二郎になりました…真君って何?   作:ネコガミ

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本日投稿3話目です。


第261話

side:アイリスフィール・フォン・アインツベルン

 

 

宴の当日、先ず最初に冬木にあるアインツベルンの城にやって来たのはウェイバーくんだった。

 

ウェイバーくんはイスカンダル王の宝具である戦車に乗って空を飛んで来たわ。

 

「えっと、今日はよろしくお願いします。」

「よろしく頼む!ハッハッハッ!」

 

イスカンダル王は酒屋の主人との飲み比べで勝ち取った戦利品と言って、日本酒の酒樽を持ってきたわ。

 

「飲める上に酒を持ち帰れる。日本とはいい国だな!」

「少しは自重しろ!このお馬鹿!」

 

うん、もしかしたらイスカンダル王が一番現世を楽しんでいるかもしれないわね。

 

次にやって来たのが二郎真君様の御一行ね。

 

二郎真君様を始めとしてアルトリア、言峰親子に李書文、そして…誰かしら?

 

茨の冠を被った長髪の男性と…たしか螺髪だったかしら?その髪の男性も一緒だわ。

 

う~ん…どこかで見た覚えがある容姿の御二人ね…。

 

そんな風に考えていると二郎真君様が御二人を紹介してくださったわ。

 

「アイリスフィール、二人を紹介するよ。ガウタマ・シッダールタとイエス・キリストだ。」

 

…はい?

 

「ご紹介にあずかりましたガウタマ・シッダールタです。ブッダと呼ばれる事もありますが、どうぞ呼びやすい様に呼んでください。」

「私はイエス・キリストです。ナザレのイエスとかヨシュアと呼ばれる事もありますが、私もブッダと同じ様に呼びやすい様に呼んでくださいね。」

 

…落ち着きなさい、落ち着くのよアイリスフィール。

 

と、とりあえず覚者と聖人をもてなさないと。

 

「御二人の席も直ぐに御用意させますので、どうぞこちらへ。」

 

側に控えていたセラが頭を下げると足早に準備に向かう。

 

よかったわ…セラが言うとおりに多目に用意しておいて本当によかった。

 

リズに持ってきてもらった水を一気に飲み干して心を落ち着ける。

 

…よしっ!

 

それから少し経つと、空を飛ぶ船に乗ってギルガメッシュ王の御一行がやって来た。

 

遠坂 時臣さんが先に下りると次に奥さんであろう女性、そして髪をツインテールにした可愛い女の子と、大人しい雰囲気の可愛い女の子が次々に船を下りてきたわ。

 

今日の宴にはイリヤも参加するから、あの子達にはイリヤのお友達になってもらいたいわね。

 

彼女達に続いてギルガメッシュ王も下りてくる。

 

私は友達が出来て笑顔になったイリヤを想像すると、笑顔で御一行を案内するのだった。

 

 

 

 

side:イリヤスフィール・フォン・アインツベルン

 

 

宴はお酒を飲むパーティーだってお母様に聞いたから、宴に参加する子供は私だけだと思ったんだけど、私以外にも二人参加するみたいね。

 

宴が始まれば『ぶれいこう』っていうのになって自由にしていいみたいだから、それまでは大人しくしてお母様に恥をかかせない様にってセラに言われたわ。

 

あ~あ、早く始まらないかしら。

 

「アイリスフィール、少し待ってくれるかい。もう一人喚ぶからね。」

 

お母様や切嗣だけでなく、セラやリズも助けてくれた二郎真君様が、お母様にもう一人招くって言ったわ。

 

時間掛かるかしら?

 

「わかりました。直ぐにもう一席御用意致します。」

 

お母様の言葉を聞いてセラが直ぐに動いたわ。

 

流石はセラね。

 

私はその場に残ったリズに目を向けると、リズと目が合った。

 

さっき一緒につまみ食いをしたのはナイショよ。

 

目で伝えるとリズはしっかりと頷いた。

 

これで一安心ね。

 

二郎真君様は少し離れた所に移動すると一度足踏みをした。

 

すると一瞬で地面にドイツのお城で見たものに似た召喚陣が浮かび上がったわ。

 

「一度見たけど、どうやっているのかサッパリわからないわ。」

「凛、目に焼き付けておきなさい。あれがお前が選んだ御方の力の一端だ。」

 

ツインテールの女の子と近くにいたおじさんが話しているのが耳に入るけど、私の目は二郎真君様に釘付けだった。

 

これが…武神の力の一端…。

 

召喚陣から光が溢れ出し、視界を覆い尽くしていく。

 

やがて光が収まると、そこには見惚れてしまう程に綺麗な人が立っていた。

 

「久し振りだね、エルキドゥ。」

「うん、久し振り、二郎。それと誘ってくれてありがとう。」

 

綺麗な人はさっき話をしていたおじさんの近くにいる金髪の男の人の所に歩いていった。

 

「待っていたぞ、エルキドゥ。」

「うん、お待たせ、ギル。」

 

綺麗な人は自然に金髪の男の人の隣に座った。

 

「さて、待たせたね、アイリスフィール。」

 

二郎真君様の言葉を聞いたお母様は軽く咳払いをする。

 

「それでは宴を始めさせていただきます。皆様、どうぞごゆっくりお楽しみください。」




これで本日の投稿は終わりです。

御二方が出そうとするとどうしても立川風味になってしまう不思議。

また来週お会いしましょう。

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