迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
一斗とも久しぶりの再会だ。色々と聞きたいこともあるが、今はこいつをヴィヴィオに届けなければならない。その為、俺はバイクを走らせた。
『は~い!』
「戦兎だ。例のものを届けに来たぞ。」
家のインターフォンを鳴らす。中から聞こえてきたのはあの魔王の声。
『....今、変な事考えませんでした?』
「イヤ、NANIMO?」
何でだろう。俺の周りには読心術が使える奴が多いのかな?
「なのはさん、ヴィヴィオに会いに来ました!」
『一斗君も来てくれたんだ!さぁ、入って入って。』
なのはの招きで高町家へと足を踏み入れる。
「おっ、やっと来たか。」
「待たせたな、龍斗。」
龍斗もいる。今日は久しぶりにフェイトが帰って来ていおり、ここにいるみたいだ。
「戦兎パパ!」
「おう、久しぶりだな。ヴィヴィオ。」
再会早々抱きつかれているのはなんでかな?
「一兄も、学校振りだね。」
「と言っても、何時もあっているけどね。」
この二人は本当に仲がいいな。
「あ、戦兎さん。」
「お邪魔しているよ、フェイト。」
フェイトが奥から顔を出してきた。知ってるよ?君と龍斗の仲がドンドン進んでいることを。
「さて、本題に入ろうか。」
「うん、そうだね。ヴィヴィオ。ヴィヴィオはもう四年生だよね?」
「そうだよ?」
「魔法の基礎も大分できるようになって来た。だからそろそろ自分のデバイスを持ってもいいんじゃないかなって」
「ホント!?」
俺がここに来た目的はそれだからな。
「俺が今日ここに来たのは、忙しくて来れないユーノの代わりにこいつを渡すためだ。」
そう言っておれは小さな箱を持ってきて手渡す。
「開けてみてくれ。」
「うん!」
ヴィヴィオが箱を開ける。
「ウサギ?」
ウサギの可愛らしいぬいぐるみが入っていた。
「そのウサギは外装、アクセサリーだね」
「本体はクリスタルタイプだからな」
俺はなのはの台詞を少し詳しく説明する。
『.......』
っと、起動したみたいだな。
「と、飛んだ!?動いてるよ!?」
あ、それは...
「俺とマリーさん、ユーノが創ったオマケだ。」
ウサギは俺の言葉に頷きながらもヴィヴィオの正面に移動する。
「リサーチしてヴィヴィオに合わせた最新式だが、中身は殆ど空っぽなんだ。だから、名前を付けてやってくれ。」
「えへへ、もう決まってるよ。愛称もね。」
ほほう、どんな名前を考えたんだろう。
「そうだパパ!リサーチしたならアレができる!?アレだよ!?」
「勿論できるさ。セットアップしてみてくれ。」
なのはと俺はアレが何なのかを知っているが、他は誰も知らないからな。
マスター認証は庭でする事に。みんなが移動する中、俺は録画の準備を始める。
「マスター認証。高町ヴィヴィオ。術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリッド。デバイスに個体名称を登録、愛称は『クリス』。正式名称は『セイクリッド・ハート』。」
俺はこの一連を撮影しながら思い出す。俺達が守った未来がここから始まるのだと。
「いくよ、クリス。」
ヴィヴィオは叫んだ。自身のデバイスの名を。
「セイクリッド・ハート!セーーット・アーーーップ!!!」
ヴィヴィオは光に包まれる。そして少し後には。
「ん、やったあーーー!!!ママ!パパ!ありがとー!」
大人モードのヴィヴィオがいた。
「おめでとう。」
「あー、うまくいったね!」
『excelllent!』
『...........』
まあ、知らなかった人達にとっては驚きしかないもんで。
フェイトは口を開けたまま、床に座り込んでしまう。龍斗と一斗は驚きで何も言えなくてなっているみたいだ。
しばらくして正気に戻った龍斗に俺は質問され、一斗はヴィヴィオ本人に聞きに行っている。
フェイトは「なんで聖王モードに!?」とか言いながらなのはとヴィヴィオを行ったり来たりしている。
「フェイトちゃん、落ち着いて。これはね?」
「ちょっ....一兄には隠していたけど、なんでフェイトママに説明してないのー!」
「いや...その...うっかり」
「あらら....」
「うっかりってー!」
実に賑やかな光景である。俺はそれがひと段落するまで録画を止めなかった。
リバースカード、オープン!
『なのはのうっかり』!
その効果で、フィールドに存在している『リリカルなのは』と書かれたカードのコントロールをプレイヤーは出来なくなる!