迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
七夕、それは中国での行事であったものが奈良時代の日本に伝わり元からあった日本の棚機津女の伝説と合わさって生まれたものである。
まぁ、それは置いておいて....
子供達の為に笹を持って帰ってきた戦兎。
「ただいまー」
「「おかえりー」」
既にリビングではミカと翼、はやてが短冊を制作している。そう、今日は7月7日。
「お帰りなさいませ、マスター」
「ミカ、これ何処に運べばいい?」
「それはそのまま庭に運んでいただいて....」
戦兎はミカに言われた通りに笹を運び庭に置いてあった筒に差し込むことで自立させる。
「そういえばその笹は何処で手に入れたん?」
「ああ、これはね....」
一応ミッドチルダでも笹を手に入れることができるのだが、なるべく地球のモノを使いたかった為に戦兎は地球へ連絡を取ったのだが、如何やら葛城さんは深谷七夕まつりへ参加する為に埼玉県深谷市へ向かっているらしく笹をてにいれることができなかった。その為戦兎は恭也さんに連絡して笹を手に入れることには成功したのだ。が、一つ条件を付けられたのだ。
「で、戦ってきたんやな」
「ハハハハハ......」
乾いた笑顔を浮かべて少しずつ気を沈めていく戦兎。何かを得るために何かを犠牲にした男がそこにはいた。
「翼は七夕を知ってたんだよね?」
「はい。エボルトと行動している時に」
如何やらエボルトは地球の文化を楽しんでいた模様。クリスマスもバレンタインも知ってたなと戦兎は意識を現世に浮上させてくる。
「マスター、準備を開始しましょう」
「ああ」
壁に立てかけてあったレールを動かして組み上げていく。
七夕はそうめんを食べるのが風習らしい。
その為流しそうめん用に作ったスライダーはヴィヴィオ達の友達も誘っても大丈夫なようにかなり巨大なものになっている。二階から流せるようにしつつ、魔法で水を流していく。
「よしっ」
「そろそろゆで始めるな~」
「頼んだよ~」
はやてはそうめんを茹で初める。戦兎は作りかけの短冊の穴に紐を通していく。
「ただいまー!」
「「おじゃましまーす!」」
ヴィヴィオがリオとコロナと共に桐生家を訪れる。ミカが迎えに行っているので戦兎は全員分の食器を準備し始める。
「「ただいまー」です」
「「「お邪魔します」」」
一斗、フーカがアインハルトとユミナ、リンネを連れて帰ってくる。それに続くように庭に魔法陣が展開される。
「っと、どうも。戦兎さん」
「よう」
「ヴィヴィオ来てます?」
「姉さん、着いたよ?」
「もうちょっとだけ...」
そこ魔法陣からユーノ、龍斗、なのはにフェイトが転移してくる。フェイトの腕の中にはアリシアがいる。
「良く来たね。準備がもう少しだけ掛かるから待っててね」
全員にめんつゆを入れたお椀と箸を渡していく。
「姉さん、もうみんな集まってるよ?」
「.....分かった」
しぶしぶフェイトに降ろしてもらうアリシア。そんな彼女にも渡す。
「皆~ゆで上がったで~」
「待ってたぜ!!」
どこからともなくヴィータが顔を出す。
「全く、先に行くなヴィータ」
「お邪魔しますね、戦兎さん」
「お邪魔します!」
守護騎士達とミウラが顔を出す。如何やら全員揃ったようだ。戦兎はゆで上がったそうめんを持って二階へと上がる。
「始めるぞ~」
『は~い!』
子供たちの声を聞きながら流れていく水にそうめんを少しずつ投下していく。
七夕の夜はまだ始まったばかりだ。
皆が集まってイベントを楽しむ。
これが戦兎の守りたかった未来。
そして忘れてはならないのがエボルトも各イベントを楽しんでいたこと。
完全に世界に毒されてるな....