俺は彼女に視線を向ける。

 

「今が10月。次の75層でちょっと苦戦する事も考慮しても来年の入学式には間に合いそうね」

 

「てことは前に話してた妹さんとは一緒に入学式を迎えることになる訳だ」

 

「そうね。あーあ、まさかあの子と同学年になるとはね。人生って何が起こるか予想できないわ」

 

「予想できない、ね」

 

 言いながら、彼女の横顔を見つめる。予想できない、と言う点は俺も同じだ。今俺の隣に座っている少女は本来であればこうして一緒に居る事も、それどころか出会う事も殆ど無かっただろう。何せ自分と彼女ではまさしく住む世界が違っていたのだから。知る事は出来たとしてもそれはテレビで見たからとかで、接点は無いままで一生を終えてもおかしくなかっただろう。

 

「ん? どうしたの私の事、じっと見つめて。あっ、もしかして私の美しさに見とれてた?」

 

 言いながら、鉄扇を開きそれで口元を隠しながら悪戯っぽく微笑む彼女。やっちまった、と思う。今までの経験上、ここでうろたえたり、恥ずかしがる様子を見せれば、そこからは完全に彼女ペースだ。だからこそ――

 

「そうだな。こんなキレイな女性が、俺の恋人なんだなって本気で見とれてたよ」

 

「っ!?」

 

 内心では物凄く恥ずかしいが、それを表に出さずに当たり前の様に肯定する。勿論、その言葉は嘘じゃない。あの日、俺たちの姿は仮初めではなく本来の姿になった。今、目を見開き顔を真っ赤にしてフリーズしている彼女は間違いなく美人だと言える容姿だし、そんな彼女とそう言う関係になるなんて思いもしなかった。それはさて置き、相手に主導権を持ってかれる事は防げたが、ここで攻め手を緩めて思わぬ反撃を喰らう訳にもいかない。

 

「だから……」

 

 やんわりと鉄扇を避けて、彼女の顎を軽く持ち上げて顔を近づける。顔を赤くしたまま目が泳いでいた彼女だったが、やがてこちらを見つめ返した後に意を決した様に目を閉じた。そしてゆっくりと二人の唇が重なる――

 

「二人とも、だいじょう……ぶ……?」

 

 その直前、ドアが開き新たに二人の人物が入ってくる。片や白を基調に赤のアクセントの入った制服と軽鎧の少女、片や全身黒一色の服装で固めた少年だ。失念してた、とは正にこの事。今日は4人で同じ所に来ていたのだ。別の階に飛ばされた訳でもなし、救援メールを送ればすぐに助けが来るのは当たり前の事だろう。

 

「人に救援頼んでおいて何やってんだ、お前達……」

 

「いや、えっと……その、だな……」

 

 密室トラップに引っかかったPTメンバーを助けに来たら、その二人はイチャついていました。彼が呆れ顔になるのは当然だろう、同じ立場なら俺だってそうしてた。言い逃れはほぼ絶望的な状況の中、必死に言い訳を考えていると――

 

「……ねぇ」

 

「どうし……っ!?」

 

 チョンチョンと肩を突かれ、彼女の方に向き直ると同時に目の前には彼女の顔と重ねられた唇。が、それはすぐに離れ、彼女は二人の方に近づき、途中でこちらを振り返る。

 

「おねえさんから主導権を奪おうだなんて、10年早いのよ」

 

 そう言って、彼女は助けに来た白い鎧姿の少女と部屋を出て行く。

 

「えっと……大丈夫、か?」

 

「もし羞恥心でHPが減るようなシステムがあったら、間違いなく死んでる……」

 

 俺は俯きながら額に手を当てて、黒いコートの少年にそう言葉を返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アインクラッド。それは全100層のエリアからなる広大な浮遊城にして、世界初のVRMMORPG《ソード・アート・オンライン》の舞台。しかし、2年前のあの日、それは俺たちを電脳の海に捕える死と隣り合わせの牢獄と化したのだった。




オリ主の名前やヒロインが誰かは次話から書いていきます。オリ主視点ですが時より説明文章っぽくなるかもです。ヒロインが誰かは概ね予想できているかもですが

そして『なぜヒロインが元々使ってる武器とは違う種類の武器を?』『原作での彼女の立場や役職はどうするの?』等々疑問が出てくるかもですが、そこも追々書いていきます。(こじつけになってしまう可能性もありますが、ご了承下さい)



と言う事で、書きたいから書き始めた、と言う半ば見切り発車に近い状態なので執筆が滞ったりと何かと更新が不定期になるかもですが温かい目でどうかよろしくお願いします。
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