二郎になりました…真君って何?   作:ネコガミ

266 / 308
本日投稿2話目です。


第257話

side:遠坂 凛

 

 

青い髪の人が縄をはずしてくれた。

 

「うわっ!血が出てるじゃない!」

 

縄が擦れた手首から血が出てる。

 

身体強化はしていたけど、今の私じゃこんなものなのね。

 

「…っ!桜!コトネ!」

 

二人の名前を呼んで立ち上がる。

 

桜は金髪の綺麗な女の人が助けてくれていた。

 

コトネは…。

 

「マスター、無理をせずとも構わん。この状況は戦で人の死に慣れている余でも堪えるからな。」

「うぷっ!」

 

大きな身体の赤い髪の男と女か男かよくわからない人が、コトネ以外の人も一緒に一ヵ所に集めていた。

 

「うむ、ゼンよ、集め終わったぞ。」

「敬語ぉ!ライダー!ちゃんと敬語使え!」

「本人が気楽に接して構わんと言ったではないか。まぁ、まだ名を預けてもらえる程の信を得ていないのは残念だがな、ハッハッハッ!」

 

青い髪の人が集められた人達の所に向かう。

 

それを見て私は青い髪の人に走り寄った。

 

「ねぇ、貴方はゼンって言うの?」

「あぁ、そうだよ。」

 

話し掛けるとゼンが頷く。

 

たぶんほとんどの人が死んでしまっているけど、コトネはまだ生きてる。

 

だから…。

 

「お願い!あの人達の中に友達がいて、まだ生きてるの!助けて!」

 

私は頭を下げる。

 

今の私にはこのぐらいしか出来ないから。

 

すると…。

 

「あぁ、いいよ。」

 

そう言って青い髪の人…ゼン(?)は微笑みながら私の頭を撫でてきた。

 

「マケドニアの王のマスター、ディルムッドに念話をしたら、アイリスフィールが従者と一緒に冬木の街に出ているみたいだから、この子達が着る物を適当に買ってきてくれるかい。」

「…わかりました。それと、この子達を保護する為に教会に連絡をしておきます。」

「あぁ、頼むよ。」

 

男か女かよくわからない人が、大きな身体の赤い髪の人と一緒にどこかに行った。

 

二人がどこかに行くと、ゼンは腰に吊るしていた何かを手に持つ。

 

…竹?

 

ゼンは竹の中に入っていた水(?)を撒いた。

 

すると、コトネの身体が光輝いて治っていく。

 

コトネだけじゃない。

 

他の人達の身体も治っていくわ。

 

「すごい…。」

 

気が付けば私の傷も治っていた。

 

これは魔術なのかしら?

 

帰ったらお父様に聞いてみましょ。

 

ゼンが金髪の女の人と一緒に皆の身体に布を掛けていく。

 

治った皆が裸だから布を掛けてくれているのね。

 

うん、ゼンは紳士だわ。

 

皆に布を掛け終わるとゼンが足踏みをする。

 

すると、皆を包み込む様に何か紋様が現れた。

 

「…なにこれ?」

 

お父様に少し魔術を教わっただけの私でもなんとなくわかる。

 

これはありえない程に凄い光景だって事が…。

 

紋様から目が眩む程の光が沸き上がり出し、中にいる皆を包み込んでいく。

 

「う~ん…眩しい…。」

 

あら?紋様の光で桜が起きたわ。

 

「あれ?姉さん?ここはどこ?」

 

…そう言えば、ここはどこなのかしら?

 

光が収まると死んでいると思っていた人達もゆっくりと息をしている。

 

まさか…生き返ったの?

 

「さて、この子達が目を覚ます前に記憶は変えておいた方がいいだろうね。」

「えぇ、子供が経験するには厳し過ぎる経験ですから。」

 

ゼンが足踏みをすると、また皆を包み込む様に紋様が現れたのだった。

 

 

 

 

side:遠坂 凛

 

 

「凛と桜か…こんなところで何をしている?」

「げっ!綺礼!」

 

紋様からの光が収まってから十分ぐらい経つと、何故かここに綺礼がやってきた。

 

「き、綺礼こそ何をしに来たのよ?」

「私は事態を収めに来た。」

「事態を?」

「冬木の連続失踪事件は知っているか?」

 

そう言って綺礼は私達を拐った男を見た。

 

なるほど、こいつが犯人だったのね。

 

「それで?時臣氏から大人しくしている様に言われた筈の凛と桜が、何故ここにいる?」

 

うっ…。

 

私は綺礼に事情を話す。

 

「なるほど。友人の為に行動を起こしたその心は誉められるべきものだが、言い付けを破った罰は受けねばなるまい。」

「うぅ…やっぱりそうよね…。」

 

項垂れていると綺礼が笑った。

 

あら?こんな風に笑う奴だったかしら?

 

いつも仏頂面の綺礼が笑ったのを見たのは初めてな気がするわ。

 

しばらくすると男か女かわからないあの人が、銀髪の綺麗な女の人達と一緒に戻ってきた。

 

「セラ、リズ、皆に服を着せてあげてちょうだい。」

「かしこまりました。」

「は~い。」

 

銀髪の綺麗な女の人のお願いでメイドの二人がテキパキと動き出す。

 

私はなんとなくゼンに目を向ける。

 

ゼンは私達を拐った男の所にいた。

 

彼が手を添えると、男の手にあった絵の様なものが消えていた。

 

「さて、それじゃ俺とアルトリアはその子達を時臣の所に連れていくから、後は頼んだよ綺礼。」

 

え゛っ!?

 

どうしてお母様の所じゃなくてお父様の所なのよ!?

 

その後、私と桜はゼンとアルトリアっていう金髪の女の人にお父様の所に送られたんだけど、お父様は妙に迫力がある笑顔で待っていたわ。

 

桜は私を止めたという事でほとんど叱られなかった。

 

でも私は足が痺れても正座のまま叱られ続けている。

 

ゼンが見ている前で。

 

うぅ…恥ずかしい。

 

「凛、反省しているのか?どうやらまだ叱らなければならないみたいだな。」

「反省したわ!したからもう足を崩させてお父様ぁ!」




次の投稿は11:00の予定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。