ウルクにある野に辿り着くと、既に臨戦態勢のエルキドゥの姿があった。
そのエルキドゥの姿を見たギルガメッシュは口角をつり上げる。
「準備万端の様だな、エルキドゥ。良いぞ、先手は譲ってやろう。」
ギルガメッシュの言葉が合図となり、エルキドゥが仕掛ける。
エルキドゥは手にしていた剣でギルガメッシュに斬り掛かる。
ギルガメッシュは自身の背後に黄金の波紋を浮かべると、そこから剣を取り出す。
ギルガメッシュの背後に浮かんだ黄金の波紋は、ギルガメッシュが冒険で集めた財が納められている蔵に繋がっている。
納められている蔵に繋がっている。
そしてこの黄金の波紋を作り出しているのは、ギルガメッシュが冒険で手に入れた
鍵の形をした宝貝の力によるものだ。
手にした剣でギルガメッシュはエルキドゥの一太刀を払い飛ばす。
払い飛ばされたエルキドゥの剣は、砕けて土へと還った。
「武器の扱いの基本が成っていないな、エルキドゥ。」
「っ!?」
ギルガメッシュは幼少時に、俺から武器の扱い方を学んでいる。
もっともそれは基礎だけなのだが、その基礎も無いエルキドゥとの差は歴然だ。
「少しは我を楽しませろよ、エルキドゥ?」
そう言うと今度はギルガメッシュから仕掛ける。
エルキドゥは自身の権能で足下の土を盛り上がらせると、土を剣に変えて手に取る。
ギルガメッシュが頭上から叩く様に剣を振り下ろすのを、エルキドゥが受け止める。
「くっ!」
「どうした、エルキドゥ?我は王であり、戦士では無い。その我の一撃に苦戦している様では、
貴様に霊薬を与えるわけにはいかんな。」
ギルガメッシュはそう言いながら、エルキドゥを力任せに弾き飛ばす。
エルキドゥは弾き飛ばされるままに後方に飛ぶと、また権能を使って土を盛り上がらせる。
だが、今度は剣を手に取るのではなく、剣をギルガメッシュに向けて飛ばした。
エルキドゥが飛ばした剣はギルガメッシュの頬を掠めて、ギルガメッシュに血を流させた。
「ギルガメッシュ、この力を君に向けたくなかったけど、僕は皆を救いたいんだ。」
そう言うとエルキドゥは周囲の土を剣や槍等の武器に変えて、自身の周囲に浮かべると、その刃をギルガメッシュに向けた。
その刃をギルガメッシュに向けた。
「ギルガメッシュ、降参して。僕はこれ以上、君を傷付けたく無い。」
エルキドゥの言葉に、ギルガメッシュは堪えきれないとばかりに高笑いをする。
「フハハハハ!」
ギルガメッシュの高笑いに、エルキドゥは眉を寄せる。
すると…。
ドンッ!
ギルガメッシュの背後に浮かんだ黄金の波紋から剣が撃ち出されて、エルキドゥの頬を斬り裂いた。
エルキドゥの頬を斬り裂いた。
「この程度の児技、我に出来ぬと思ったか?」
そう言うとギルガメッシュは、自身の背後に幾つもの黄金の波紋を浮かべて、その波紋から武器の刃をエルキドゥへと向けた。
その波紋から武器の刃をエルキドゥへと向けた。
「そんな非効率的な…。」
「凡百の雑種共にとっては非効率であろう。だが、王たる我にはこの程度の財は取るに足らぬ量でしかない。なぜなら、この世の財は全て我の物だからな!」
取るに足らぬ量でしかない。なぜなら、この世の財は全て我の物だからな!」
そう言うとギルガメッシュは背後に浮かんだ黄金の波紋から、数多の武器を射出していく。
武器に銘は無いが、射出されている武器は全て宝貝だ。
「くっ!」
それに対する様にエルキドゥも土で作った武器を射出していく。
だが射出する物の質の差が響き、エルキドゥは徐々に追い詰められていく。
「フハハハハ!どうしたエルキドゥ!我に遠慮はいらぬぞ!」
ギルガメッシュの言葉でエルキドゥは一度目を瞑る。
そして目を開けたエルキドゥは、その目に覚悟を宿していた。
「どうなっても知らないよ…、ギルガメッシュ!」
エルキドゥの言葉と共に周囲の土だけでなく、草花もエルキドゥの支配下へと置かれた。
それを目にしたギルガメッシュは、これまで以上に上機嫌に高笑いをした。
「フハハハハ!それでいい!それでこそ我自らが力を振るう価値があるというものだ!」
その後、ギルガメッシュとエルキドゥの戦いは三日三晩続いていく。
そして2人の戦いが4日目を迎えた時、ギルガメッシュは遂に原初の力を持つ
あの宝貝を抜き放つのだった。
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