玄奘三蔵と孫悟空の天竺への旅が始まると、その旅の途中で一人、二人と仲間が増えていった。
先ずは猪八戒(ちょ はっかい)という猪の精霊の力を持った少年が仲間に入り、続いて沙悟浄(さ ごじょう)という河の精霊の力を持った少年が仲間に入った。
三蔵、悟空、八戒、悟浄の四人は遠い天竺へと向かって、広い中華を西へ西へと旅を続けていくのだった。
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天竺への旅の途中、次の村まで後一日の距離といった所で、一行は野宿の準備をしていた。
「お師匠様!野兎を取ってきたぜ!」
ガキ大将の様な空気を持つヤンチャな美少年である八戒が、両手に野兎を持って一行が野宿をする場所に戻ってくる。
「八戒、君はお師匠様が生臭を食べないのを忘れたのですか?」
利発そうな雰囲気を持った美少年である悟浄は、八戒の行動に呆れた様にため息を吐く。
「あぁ?天竺までまだまだ遠いんだぞ!肉を食わなきゃ力が出ねぇだろうが!」
「僕達はただ天竺まで旅をしているのではありません。御仏の教えの元に修行をする身でもあるのです。その僕達が御仏の教えを忘れてどうするのですか?」
美少年二人が額を付き合わせて睨み合う。
その光景はとある嗜好を持つ淑女にとっては暖かい目で見守る様な光景だろう。
そんな二人が睨み合う中に、弾む様な声を出しながら悟空が戻ってきた。
「三蔵~!熊をとってきたぞ!一緒に食おうぜ!」
天真爛漫な雰囲気を持つ悟空もまた美少年である。
そんな悟空を指差して八戒が声を上げた。
「見ろよ!悟空だって肉を持ってきたじゃねぇか!」
「君達は御仏の教えを何だと思っているのですか?!」
「三蔵~、早く食おうぜ。俺、腹減っちゃったよ。」
見目麗しい美少年三人に囲まれたこの状況に三蔵は息を吐くと、合掌して目を瞑り精神統一を始めた。
そして…。
(これも御仏の与えし試練なのですね…。)
完全に濡れ衣である。
むしろこういった状況を造り出すのは御立派な神の方だ。
悟空を送り出して『涅槃』に戻ったシッダールタは苦笑いをしているだろう。
心を落ち着けた三蔵は目を開いて微笑みを浮かべる。
「悟浄、御仏は善意による施しを受け取る事を禁じていませんよ。貴方も悟空と八戒に悪意がない事はわかっているのでしょう?」
「はい…もうしわけありません、お師匠様。」
「謝る相手は私ではなく、悟空と八戒ですよ。」
三蔵の指摘に悟浄は気まずそうにするが、悟空と八戒に向き直る。
「…すいませんでした。」
「おう!わかればいいんだよ!」
「そんなことより、早く食おうぜぇ。」
頭を下げる悟浄の肩に八戒は腕を回し、そんな二人の間に入る様にして悟空は笑顔で後ろからじゃれついている。
とある嗜好を持つ淑女にとっては鼻に熱いものが込み上げてくる様な光景であろう。
しかし三蔵は合掌をして精神統一の為に経を唱えて煩悩を打ち払おうとする。
すると『金箍児』が締まってしまい悟空が悲鳴を上げる。
三蔵は悟空に平謝りをすると、四人で一緒に食事の準備を始めたのだった。
これで本日の投稿は終わりです。
拙作の法師様御一行は美ショタ三人の逆ハーレムとなりました。
FGOの方ではどうなのでしょうかね?
作者の八戒の容姿イメージは黄飛虎をショタ化した感じで、悟浄は赤ず〇んチャチャのしいねの様な感じですね。
それと法師様のキャラが違うと思いますが、まだ修行中という事でどうかご容赦を…。
また来週お会いしましょう。