二郎になりました…真君って何?   作:ネコガミ

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本日投稿1話目です


紀元前2800年代 ~古代中華編~
プロローグ


紀元前2800年代。

 

中華の地が、黄帝により統一されるより前の時代。

 

道教の最高神である天帝の妹が、楊という男に嫁いで1人の男子を産んだ。

 

その男子は天帝により、長男でありながら『二郎』と名付けられた。

 

そして、二郎がこの中華の地に生を受けて、7年の月日が流れたのだった…。

 

 

 

 

俺は姓を楊(よう)、名を二郎(じろう)、字(あざな)をゼンという。

 

今年7歳の男だ。

 

いきなり何を言うんだと思うかもしれないが、俺は所謂転生者だ。

 

前世ではどこにでもいる普通の日本人だった。

 

西暦2010年代までは間違いなく、日本で生きていた。

 

そんな俺が、何故か中華と呼ばれる地に転生してしまっている。

 

中国じゃないの?

 

俺の記憶が確かなら、転生前に神様に会った覚えはない。

 

もっとも、転生後には神様に何度も会っているけどな。

 

なんでかって?

 

俺の母上と伯父上が神様なんだよ!

 

「二郎、母が参りましたよ。」

「母上、よくぞお越しくださいました。」

 

灌江口という地にある、俺の廓にやってきた母上に、俺は頭を下げる。

 

「二郎、親子なのですから、その様な礼などいりませんよ。」

「うん、ありがとう母上。」

 

口元を抑えてクスクスと笑う母上に、俺は笑顔でそう言う。

 

「それで、今日はどうしたの、母上?」

「兄上…天帝が二郎をお呼びです。急いで支度をしなさい。」

「うん、ちょっと待ってて!」

 

伯父上が呼んでいるのか…急いで支度をしなくちゃ!

 

俺は母上が見ている前で、ドタバタと着替えを始めるのだった。

 

 

 

 

我が子、二郎が慌ただしく着替えている姿が、とても愛しい。

 

二郎は産まれた時から、大変な運気に振り回されてきました。

 

まるで、『世界』が二郎を否定する様に病を背負った小鬼達が、

夜毎に二郎の寝所にやって来て、二郎を病にさせようとしてきました。

 

その為、私は二郎と一緒に住むことが出来ずに、こうして二郎を

専用の廓に住ませないといけない…。

 

そんな二郎を守る為に廓の入口には、常に鍾馗を立たせています。

 

鍾馗は小鬼を食べるので、二郎を守るのに最適な護衛です。

 

しかし、二郎が3つの頃、小鬼を食らう鍾馗を見た二郎が泣き出してしまいました。

 

あの時は兄上に頼んで宝具(パオペイ)を借りようとしましたが、その時に道教の神々が

大慌てになりましたね。

 

あれも我が子を愛するが故の行動。

 

元始天尊も太上老君も騒ぎ過ぎというものです。

 

…コホン。

 

そんな二郎も健やかに育ち、7歳を迎え、いよいよ道士になる時が来ました。

 

二郎がこれから小鬼の存在に煩わされずに、生きていくには必要な事ですが、母としてはもう少し側にいてあげたかったですね…。

母としてはもう少し側にいてあげたかったですね…。

 

「着替え終わったよ、母上!」

 

そう言いながら、小さな身体で胸を張る我が子の姿に、思わず鼻から愛が漏れそうになってしまいます。

 

 

道教の最高神である天帝が兄上、そしてその妹である私の血と、人である夫の血を引く我が子は、人の成長力と神の才を併せ持つ稀有な存在です。

 

 

この愛らしさも当然の事ですね。

 

「では、二郎。参りましょうか。」

「うん!」

 

元気良く返事をする二郎を抱き上げて、兄上の元に向かうために神獣に乗って空を飛ぶと、

二郎がとても楽しそうに大きな声をあげました。

 

「おぉ!?凄い!この犬、何で飛べるの!?」

 

はしゃぐ二郎の姿に、私の鼻の奥が熱くなりますがグッと堪えます。

 

…しばらくは二郎に楽しんでもらうのも、悪くありませんね。

 

私や兄上は神仙ですので、時間は幾らでもあります。

 

少しぐらい兄上を待たせても問題無いでしょう。

 

私の心を察したのか、神獣が飛ぶ速度を遅くしました。

 

素晴らしい…後でこの神獣には名を付けてあげましょう。

 

その後、二郎と私はゆっくりと兄上の所に向かいました。

 

その間に二郎は疲れてしまったのか、私の腕の中で眠ってしまったのでした。

 

二郎…母はあなたの寝姿だけで、後1000年は戦えます!




本日は4話投稿します

次の投稿は9:00の予定です
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